大宮さんBL前提のお話です。
苦手な方はご注意を///。
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Side.N
「二宮先生。」
「はい・・・。」
「どうしてあんなところにいたんですか?」
「・・・。」
それは・・・僕も聞きたい。
大野さんは・・どうしてあそこに?
「僕は・・・知り合いがいて・・・。」
「・・・。」
「それであそこに・・・。」
「お気に入りの女性でもいるんですか?」
「ぇ・・いや///ち・・・違います。そうじゃないです///。」
「じゃあ・・・。」
「・・・。」
「知り合いは男性・・・ですか?」
「・・・。」
覗き込むように僕を見る。
どうして。
そんな事を聞くんだろう。
まさか・・・嫉妬///?なんて。
またいいように考えてしまう。
そうです・・・と言ったら。
大野さんはどんな顔をするんだろう。
・・・。
・・・。
あ・・・そうだ。
僕は・・・思いだして。
さっきムロさんが魅力的だと言っていた・・・困り顔を。
わざと・・・してみた。
・・・なのに。
「すいません・・・踏み入ったこと聞いてしまって・・・。」
「ぁ・・・いえ・・・。」
すっと・・・視線をそらされる。
困り顔が・・・全然大野さんに響いていないようで。
ダメじゃん・・・って思って。
ムロさんの嘘つき・・・と。
心で毒づく。
もうすぐ駅につく。
僕は・・・思いきって大野さんに聞いた。
「あの・・・大野さん。」
「・・・はい?」
「大野さんはどうして・・・あそこにいたんですか?」
「・・・。」
前を向いたままで。
答えない大野さん。
じっと・・・黙ったままで。
きゅっと唇を引き結んだ。
って言うか・・・大野さん。
適当な事を言えばいいのに。
そういう嘘とか・・・つかないんだね。
黙り込んだ大野さんに。
僕の方がバツが悪くなる。
「それにしても・・・。」
「・・・。」
話題を変えた僕に。
あきらかにちょっとほっとした顔をする大野さん。
意外に顔に出やすい。
そんなところも・・・多分魅力的なんだと思う。
「強いんですね・・・ケンカ。」
「・・・。」
「なんか・・・慣れてる感じでしたけど・・・。」
「・・・。」
「格闘技・・・やってるんですか?」
「・・・自分は・・・を・・・。」
「はい?」
雑踏で・・・聞きづらくて聞き直した。
ちらっと僕を見る大野さん。
僕は・・・若干上目づかいに・・・斜め下から大野さんを見上げる。
「・・・。」
「・・・。」
「・・・はい・・・やってます。」
「すごいですね・・・でも・・・どうして?」
「・・・仕事がら・・・。」
「・・・清掃の?」
「・・・。」
「・・・。」
「駅・・・ですね・・・自分はここで失礼します。」
「ぁ・・・。」
さっさと・・・行ってしまった。
その後ろ姿を見送りながら思う。
・・・。
・・・。
なんか・・・うん。
また・・・気の利いた事・・・言えなかった。
せめて・・・一緒に飲みませんかって。
それくらい言えばよかったのに。
って言うか・・・誘ってくれないんだ。
なんか・・・松本さんもそうだけど。
固いよね・・・大野さんも。
結局・・・武道?をやってるみたいだって事しかわからなかった。
あそこで会ったのは偶然なんだろうけど。
なんであそこにいたのかもわからずじまいで。
なんか・・・ね。
助けてもらった時はちょっと嬉しかったけど。
でも・・・それだけで。
そこから何か・・・一歩・・・みたいなの・・・なくて。
寂しく思った・・・と同時に。
誘われもしなかったから・・・だから。
全然脈がないんだな・・・と。
わかっていたけど・・・残念に思う。
はぁ・・・と。
小さくため息をついて。
僕は・・・改札を抜けた。
しばらくは・・・あのお店に行くのも注意しなくちゃいけないな・・・って思う。
あの人達に逢わないように・・・気を付けなくちゃ・・・と。
そんな事思いながら。
電車に乗った。
心のどこかで。
今日の偶然は・・・偶然じゃないかも・・・と。
まだ・・・そう思っている自分がいて。
イタイな・・・と。
ちょっと笑えた。
.
つづく
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作者のナツコです。
読んでくださって、ありがとうございました。
お話はまだまだ続きます。
毎日0時8時16時に更新の予定でございます。
最後までお付き合いいただけたら嬉しいです♪