大宮さんの恋物語です。
毎日20時更新予定です。
ではでは・・・どぞ・・・。
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Side.O
「コーヒー飲む?」
「ぁ・・・うん。ありがとう。」
部屋の隅にあるコーヒーポットから。
コーヒーを注ぐと・・・俺の目の前へ置いてくれた翔君。
Tシャツの・・・汁を拭いた部分がびしょびしょで。
どれだけ水含ませたんだ・・・と笑いそうになるのをこらえて。
もう一度お礼を言う。
翔君は。
新聞を持って・・・なぜか立ったままでいる。
それ以外にも4紙ほど・・・机の上には新聞が置いてあって・・・。
キャスターをしている翔君。
いつでもどこでも・・・こうやって勉強をしている。
翔君がぼんやりしているところを見たことがない。
ぁ・・・たまに。
ソファで横になって寝てはいるけど。
なんか・・・寝言言いながら・・・///。
寝言にしては大きくて。
話かけられてるのかな?・・・と何度か返事したことを思い出し・・・。
・・・。
・・・。
ホント翔君って。
頭いいんだけど実は面白いんだよな・・・なんて思ったら笑いそうになっちゃったけど。
そんな俺には気づかずに。
翔君が・・・話始めた。
「俺さ。」
「///・・・ん?」
「智君の映像作品って。これまでも全部楽しみにしてたけど。」
「・・・ぅん。」
「これは・・・この作品は。ちょっと桁違いに楽しみって言うか・・・。」
「・・・。」
「いや違うな。楽しみと言うよりは・・・。」
「・・・。」
「なんて言うか・・・。」
「・・・。」
「誤解を恐れずに言うとね。ちょっと見るのが怖い。」
「・・・。」
「智君どうなっちゃうんだろうって。」
「・・・どうにもならないよ・・・///俺は俺だし。」
「まあそうなんだけど。」
「・・・。」
「扱ってる題材が題材だから。」
「・・・。」
「各方面に影響あるんだろうなって。」
「・・・。」
「もちろん。いい影響だよ?」
「・・・ん。」
「それにほら。相手が男とはいえ・・・初の恋愛映画じゃない?」
「・・・ぁ。そっか。」
「そうだよ///だからさ。かっこいい智君が・・・見れるってことでしょ?」
「・・・かっこいいかどうかはわからないけど・・・///。」
「智君ちゃんとかっこいいんだから。少し自覚した方がいいよ?」
「・・・///。」
時々翔君は・・・こんな風に言ってくれる。
あまり自分に自信がない俺は。
こんな翔君の言葉で・・・いつも少しだけど自分を肯定することができる。
翔君が俺をかっこいいと思ってくれるように。
もしかしたらニノも。
こんな俺をちょっとでもかっこいい・・・なんて思ってくれるのかな・・・なんて。
そんなこと・・・思ったりして元気が出るんだ。
「応援してるよ。」
「ありがとう翔君。」
コーヒーを飲み終えると。
スタッフさんに呼ばれ・・・打合せが再開する。
俺達のライブツアーはまだあと2か所残っている・・・けど。
もう次のアルバムの打合せするんだから。
ありがたいよな・・・と。
そんなこと思いながら。
今目の前の仕事に・・・集中をした。
そして今・・・夜になり。
今日の映画の撮影が始まる。
店の中と外での・・・大事なシーンの撮影だった。
夜の繁華街。
まずは店の中で・・・二人でおしゃべりしながら飲んでいるシーン。
ほとんどリハはやらない。
監督は・・・もう。
この手のシチュエーションは。
俺達二人に任せておけば大丈夫だって思ってるらしく。
簡単なドライをやって。
すぐにカメリハを一度だけ。
ちょっと光源が足りないから反射板を使うことになって・・・そのセッティングをしたら。
すぐ本番になった。
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つづく