明日は君の旅立ちの日⑫ | ナツコのブログ

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にのちゃんが大好きです。
かわいい大宮さんを愛でております。
大宮さんのお話(腐です///)なども書いております///♪

ヘッダーアイコンはあみんさんよりお借りしております♡

 

 

 

大宮さんBL物語です。

 

苦手な方はご注意を・・・。

 

 

~*~*~*~*~*~*~*~

 



「それ・・・どうしたの?」

「・・・。」

「何か買ってきたの?」

「・・・。」

「起きたらさ。あなたいないんだもん・・・俺どうしたらいいのかわからな・・・」

「誰。」

「・・・?」

「電話の相手。」

「ああ・・・西島さん。知ってるでしょ?今度俺が入る会社の・・・」

「約束してたのかよ今日。」

「ぅん。ランチのね。」

「・・・。」

「それなに・・・?」

「・・・サンドイッチ。」

「・・・え。」

「サンドイッチ。あんだよ近くに・・・おいしいサンドイッチ屋が。」

「・・・。」

「だから並んで買ってきた。」

「それって・・・。」

「・・・ん?」



俺のため?

と。

言いそうになって・・・やめた。

そんな訳はない。

ただただ・・・この人が食べたかったから買ってきただけだろうに。

俺のため・・・なんて。

そんなことあるはずないのに。

一瞬。

・・・。

・・・。

夢を見てしまった。


















黒のエコバックから出てきたサンドイッチは。

俺が想像していたような・・・コンビニのとは違って。

もう・・・パンからして全然違う。

持った感じも重くて。

高さが半端なくあって・・・。

って言うかこれ・・・顎外れるんじゃない?



「ぁ・・・。」

「・・・?」

「コーヒー淹れてよ。」

「・・・コーヒー?」

「・・・。」



淹れてよって・・・どういう意味?と思いながら。

でもすっと立ち上がるから。

俺もついていく。

奥のキッチン。

そこに。

コーヒーのセットが置いてあった。

コーヒー豆と・・・それを挽く本格的なミル。

ドリップ容器と紙・・・それからお湯を注ぐ専用のポット。

まだキッチン周りも全然片付いていないのに。

その一角だけはキレイになっていて。

コーヒーマグが二つ。

黒と白の無地のカップが二つ置いてあった。



















「淹れて。コーヒー。」

「・・・。」



手に取って見る。

全部新品。

え。

・・・。

・・・。

どういうこと?



「豆・・・お前の好みとかよくわかんなかったから。」

「・・・。」

「店の人のオススメにしておいた。」

「・・・。」

「淹れて。」

「・・・。」

「・・・淹れてよ。」

「これ・・・。」

「・・・ん?」

「いつ買ったの?新品なんだけど・・・全部。」

「昨日。」

「・・・え・・・な・・・んで・・・。」

「お前呼ぼうと思ってたから。家に。」

「・・・。」

「だから淹れてもらおうと思って。」

「・・・。」

「腹減った。早くコーヒー。」

「・・・ぁ・・・ぅん。」



呼ぼうと思ってた・・・って。

それもやっぱり。

最後・・・だからなのかな。

じわっと湧き上がる・・・切ない感情。

でも俺はもう。

今は・・・そういうこと考えたくなくって。

だから俺は。

自分の家と同じようにして。

コーヒーを淹れ始めた。

いつもの手順通りにやっていくと。

少しずつ心が落ち着いていく。

とにかくこの人と一緒にいる今を。

大事にしたい。



















「それ・・・豆どんくらいとか決まってんの?」

「・・・目分量よ。大体でしかわかんない。」

「勘か。」

「・・・そう。」

「豆挽くのに力必要?」

「そうでもない・・・けど・・・やってみる?」

「ん。」

「・・・そう・・・引っかかるから気を付けて。」

「・・・ん。あ~砕けてるって感じするわ。」

「面白いでしょ?ゴリゴリいう感じ。」

「ん。面白い。」

「ぁ・・・もうそんくらいで・・・あんま砕けてもダメだから。」

「・・・。」

「うん・・・いい感じ。どう?」

「ん・・・いい香りだな。」

「でしょ?挽きたてならではなのよこの香り。」

「・・・。」

「なんか落ち着くのよね。」

「・・・ん。」

「これを・・・こっちに移して。」

「・・・。」

「お湯・・・ぁ・・・もう少しかな。」

「・・・。」

「いいよ?座ってて。あと少しでできるから。」

「ん。見てる。」

「・・・。」



じっと。

二人。

お湯が沸くのを見てる。

何もしゃべらず・・・なんだけど。

気まずいとか居心地悪い・・・とかなくて。

もうずっと・・・こうしていたような感覚になる。

いつもの二人になる。

この人のこと好きな気持ちが。

穏やかになっていく感じで。

激しく昂るような昨夜の熱とは違って。

一緒にいる空気に穏やかに包まれるような感覚。

肩・・・が軽く触れていること。

この人は気づいているんだろうか。


 

 

つづく

 

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ありがとうございました。

 

毎日20時更新予定です。

 

楽しんでいただけたら・・・。

 

 

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