三日月~2 | ナツコのブログ

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にのちゃんが大好きです。
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大宮さんのお話(腐です///)なども書いております///♪

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こちらは「暁」の続編でございます。

 

もしまだ未読の方がいらっしゃるようでしたら。

 

「暁」を先に読んでいただきますようにお願いいたします♪

 

 

『「暁」はこちらから♪』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大宮さんBL前提のお話です。

 

苦手な方はご注意を///。

 

 

 〜* 〜* 〜* 〜* 〜* 〜* 〜*~

 

Side.O

 

 

 

  

   ・・・智・・・どうしたの?・・・

 

 

 

   ・・・何があった?・・・

 

 

 

   ・・・和也は・・・どうしたんですか?・・・

 

 

 

口々に・・・私に問いかける。

 

3人の心配が伝わってくる。

 

私は・・・ぺたん・・・と。

 

舞台の中央にあぐらをかいて座り。

 

そして深く息を吐いて。

 

それから・・・ぽつぽつと話し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数週間前。

 

一緒に暮らす和也に文が届いた。

 

差出人は。

 

あの・・・貴族。

 

和也の想い人だったあの貴族からで。

 

内容は・・・こうだった。

 

 

 

妻をもう愛していない

 

和也が恋しい

 

私のところへ戻ってきてくれないか

 

 

 

・・・と。

 

そういう内容だった。

 

文を私にすべて見せた和也は。

 

ずぐに・・・その文を燃やしてしまった。

 

そして・・・私にはなんの未練もございません・・・と。

 

笑顔で私に言う。

 

その・・・笑顔は。

 

確かに・・・いつもの和也の笑顔だったから。

 

私も安堵し。

 

そのことは忘れるよう努めた。

 

しかし・・・その文は。

 

毎日のように送られ。

 

ほとほと・・・辟易した和也は。

 

一度だけ・・・返事を書きます・・・と言い。

 

文を書いた。

 

 

 

私には愛する人がおります

 

あなたのところには戻りません

 

奥様とお幸せにお暮しください

 

 

 

・・・と。

 

しかし・・・それから数日後。

 

私が仕事から戻ると。

 

和也は・・・いなかった。

 

書き置きがあり。

 

あの貴族のところへ行ったのだと知る。

 

すぐに戻りますから心配しないでください・・・と。

 

その和也の力強い筆に。

 

私も・・・心を強く持ち。

 

ただ・・・戻る和也を待ったが。

 

その日は和也は戻ってこなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから今日まで。

 

和也からの連絡は一切ない。

 

私は・・・その貴族の屋敷に行き。

 

和也に会わせてくれるよう願い出たが。

 

そのような者は屋敷にはおりません・・・と門前払いをされた。

 

それならば・・・と。

 

同心に願い出てみたが。

 

町の権力者であるその貴族の前では。

 

同心では・・・まったくと言っていいほど力にはならなかった。

 

ならば・・・屋敷の主人にあわせてほしい・・・と願い出たが。

 

お忙しいお方なので・・・と断られてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無駄だと知りつつも・・・和也への文を書いたが。

 

屋敷に届けても返事はなかった。

 

一体・・・どうしているのか。

 

和也は無事なのか。

 

何度も・・・屋敷に乗り込もうとしたけれど。

 

・・・。

 

・・・。

 

もしかして・・・私のところに戻らないのは。

 

和也の意思なのかも・・・と思うと。

 

もう・・・強気にも出れず。

 

どうにも・・・しようがなかった。

 

そんな時・・・懇意にしている三味線弾きの友人の雅楽団が。

 

その屋敷の宴に呼ばれたと聞き。

 

その者に・・・和也への文を持たせた。

 

和也の容姿を伝え。

 

なんとか本人に会い・・・文を直接渡してほしい・・・とお願いをし。

 

そして・・・謝礼も十分に渡し。

 

その文には・・・こう書いた。

 

 

 

もしもまだ私のところに和也の心があるのなら

 

一緒にこの町を出よう

 

二人が出会ったあの場所で

 

いつまでもいつまでも

 

待っている

 

 

 

・・・と。

 

ここを離れるのは寂しいことだけど。

 

和也の身を考えると・・・それより他に道はない。

 

考えて・・・考えて考え抜いて。

 

出した答えだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこまで話して。

 

私は・・・大きく息を吐いた。

 

そして・・・体を・・・舞台の上に大の字に投げだし。

 

空を見上げた。

 

 

 

 

 

 

.

 

つづく