心の空~10 | ナツコのブログ

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にのちゃんが大好きです。
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こちらは「暁」「三日月」「Japonesque」の続編でございます。

 

もしまだ未読の方がいらっしゃるようでしたら。

 

「暁」「三日月」「Japonesque」を先に読んでいただきますようにお願いいたします♪

 

 

『「暁」はこちらから♪』

 

『「三日月」はこちらから♪』

 

 

 

 

 

大宮さんBL前提のお話です。

 

苦手な方はご注意を///。

 

 

 〜* 〜* 〜* 〜* 〜* 〜* 〜*~

 

 

 

 

 

 

和也を医者に診てもらう。

 

衰弱しているけど。

 

命に別状はないと言われほっとする。

 

医者の家の奥間で。

 

二人きりになり。

 

床に横になっている和也に話しかけた。

 

 

 

   ・・・無事でよかった・・・

 

 

 

   ・・・助けてくださって・・・ありがとうございました・・・

 

 

 

   ・・・いや・・・

 

   

 

   ・・・・・・・・・

 

 

 

   ・・・覚えているか?あの時の事・・・

 

 

 

   ・・・よくは覚えていないのです・・・

 

 

 

和也は。

 

私が家を出て少しして。

 

急に意識をなくし。

 

私の声で気づいたらもう。

 

真っ黒な影に抱えられていた・・・と言う。

 

その後の事を覚えているか・・・と聞くと。

 

あまり覚えていない・・・といいながらも。

 

話してくれた。

 

 

 

   ・・・声が・・・聞こえました・・・  

 

 

 

   ・・・声?・・・

 

 

 

   ・・・はい・・・声は・・・三つ・・・

 

 

 

   ・・・・・・・・・

 

 

 

   ・・・いくぞ・・・という声と・・・

 

 

 

   ・・・・・・・・・

 

 

 

   ・・・やっちゃうよ・・・という声・・・

 

 

 

   ・・・・・・・・・

 

 

 

   ・・・そして・・・

 

 

 

   ・・・あとはまかせてください・・・と・・・

 

 

 

   ・・・・・・・・・

 

 

 

   ・・・そう・・・聞こえました・・・

 

 

 

   ・・・そうか・・・

 

 

 

   ・・・どこかで・・・聞いたことがあるような気がしたのですが・・・

 

 

 

   ・・・・・・・・・

 

 

 

   ・・・智様・・・

 

 

 

   ・・・ん?・・・

 

 

 

   ・・・教えてはいただけないのでしょうか・・・

 

   

 

   ・・・・・・・・・

 

 

 

   ・・・今回の事・・・

 

 

 

   ・・・・・・・・・

 

 

 

   ・・・智様が・・・知る必要はない・・・とおっしゃるなら聞きません・・・

 

 

 

   ・・・・・・・・・

 

 

 

   ・・・ですが・・・

 

 

 

   ・・・・・・・・・

 

 

 

   ・・・知らないうちに・・・お別れするのは・・・

 

 

 

   ・・・・・・・・・

 

 

 

   ・・・いやです・・・

 

 

 

見下ろすと。

 

和也は・・・泣いていた。

 

ぽろぽろと。

 

そのうるんだ瞳から。

 

涙があふれ出ている。

 

私は。

 

すまなかった・・・とひとこと言い。

 

その手を握り。

 

その頬に流れる滴を手でぬぐった。

 

和也の狂おしいほどの思いが。

 

まるで・・・触れた指から流れ込んでくるようだった。

 

ずっと・・・不安だったのだろう。

 

私が何かしているかわからなかった和也。

 

聞かずにいてくれた和也の優しさに。

 

甘え過ぎていたようだ。

 

すべて。

 

話そう。

 

和也に・・・全部。

 

精霊たちの事も。

 

すべて・・・聞いてもらおう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は。

 

休んでいる和也を医者に託し。

 

山へと昇った。

 

お礼と・・・そして。

 

精霊たちの事を。

 

和也に話していいかどうか・・・を。

 

聞こうと思ってやってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山に入っても。

 

森の精の声が聞こえない。

 

あの・・・魔の者との戦いで。

 

かなり力を使ったのだろうか。

 

そういえば。

 

町中では誰の声も聞こえなかった。

 

急いで山を登り・・・竹林のあの舞台にたどり着いた。

 

篝火に火をともし。

 

器に水を注ぎ。

 

精霊達に話しかけるけど。

 

答えが返ってこない。

 

・・・。

 

・・・。

 

少しだけ・・・不安になる。

 

あの・・・水の精の。

 

最後に聞こえたか細い声。

 

あの声が脳裏によみがえる。

 

多分。

 

戦ってくれたのだと思う。

 

森の精と火の精・・・そして・・・水の精。

 

あの魔の者を消滅させてくれたのは。

 

あの精霊たちのおかげなのだろう。

 

語り掛ける。

 

三人に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どれくらい・・・そうしていただろうか。

 

しばらくして・・・声が聞こえた。

 

それは。

 

・・・。

 

・・・。

 

水の精だった。

 

 

 

   ・・・ありがとう・・・水の精・・・

 

 

 

   ・・・いいえ・・・二人とも無事でよかったです・・・

 

 

 

   ・・・森の精と火の精にも・・・お礼を言いたいんだが・・・

 

 

 

   ・・・・・・・・・

 

 

 

   ・・・疲れているのか?・・・

 

 

 

   ・・・いえ・・・

 

 

 

   ・・・・・・・・・

 

 

 

   ・・・二人は・・・もう・・・いません・・・

 

 

 

   ・・・え・・・

 

 

 

   ・・・あの魔の者と共に・・・逝きました・・・

 

 

 

   ・・・・・・・・・

 

 

 

   ・・・あの魔の者の力は強大で・・・

 

 

 

   ・・・・・・・・・

 

 

 

   ・・・相打ちでしか・・・鎮めることができませんでしたので・・・

 

 

 

   ・・・・・・・・・

 

 

 

   ・・・私は元々・・・戦う力はなく・・・

 

 

 

   ・・・・・・・・・

 

 

 

   ・・・癒しの力しか・・・ないので・・・

 

 

 

   ・・・・・・・・・

 

 

 

   ・・・あの二人に託すしかありませんでした・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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つづく