大宮さんBL前提のお話です。
苦手な方はご注意を///。
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Side.N
「潜入して・・・さぐっていました。」
「・・・。」
「そこで浮上してきたのが・・・教頭で・・・。」
「・・・。」
どうやって浮上してきたのか・・・は。
僕が知るところではないけれど。
潜入・・・なんて。
ホントにこんな・・・映画みたいなことがあるんだ・・・って。
驚いた。
「二宮先生も・・・実は共犯者ではないかと・・・疑っていました。」
「え。」
「この間も繁華街に出向いていましたし。」
「・・・。」
「先月も行ってますよね・・・あのキャバクラに。」
「いや・・・あれはその・・・。」
「暴力団とつながっているのかと思いましたが・・・オーナーに話を聞いて裏はとれました。」
「・・・。」
「少なくとも・・・暴力団とはつながっていない。」
「そうですよ・・・僕が暴力団とだなんて・・・」
「でも教頭とここで・・・保健室で一緒にいる機会が多かったので・・・。」
「それは・・・」
「ええ・・・あの戸棚が教頭の目的だったとわかりました。保管していたんですね・・・あそこにクスリを。」
「・・・。」
「あの小瓶がクスリだということはもう確認済みです。」
「・・・確認済みって・・・いつのまに・・・」
「目的はクスリの回収ではなくて所持での逮捕でしたので。」
「・・・。」
「教頭を泳がせていました。」
「って言うか・・・どうして今日・・・?」
「明日が棚卸と聞いて・・・もしかしたらブツを移動させるのかと思ったんです。」
「・・・。」
「棚卸の時だけ別の場所に移動させていたんでしょう。」
「じゃあ僕への誤解は・・・」
「完全にとけました。」
「・・・。」
「・・・。」
「じゃあ・・・。」
「・・・。」
「ちょっとここ・・・出ませんか///?」
そう・・・ここは・・・ベッドの下。
まだ・・・大野さんに半分覆いかぶさられたままで。
こんなに冷静に話をしていた僕達。
もしここがベッドの上なら・・・なんて想像すると顔がにやけるけど。
残念ながらここはベッドの下。
固い固い床の上。
耳元で囁かれてはいるけど・・・色気とは全然縁遠い話。
それでも・・・大野さんの体を感じられるこの格好は。
僕は・・・うん///それでも全然構わないんだけど・・・でも。
そろそろ。
大野さんの顔が見たい。
って言うか・・・疑われていたなんて・・・ちょっとショック。
あのキャバクラ帰りに助けてもらったのも偶然ではなくて・・・尾行されていたなんて。
さらには・・・さっき鍵を取りにきたのだって。
タイミングがよすぎてやっぱり疑われたんだろうし。
でも・・・これで全部説明がついた。
清掃員らしくないあの身のこなしは。
公安警察だったから・・・・だったんだ。
くいっと。
大野さんが・・・体をちょっと浮かせたから。
首だけ振り返る・・・と。
大野さんが灯してくれた明かりで・・・ほんのりと見える大野さんの顔。
大野さんからも・・・僕が見えている?
ていうか・・・ほんのりでも見えると・・・この近い距離に・・・心臓が跳ねる。
ここ・・・でませんか?って言ったのは僕だけど。
まだ・・・もう少しこのままでいたい。
何か話しをしなくちゃ・・・と思って僕は・・・見切り発車で話かけた。
「ぁ・・・の///。」
「はい。」
「あの・・・あ・・・えと・・・。」
「・・・。」
「あっ・・・ああ・・・だ・・・だから・・・この間保健室に来たんですか?」
「・・・。」
「あの・・・教頭と二人で居た時・・・窓ガラスの掃除って言って・・・保健室に入ってきたじゃないですか。」
「・・・。」
「あれは・・・僕と教頭が何を話しているのか探るために・・・?」
「・・・。」
「・・・。」
「・・・自分・・・は・・・から・・・。」
「はい?」
聞こえなくて。
振り返りながら・・・上目づかいに斜め下から大野さんを見上げた。
目が合う。
・・・と。
ゆっくりと細まる大野さんの瞳。
瞳の色が濃くなり。
くいっと・・・僕の顎に伸びて来た指。
顎をぐっと固定され・・・大野さんが後ろからぐぐっと僕に体重をかけると。
すっと・・・近づいてくる大野さんの顔。
気付いたら。
唇が・・・触れていた。
.
つづく
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作者のナツコです。
読んでくださって、ありがとうございました。
お話はまだまだ続きます。
毎日0時8時16時に更新の予定でございます。
最後までお付き合いいただけたら嬉しいです♪