キャット❤フード

第3章『見知らぬ街で』

3-1

「うぅ・・・」
幸穂は痛みに目を覚ました。
視界はやや高目にあり、身体にぬくもりを感じていた。
「やぁ?お目覚めかい?」
見知らぬ男が、そう語りかけてきた。幸穂は状況が理解できず、がむしゃらにもがいて逃げようとしたが、身体が悲鳴を上げた。
予想以上の痛みに動きを取れなくなっていると、その男が更にしっかりと抱き抱えるように手の力をいれた。
「こらこら・・・暴れるなよ。歩きにくいだろ」
動けない以上は仕方ない、と幸穂は観念し、大人しく抱かれることにした。
ところでこの人誰だろう・・・何処に連れて行かれるのだろう、と幸穂は若干不安になりながらも、周りの景色を眺めていた。
そこであることに気が付く、見たこと無い・・・街・・・
「ニャー!!!(街!!)」幸穂は慌てて回りを見回す。
今までに見たこと無い街だ。
何処に居るのか変わらず必死になって自分の居る場所を把握する為、キョロキョロと周りを見回していた。
「こーら!!暴れるなって」
そういって更に強めに抱えられ幸穂は、不安を隠せないまま大人しくした。
(プルルルルル!プルルルルル!)
携帯の着信音がすぐ耳元でした。恐らくこの男の物だろう。丁度胸ポケットのあたりから聞こえてきた。
片腕で幸穂を抱え、その男は携帯にでた。
「おお~丁度よかったー。ちょっと、頼まれてくれないか??」男は開口一番で電話の相手に何か頼みだした。
幸穂はさして興味なさそうにし、大人しく抱かれている。その内に眠気に襲われ全身の痛みと疲れもあり、あっさり眠りにおちた。

3-2

次に目が覚めた時には部屋にいた・・・・
「にゃ~・・・(ここどこ・・・)」
相変わらず男の腕に抱かれていた。
「たのむよ~俺の彼女、猫アレルギーで家に入れてもらえないんだよ~」
男は、また頼み込んでいる。よく頼み込む人だなーっと思って聞いていると
「と言ってもなぁー隼人が拾ったんだろ?」
(私を抱いてる男は隼人というらしい・・・・拾った・・・?どういう事・・・・よく思い出せない・・・うぅ・・・・)
隼人は土下座せんとばかりに手を床について
「マジで頼むよ!!ほっとけないだろ~圭太なら一人暮らしだし、里親が見つかるまででいいからさー」
「う~ん・・・しかたないなー・・・・ったく!!・・・必要な物ちゃんと有るんだろうな?」
しぶしぶながら圭太は了承し紙袋を見ながら中身を見せるようにうながした。
隼人は幸穂を下ろし、紙袋をだした。中には餌皿や猫砂など色々と必要なものが入っていた。
餌も数種類入っていて、暫らくは大丈夫だろうと思う
「本格的に俺に飼わせようとしてないか・・・・・」
やや呆れ気味に圭太はぼやいた。
それから色々話ながら気が付くと夜が更けていた。
「お・・・ソロソロ時間だ。じゃモモ預けるから~」
そう言って隼人は足早に圭太のマンションを去っていった。