こちらは「暁」「三日月」「Japonesque」の続編でございます。
もしまだ未読の方がいらっしゃるようでしたら。
「暁」「三日月」「Japonesque」を先に読んでいただきますようにお願いいたします♪
↓
大宮さんBL前提のお話です。
苦手な方はご注意を///。
〜* 〜* 〜* 〜* 〜* 〜* 〜*~
和也を医者に診てもらう。
衰弱しているけど。
命に別状はないと言われほっとする。
医者の家の奥間で。
二人きりになり。
床に横になっている和也に話しかけた。
・・・無事でよかった・・・
・・・助けてくださって・・・ありがとうございました・・・
・・・いや・・・
・・・・・・・・・
・・・覚えているか?あの時の事・・・
・・・よくは覚えていないのです・・・
和也は。
私が家を出て少しして。
急に意識をなくし。
私の声で気づいたらもう。
真っ黒な影に抱えられていた・・・と言う。
その後の事を覚えているか・・・と聞くと。
あまり覚えていない・・・といいながらも。
話してくれた。
・・・声が・・・聞こえました・・・
・・・声?・・・
・・・はい・・・声は・・・三つ・・・
・・・・・・・・・
・・・いくぞ・・・という声と・・・
・・・・・・・・・
・・・やっちゃうよ・・・という声・・・
・・・・・・・・・
・・・そして・・・
・・・あとはまかせてください・・・と・・・
・・・・・・・・・
・・・そう・・・聞こえました・・・
・・・そうか・・・
・・・どこかで・・・聞いたことがあるような気がしたのですが・・・
・・・・・・・・・
・・・智様・・・
・・・ん?・・・
・・・教えてはいただけないのでしょうか・・・
・・・・・・・・・
・・・今回の事・・・
・・・・・・・・・
・・・智様が・・・知る必要はない・・・とおっしゃるなら聞きません・・・
・・・・・・・・・
・・・ですが・・・
・・・・・・・・・
・・・知らないうちに・・・お別れするのは・・・
・・・・・・・・・
・・・いやです・・・
見下ろすと。
和也は・・・泣いていた。
ぽろぽろと。
そのうるんだ瞳から。
涙があふれ出ている。
私は。
すまなかった・・・とひとこと言い。
その手を握り。
その頬に流れる滴を手でぬぐった。
和也の狂おしいほどの思いが。
まるで・・・触れた指から流れ込んでくるようだった。
ずっと・・・不安だったのだろう。
私が何かしているかわからなかった和也。
聞かずにいてくれた和也の優しさに。
甘え過ぎていたようだ。
すべて。
話そう。
和也に・・・全部。
精霊たちの事も。
すべて・・・聞いてもらおう。
私は。
休んでいる和也を医者に託し。
山へと昇った。
お礼と・・・そして。
精霊たちの事を。
和也に話していいかどうか・・・を。
聞こうと思ってやってきた。
山に入っても。
森の精の声が聞こえない。
あの・・・魔の者との戦いで。
かなり力を使ったのだろうか。
そういえば。
町中では誰の声も聞こえなかった。
急いで山を登り・・・竹林のあの舞台にたどり着いた。
篝火に火をともし。
器に水を注ぎ。
精霊達に話しかけるけど。
答えが返ってこない。
・・・。
・・・。
少しだけ・・・不安になる。
あの・・・水の精の。
最後に聞こえたか細い声。
あの声が脳裏によみがえる。
多分。
戦ってくれたのだと思う。
森の精と火の精・・・そして・・・水の精。
あの魔の者を消滅させてくれたのは。
あの精霊たちのおかげなのだろう。
語り掛ける。
三人に。
どれくらい・・・そうしていただろうか。
しばらくして・・・声が聞こえた。
それは。
・・・。
・・・。
水の精だった。
・・・ありがとう・・・水の精・・・
・・・いいえ・・・二人とも無事でよかったです・・・
・・・森の精と火の精にも・・・お礼を言いたいんだが・・・
・・・・・・・・・
・・・疲れているのか?・・・
・・・いえ・・・
・・・・・・・・・
・・・二人は・・・もう・・・いません・・・
・・・え・・・
・・・あの魔の者と共に・・・逝きました・・・
・・・・・・・・・
・・・あの魔の者の力は強大で・・・
・・・・・・・・・
・・・相打ちでしか・・・鎮めることができませんでしたので・・・
・・・・・・・・・
・・・私は元々・・・戦う力はなく・・・
・・・・・・・・・
・・・癒しの力しか・・・ないので・・・
・・・・・・・・・
・・・あの二人に託すしかありませんでした・・・
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つづく