sugar~Beach ver.~53♪ | ナツコのブログ

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にのちゃんが大好きです。
かわいい大宮さんを愛でております。
大宮さんのお話(腐です///)なども書いております///♪

ヘッダーアイコンはあみんさんよりお借りしております♡

 

 

 

こちらは大宮さんBL物語です。

 

苦手な方はご注意を///。

 

 

〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜

 

 

そうだった・・・和は。

 

船酔いがひどいんだった。

 

なのに。

 

俺を探しに来てくれたの?

 

 

 

「大丈夫・・・?」

 

「っ・・・ぅ・・・ぇ・・・っぇ・・・。」

 

「ごめん・・・ありがと。」

 

「・・・ぅ・・・っ・・・えぇ・・・。」

 

 

辛そうで。

 

かわいそうで。

 

俺はそっと近づきその背をなでた・・・と。

 

すっと影が俺達を覆う。

 

見上げるとそこには・・・。

 

ゴアがいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何かを俺に向かってしゃべっているけど。

 

何を話しているのか・・・まったくわからない。

 

でも・・・話の途中で「シャーク」って聞こえて。

 

え・・・まさかって思った。

 

和にペットボトルの水を渡しながら。

 

ゴアが和に何かを言い。

 

和が水を口に含み。

 

すすいでは吐き出しながら・・・それでもなんとかゴアに返事をしていて。

 

その返事を聞いてゴアが船を出発させた。

 

どどど・・・とエンジン音がして動き始める船。

 

俺は。

 

和が万が一にでも落ちてはいけない・・・と思い。

 

その腕を軽く・・・だけどずっと持っていた。

 

でも。

 

ゴアの操縦は優しくて。

 

スピードこそ出ているけど全然荒っぽくなくて。

 

見かけによらないな・・・なんてそんな事思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し落ち着いた和が。

 

はぁ・・・と大きくため息を吐きながら。

 

ヘリに寄りかかりグッタリしている。

 

俺は・・・座ったままその和ににじり寄って聞いた。

 

 

 

「シャークって・・・。」

 

「・・・いるのよここ・・・サメが。」

 

「・・・。」

 

「滅多に人は襲わないけど。」

 

「・・・。」

 

「夜は・・・動きが活発になるから。」

 

「・・・。」

 

「万が一ってこともあるし・・・あなたが食われちゃうんじゃないかと思って。」

 

「・・・。」

 

「心配したの。」

 

「・・・ごめん。」

 

 

 

怒ったように言う和。

 

とにかく具合が悪そうだ。

 

っていうか俺・・・よく無事だったな。

 

暴れずおとなしくしていたのが。

 

よかったのか?

 

 

 

「マジで・・・船弱いのに迎えに来てくれて・・・。」

 

「・・・。」

 

「ホントありがとう。俺・・・」

 

「・・・。」

 

「君が好きだよ。」

 

 

 

もう一度言う。

 

いや。

 

何度だって言う。

 

すいっと・・・顔を上げる和。

 

その顔が・・・青ざめていて。

 

こんな時にこんな話。

 

した自分をちょっと反省する。

 

言いたいこと・・・聞きたいこといっぱいあるんだけど。

 

返事もまだ聞いてないし。

 

でももしかして話なんて・・・できる状況じゃない?

 

和が・・・か細い声で言う。

 

 

 

「俺・・・。」

 

「うん。」

 

「ちょっと・・・まだ気持ち悪い。」

 

「ぇ・・・大丈夫?どうしたら・・・」

 

「あっちで・・・横になってくる。」

 

 

 

あっち・・・と言いながら。

 

操縦しているゴアの方を指さす和。

 

足元のところに・・・毛布やらなにやら置いてあるところがあった。

 

そっと和の移動を手伝う俺。

 

体を支え毛布に横になるまで誘導する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「遠距離恋愛・・・。」

 

「・・・。」

 

「考えてみてくれないか?」

 

「・・・。」

 

 

 

しつこいかも・・・と思いつつ。

 

横になった和に・・・大事な事だからもう一度すがるように聞いた。

 

和は・・気だるげに俺を見つめ。

 

コクン・・・と一度うなづくと。

 

毛布をぐいっとひきあげ口元まで持って行き。

 

それにくるまると見えなくなってしまった。

 

・・・。

 

・・・。

 

一歩前進・・・だと思う。

 

考えてくれる・・・と。

 

そう返事してくれたんだから。

 

前進・・・だよな?

 

俺は。

 

和の近くに座り。

 

じっと・・・その盛り上がった毛布を見つめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見つめたまま考える。

 

遠距離恋愛を考えてくれる・・・と頷いてくれた和。

 

なのに・・・心のどこかで安心できていない俺がいる。

 

思いが通じ合ったはずなのに。

 

どうしてか飛び上がって喜ぶ気にはなれなくて。

 

だってはっきり答えをもらった訳じゃないし。

 

それに・・・遠距離恋愛のその先に。

 

何があるのかわからなかったから。

 

いずれは一緒に・・・そう思っていても。

 

でもそのいずれがいつ来るのか。

 

いずれが来た時・・・どうすることが最善なのかわからなかったから。

 

でも。

 

・・・。

 

・・・。

 

思いは伝えた。

 

あとは・・・考えてみると言ってくれた和を信じるだけだ。

 

そう・・・信じるだけ。

 

くるまって眠る和を見つめる。

 

わかりあえたはずなのに。

 

こんなにも不安だらけなんて・・・と。

 

そんなこと思いながら俺は船に揺られていた。

 

 

 

 

 

 

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.

 

.

 

つづく

 

 

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