大宮さんBL前提のお話です。
苦手な方はご注意を///。
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そして。
あれから約1年経った今。
カレー作りを中断して抱き合った僕達。
洗い立てのシーツが少し冷たく感じて。
熱く汗 ばんだ大野さんの体をいつも以上に引き寄せて。
今日も・・・いつものように大野さんに無言のまま抱 かれた僕。
あの日は・・・あの初めての日は・・・ただ抱 かれるだけで終わってしまったけど。
今では・・・痛みの中にも快 楽を見つけられ。
大野さんと繋 がったまま僕は。
イ けるようにまでなった。
いつも イ くのは僕が先。
大野さんはそんな僕をじっと見つめてから。
まだ・・・荒い呼 吸の僕をそっと腕ごと抱きしめ揺 らし。
高みへと昇 っていった。
いつものように。
コ トが終わると大野さんが僕のお世話をしてくれる。
今日はシャワーを浴びずに。
大野さんも体を拭いただけで僕の隣にねそべった。
ひじで頭を支えた姿勢で横向きになると。
僕の髪を・・・そっとなでる。
目にかかる前髪を。
その人差し指でついっと避けられると。
明るくなった視界。
見慣れた天井が映った。
すすっとタオルケットを引っ張る大野さん。
ちょっとだけ僕の体の下敷きになっていたから。
少し体を浮かせた。
全部取り出すと・・・するするっと僕の体にそのタオルケットをかけてくれる。
優しいんだ。
大野さんは。
確かにクーラーが効いていて。
汗がひいた体にはちょっとだけ空気が冷たく感じる。
「寒い?」
「平気です。」
「ここ。」
「・・・?」
「ちょっと・・・痕がついた。」
「・・・ぇ///。」
僕の鎖骨のあたりをついっと触っていた大野さん。
がばっと起き上がると。
すっとベッドから降りて。
向こうの部屋から鏡を持ってきてくれた。
僕の横に・・・鏡を持ったままコロンと寝転ぶと。
上へと鏡の手を伸ばす。
自分を・・・上から見下ろすあまりないシチュエーション。
寝転ぶ僕が映る。
髪が枕に広がっていて。
伸びたことを実感する。
ぽわん・・・とあいたままの口に気づき恥ずかしくなって。
ぐっと口元を結んだ///。
「ここ。」
不意に。
大野さんが鏡に入りこんできて。
二人で覗き込むこのシチュエーションに・・・ドキッとする。
鏡越に目が合えば・・・その高鳴りはさらに増す。
そんな僕に気づいているのかいないのか。
大野さんは・・・僕の鎖骨のあたりについている赤い痕をその手でなぞった。
確かに痕がついている。
でも・・・そこは。
きっと服に隠れるから。
だから大丈夫。
「バーで・・・今日。」
「・・・え?」
「暑かったから。」
「・・・。」
「ボタン・・・シャツのボタン。」
「・・・。」
「和君・・・外してたでしょ・・・2つ。」
「・・・。」
「屈むと・・・時々鎖骨のこのへんまで見えてて。」
「・・・。」
「俺・・・落ち着かなかった。」
大野さんは時々・・・仕事がない時は。
僕がバーに仕事に行く時も台車を引いてくれる時がある。
今日もそうしてくれて。
さらには・・・今日はバーの空調が点検中で動かず。
ちょっと熱かったから。
シャツのボタンを2つあけて。
時々風を送り込んだりして仕事をしていた。
「こうすればよかった。最初から。」
「・・・こう・・・って?」
「痕つけておけば・・・ボタン・・・外せないでしょ。」
「・・・。」
「いつでも・・・誰にも・・・見られずに済む。」
「・・・。」
そう言うと。
じっと・・・鏡越しに僕を見つめた。
近さに・・・今さらだけどドキドキして・・・でも。
もしかしてちょっと責められてる?って思って。
あわてた。
「誰も・・・見ないと思うんですけど///。」
「・・・。」
「そんな・・・こんなとこ。」
「・・・。」
「だ・・・から・・・。」
「見るよ。」
「・・・。」
「俺見るし。」
「・・・それは///」
「それにあのバーテンダーも・・・。」
「ぇ・・・タクミさん///?」
「・・・。」
「タクミさんは・・・見ないと思うんですけど///。」
「見てたよ。」
そう・・・かな?
ううん。
見ていないと思うんだけど///。
だって。
男が男の鎖骨なんて・・・見る?
すっと鏡を降ろす大野さん。
僕は・・・なんだかもう少しこの角度から見ていたくて。
そっと大野さんから鏡を取ると。
今度は僕が腕を上げ・・・上から鏡で二人を映した。
つづく
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作者のナツコです。
読んでくださって、ありがとうございました。
お話はあと少し続きます。
最後までお付き合いいただけたら嬉しいです♪