大宮さんの恋物語です。
嵐さんのとある曲をモチーフにしております。
タイトルは7話時に変更させていただきますね。
毎日20時up予定です。
ではでは・・・どぞ・・・。
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Side.O
「今回は・・・二人の自然な演技を期待してるんだ。」
「・・・。」
「もちろん二人とも演技派で・・・申し分ないのは承知しているんだけど。」
「・・・。」
「今見ても・・・仲もよさそうで安心してるんだけどね。」
「・・・。」
「・・・その・・・つまり・・・。」
「・・・。」
「二人の関係を・・・言葉じゃなくて仕草や視線なんかで表現したいと思ってるんだ。」
「・・・。」
「極端な話・・・こう・・・すっと交わす視線とか。」
「・・・。」
「二人の距離とか。」
「・・・。」
「そういうのでね・・・本当に付き合っている二人のように見せたいんだ。」
「・・・。」
「しかも自然に・・・だから演技やバーチャルじゃなくて・・・」
「おーのさんと僕の仲を・・・リアルでも深めてほしいってことですか?」
言いにくそうにしている監督の代わりに。
ニノが・・・はっきりと言った。
ああ・・・うん。
そういうことか。
「そう///そういうこと。」
「・・・もちろんそうします。」
「・・・うん・・・そう・・・だよね。」
「はい。」
「・・・ぅん・・・わかってる。ちゃんと二人ならやってくれるって・・・。」
「・・・。」
「・・・わかってるよ・・・。」
「・・・。」
「・・・わかってる。」
「・・・何か。監督の中で作戦があるんですね?」
「///・・・ああぅん///そうなんだよ。」
言い淀む監督に。
意図を察し・・・助け舟を出すニノ。
こういうとこ・・・ホントすごい。
人の心を読む力もそうだし。
的確な誘導もできて。
ちゃんと的を得ている。
こういうの・・・俺はホント真似できなくて。
そういえば・・・翔君もニノとよく似ている。
言葉にできていない奥深くの本音に迫る感じ。
助けられたことが・・・何度あったことか。
「・・・どんなことですか?」
「・・・まあその・・・イヤなら断ってもらっていいんだけど。」
「・・・。」
「二人。一緒に暮らしてくれないかな。しばらくの間。恋人として。」
「・・・。」
「・・・。」
理解。
できなくて。
いや・・・できたけど。
あまりのことに・・・上手く反応できなかった。
え・・・一緒に暮らす?
ニノと・・・俺が・・・///?
そ・・・それは。
同棲・・・///?
いや違う・・・同居か///。
・・・。
・・・。
俺は。
そりゃ・・・いいけど。
って言うか・・・願ってもないことだけど。
いや大丈夫か?俺///。
一緒になんか暮らして。
いやでも。
でも・・・こんなチャンス。
こういう時でもないと一生訪れない。
例え・・・疑似でも。
ニノと一緒に・・・恋人同士として暮らせるなんて。
一番近くでニノを感じられるなんて。
そんな。
そんな・・・幸せなこと。
あっていいのか?
多分今。
表情も体もぴくりとも動いていないはずの俺。
逆に動かな過ぎて不自然なくらいかもしれない。
でも・・・頭の中はこんがらがってぐちゃぐちゃで。
上手く整理できず・・・どう返事をしたらいいのかわからない。
ぁ。
でも。
イヤなら断っていいって。
そう言われた。
ああ・・・もしかして今。
俺。
断られるかもしれない。
ニノにふられるかも・・・
「僕はいいですけど・・・おーのさんは?」
「全然いい。」
ああ。
早く答えすぎたか///?
若干かぶせたかも。
しかも「全然いい」とか・・・答えが前のめり過ぎるだろ///。
チラ・・・と隣を見ると。
案の定・・・ニノが笑っている。
そんな・・・息を弾ませて笑うあどけない顔も。
かわいくてたまらなくて・・・この胸騒がせる。
「・・・だそうです///監督。」
「よかった・・・二人ともありがとう。」
「・・・いつからの予定ですか?」
「クランクインしてしばらくは・・・付き合うまでの二人を撮る予定だから。」
「・・・。」
「逆にそこは・・・仲いいと困るくらいで・・・。」
「じゃあ・・・映画の撮影に合わせて仲を深めていくって感じですか?」
「そうそう。そんな感じ。だからクランクインして少ししたら・・・一緒に暮らし始めて欲しいんだ。」
「わかりました。おーのさん。よろしくお願いしますね。」
「・・・ぁ///ぅん。こちらこそ。」
「よかった///相手役がおーのさんで。」
「///・・・。」
ニノのその言葉に。
一瞬・・・どきっとして。
チラ・・・と。
監督を見る・・・けど。
特に何も言いそうになかったから。
ほっとする。
.
つづく