暁~2 | ナツコのブログ

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にのちゃんが大好きです。
かわいい大宮さんを愛でております。
大宮さんのお話(腐です///)なども書いております///♪

ヘッダーアイコンはあみんさんよりお借りしております♡

 

 

 

大宮さんBL前提のお話です。

 

苦手な方はご注意を///。

 

 

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 Side.N

 

 

 

 

 

斜面が終わり。

 

平らな道を・・・うっそうとした茂みの中を少し歩き。

 

そこを抜けると・・・竹林に出た。

 

細いのによくしなる強い竹。

 

まるで・・・そなたのようだ・・・と。

 

そう言われて・・・何度抱かれた事か。

 

私はそんなに強くありません・・・と。

 

その胸の中で・・・声を殺して二人昇りつめたあの夜が。

 

もう・・・遥か遠くの事のように思う。

 

命を終えるならここで。

 

そう・・・思ってやってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そろそろ・・・横になれそうな場所を探しながら歩く。

 

死に方も考えてきた。

 

美しく楽に死ねる死に方。

 

お医者さんに・・・お願いして。

 

薬をもらってきた。

 

眠れない時に眠れる薬らしいけれど。

 

これを大量に飲むと。

 

眠るように死ねる・・・と誰かに聞いた。

 

それならどこも痛まなくていい。

 

遺書は・・・ない。

 

あの方への恨みつらみを書くつもりもないし。

 

ただただ・・・生きていくのに疲れただけだ。

 

ただただ・・・楽になりたいだけだ。

 

身内もいない・・・独りぼっちの人間だから。

 

言い残す言葉もない。

 

あっさりとしたものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふ・・・と。

 

視界が開ける。

 

まるで竹林を切り取ったかのように。

 

そこだけぽっかりと。

 

空間が広がっている。

 

歩みを進めたとたん。

 

目に飛び込んでくる炎。

 

まぶしさに・・・腕で目を隠し。

 

ゆっくりと・・・腕をずらしていく・・・と。

 

そこには。

 

鬼がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小さな木でできた舞台。

 

四隅には篝火。

 

大きな水の器が一つ・・・舞台の正面に。

 

まるで・・・捧げものの用に掲げられている。

 

その・・・舞台の上を。

 

真っ白な衣装をまとった鬼が・・・舞っていた。

 

鬼・・・だと思ったのは。

 

つけていたお面で。

 

舞っているのは・・・あきらかに人だった。

 

その・・・伸ばされたしなやかな手・・・綺麗な指。

 

舞台を踏みしめるように・・・力強く開かれた足。

 

たぶん・・・かつら・・・の白髪をたなびかせ。

 

怒るように・・・なだめるように。

 

高く飛び・・・低く這う。

 

音は・・・トン・・・という足音のみ・・・なのに。

 

なのに・・・何か心地よい調べが聞こえてくるよう。

 

ひらひらと・・・舞い。

 

ぴん・・・と伸びる腕。

 

人・・・なのは確かなのに。

 

まるで・・・鬼の化身のような。

 

妖かしのような。

 

この世の人ではないように見えて。

 

私は動けなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どれくらいそうしていただろうか。

 

動きを止めた鬼は。

 

じっと私を見つめている。

 

そして・・・ゆっくりと。

 

その・・・お面を取った。

 

 

 

   ・・・あ・・・

 

 

 

このお方は・・・知っている。

 

確か・・・城主お抱えの雅楽団の一人。

 

名前は知らないけれど。

 

確か笛を吹いていたはず。

 

綺麗なお顔立ちをしていて。

 

町の女の子たちの羨望の的だったから。

 

このお方を知らない人はいないだろう。

 

笛だけではなく・・・舞う事もできるのか。

 

驚いて見ている私に。

 

すっと・・・手が伸ばされた。

 

まるで。

 

こちらへ来い・・・と。

 

そう言いたげな表情。

 

じっと・・・私を見ていて。

 

その視線から目をそらせない。

 

まるで・・・引き寄せられるかのように。

 

気づけば・・・そのお方の腕の中にいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

静かに接 吻を交わす。

 

それが自然の成り行きのように。

 

受け入れる自分に・・・とまどう。

 

そっと・・・髪をな でたその指が。

 

意思を持って・・・私の襟 元に伸びる。

 

ぐっと・・・開かれた胸 元。

 

熱くて・・・やわらかい ク チ ビ ル が下りてきた。

 

 

 

   ・・・ ぁ ・・・

 

 

 

   ・・・ は ・・・ ぁ ・・・

 

 

 

呼 吸が乱れ。

 

つかまっていないと・・・立っていられなくなる。

 

このお方は・・・どうして。

 

私にこんな風にして・・・触 れるのか。

 

仰ぎ見ると・・・おぼろ月。

 

ちぎれ雲が・・・流れていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

.

 

つづく