大宮さんBL物語です。
苦手な方はご注意を・・・。
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「翔ちゃん今回はどこ行ったの?」
「タージ・マハル。」
「有名どこだね。」
「ん・・・ちょっとマニアックなとこ多かったからさ。たまにはね。」
「どうだった?」
「やっぱ感動するよ。門とかさ・・・くぐった時とか。」
「・・・。」
「歴史感じるもんな。」
「確か・・・広いんだよね?」
「そう。たっぷり滞在してじっくり書いてきたよ。」
「インドいいよな。」
「ああ・・・智君も行ったよね。去年だっけ?」
「うん。でもタージマハル行かなかった。」
「そういうとこさぁ・・・大野さんらしいよね。」
「そうかぁ?」
「カレーばっか食ってたんでしょ?」
「そう。カレー食ってガンジス河見て。」
「・・・変なもの買ってきたよね。」
「変なものって言うなよ・・・ガンジーだぞ。」
「今回は?お土産。あれ?どこ行ったんだっけ大野さん。」
「トルコ。」
「またマニアックな///・・・。」
「宮殿見てきた・・・すごかったぞ。」
「へぇ・・・。」
「これ仕入れてきた。」
「なにこれ。」
「オリーブ石鹸。」
「石鹸・・・?」
「赤ちゃんや敏感肌の人でも大丈夫なんだって。『今月の掘り出し物』コーナーでも売ってもらう。」
「なんか・・・カラフルだね。お菓子みたい。」
「相葉君のそのTシャツもめっちゃカラフルだよね。」
「でしょ?すごいんだよこれ。手染めなの。」
仕入れの品物を並べみんなで見ながら会議室で話が飛び交う。
これもいつものこと。
女子かっていうくらい・・・おしゃべりな俺たち///。
ホント・・・いつも会社の女子に「楽しそうですね」って言われるくらいにぎやかだ///。
俺たちは・・・こんな感じで繋がっていて。
五人の会社はなくなってしまったけど。
思うほど寂しくなくて。
いつも絆を感じられている。
そうそう・・・三人には。
付き合い始めてすぐに智と俺の関係のこと伝えたんだけど。
すごい驚かれた。
え・・・付き合ってなかったんだ・・・って///。
どうして俺が。
この会社を辞めることになったのか。
それは。
先月のこと。
約2週間ぶりに帰ってきた智が。
昨晩のようにむさぼるようにして俺を抱いた後。
俺の髪をなでながらこう言った。
「なあ。」
「・・・。」
「お前。今の仕事・・・辞めちゃえよ。」
「・・・え?」
「1年仕事したんだからもう義理は果たしただろ。」
「・・・。」
「仕事辞めてさ。」
「・・・。」
「俺と一緒に旅しない?」
「・・・。」
「どこ行ってもさ。お前のこと考えんだよ俺。」
「・・・。」
「この景色一緒に見たい・・・とか。」
「・・・。」
「お前にこれ食わせたい・・・とか。」
「・・・。」
「もう・・・一人旅が寂しくなった。」
「・・・。」
「お前のせいだからな。」
「・・・。」
不意に本音を聞かされて。
この人の深い愛情を知る。
「じゃ・・・あ・・・俺は何の仕事するのよ。今のとこ辞めたとして。」
「いいんだよ。俺と一緒に旅してれば。仕事なんかしなくたって・・・」
「そういう訳にはいかないでしょ。あなたお金持ちだからいいけど俺はお金稼がなくちゃ・・・」
「じゃあ考えればいい。」
「・・・。」
「俺と一緒に旅してさ。何か稼げる方法を考えればいいじゃん。」
「・・・。」
「な。俺と一緒にいることを優先してよ。」
「・・・。」
そっち方向から仕事を考えるなんて。
思いもしなかった。
そんなこと。
できるのかな・・・と。
そして・・・結局。
さんざん悩んだ挙句。
俺は・・・智の希望通り。
会社を辞めて。
智と一緒に旅をするこれからを選んだ。
不安は確かにあったけど・・・でも。
どうせ離れていても俺の中心は智なんだから。
ならば・・・一緒にいることを我慢しないで。
待つのはもう終わりにして。
二人でいればいい。
それが・・・結論だった。
一番の決め手は。
智がそれを強く望んでくれたってこと。
それだけでもう。
俺の心が決まったようなものだった。
もうすでに。
明日の出発が決まっていて。
早朝便だから・・・家からでは間に合わなくて。
それで・・・空港近くのホテルを予約していて。
今夜は飲み会の後そこに泊まる。
智は今朝帰ってきて・・・明日の朝また出発なんだけど。
二人で早く旅行したいみたいで。
それでこんな強行軍になったんだ。
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つづく
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ありがとうございました。
毎日20時更新予定です。
楽しんでいただけたら・・・。
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