こちらは大宮さんBL物語です。
苦手な方はご注意を///。
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翌日早朝。
俺達は・・・全キャスト全スタッフで。
無人島へと向かう。
ホテルが用意してくれた船だけでは間に合わず。
漁船も一艘借りて。
そこにも機材を乗せ・・・無人島へと向かうことになる。
昨日の痛手から立ち直れない俺は。
ほぼほぼ・・・寝ていなくて。
って言うか。
もしかしたら・・・和はエムに心ひかれているのかもしれない・・・と思ったら。
キスまでした自分のピエロっぷりがもう笑えて。
って言うか泣けて。
久しぶりに・・・少しだけ泣いた。
黙々と機材を積む。
風が少し強くて。
今日の撮影にはもってこいの天気だった。
大事な機材は大きな船に。
細かい機材は漁船に積む。
ホテルの人も・・・手伝ってくれて。
せっせと運んでいたら。
その・・・手伝いの人の中に。
・・・。
・・・。
和がいた。
なのに。
俺は。
どうにも・・・顔が見れなくて。
いつもなら嬉しくて近づいて話かける和にも。
もうそんなことできなくて。
一度目が合ったけど。
おはようも言わず・・・目をそらせ背を向けた。
だってもう。
・・・。
・・・。
もう。
みんな・・・大きな船に乗りたがるけど。
俺は・・・もう一人になりたくて。
漁船へ乗り込んだ。
とはいえ・・・大きな船にあぶれた数人がこっちへ乗り込んできたから。
一人・・・とはいかなかったけど。
ずいぶんと年季の入った漁船。
全員ガチの救命胴衣を着させられる。
大きな船の出発準備を待たずに漁船が出発する。
大型船とは違う航路をたどって・・・無人島へと向かうようだった。
見送る和を・・・チラと横目で見て。
でも俺は手も振らず下を向いたままで。
漁船は出発した。
和とエムのやりとりも・・・例えば手を振り合うとか。
もしなされているのだとしたら見たくない。
すぐに出発してくれて助かった。
あっという間にトップスピードに乗る漁船。
走り出して・・・わかった。
浅瀬の影響か・・・かなり蛇行して走る漁船。
とにかく・・・揺れと水しぶきと風がすごくて。
他の人と話すどころじゃないから。
だから・・・一人みたいなもんだな・・・と苦笑いする。
顔に水しぶきを受けるけど。
逃げるところがないからしかたなくそのままでいる。
落ちないように・・・と。
ヘリのところにしっかりとつかまる。
波がしらに乗ると・・・・漁船が飛び。
マジで軽く体が浮いて。
一瞬の無重力になる。
どうやら・・・この漁船の船長は。
荒っぽい人らしかった。
ふいに。
腿のあたりに違和感を感じ。
そっと・・・服の上から触れ・・・気づく。
昨夜の。
あの指輪を・・・ポケットにいれたままだった。
ケースのままだから・・・ちょっと膨らんでいて。
邪魔になっている。
そう言えば・・・今朝履いた時にも気づいたのに。
ポケットから出さなかったのは・・・自分でもよくわからない感覚。
未練ありありってことか。
俺は。
軽くため息を吐いて。
振動でちょっと出て来てしまったその指輪ケースを。
ポケットの奥へぐいっと押し込んだ。
無人島へ着く。
本当に無人島で。
何もなくて。
でもきっと・・・海流の影響か。
海岸には海藻しかうちあがっていなくて。
あわてて少し・・・島の奥から木々や葉を持ってきたくらいだった。
もうすぐに撮影がスタートする。
あっちとこっちで同時スタート。
俺はハンディカメラを持って島の奥へと進み。
ジャングルみたいな景色を撮ったり。
空を撮ったり・・・とにかく遠景とかそういうの。
他のカメアシと手分けして。
絵コンテを見ながら撮ったり。
見当をつけて・・・長回ししたり。
いろいろとやっていた。
忙しい方が気がまぎれる。
加えて・・・主要人物の撮影には携わらなくて済んだから。
エムを見なくてすんでいた。
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つづく
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