夏疾風~10 | ナツコのブログ

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にのちゃんが大好きです。
かわいい大宮さんを愛でております。
大宮さんのお話(腐です///)なども書いております///♪

ヘッダーアイコンはあみんさんよりお借りしております♡

 
 

 

 

大宮さんBL前提のお話です。

 

苦手な方はご注意を///。

 

 

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 Side.N

 

 

 

 

 

「二宮先生。」

 

「はい・・・。」

 

「どうしてあんなところにいたんですか?」

 

「・・・。」

 

 

 

それは・・・僕も聞きたい。

 

大野さんは・・どうしてあそこに?

 

 

 

「僕は・・・知り合いがいて・・・。」

 

「・・・。」

 

「それであそこに・・・。」

 

「お気に入りの女性でもいるんですか?」

 

「ぇ・・いや///ち・・・違います。そうじゃないです///。」

 

「じゃあ・・・。」

 

「・・・。」

 

「知り合いは男性・・・ですか?」

 

「・・・。」

 

 

 

覗き込むように僕を見る。

 

どうして。

 

そんな事を聞くんだろう。

 

まさか・・・嫉妬///?なんて。

 

またいいように考えてしまう。

 

そうです・・・と言ったら。

 

大野さんはどんな顔をするんだろう。

 

・・・。

 

・・・。

 

あ・・・そうだ。

 

僕は・・・思いだして。

 

さっきムロさんが魅力的だと言っていた・・・困り顔を。

 

わざと・・・してみた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・なのに。

 

 

 

「すいません・・・踏み入ったこと聞いてしまって・・・。」

 

「ぁ・・・いえ・・・。」

 

 

 

すっと・・・視線をそらされる。

 

困り顔が・・・全然大野さんに響いていないようで。

 

ダメじゃん・・・って思って。

 

ムロさんの嘘つき・・・と。

 

心で毒づく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もうすぐ駅につく。

 

僕は・・・思いきって大野さんに聞いた。

 

 

 

「あの・・・大野さん。」

 

「・・・はい?」

 

「大野さんはどうして・・・あそこにいたんですか?」

 

「・・・。」

 

 

 

前を向いたままで。

 

答えない大野さん。

 

じっと・・・黙ったままで。

 

きゅっと唇を引き結んだ。

 

って言うか・・・大野さん。

 

適当な事を言えばいいのに。

 

そういう嘘とか・・・つかないんだね。

 

黙り込んだ大野さんに。

 

僕の方がバツが悪くなる。

 

 

 

「それにしても・・・。」

 

「・・・。」

 

 

 

話題を変えた僕に。

 

あきらかにちょっとほっとした顔をする大野さん。

 

意外に顔に出やすい。

 

そんなところも・・・多分魅力的なんだと思う。

 

 

 

「強いんですね・・・ケンカ。」

 

「・・・。」

 

「なんか・・・慣れてる感じでしたけど・・・。」

 

「・・・。」

 

「格闘技・・・やってるんですか?」

 

「・・・自分は・・・を・・・。」

 

「はい?」

 

 

 

雑踏で・・・聞きづらくて聞き直した。

 

ちらっと僕を見る大野さん。

 

僕は・・・若干上目づかいに・・・斜め下から大野さんを見上げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・。」

 

「・・・。」

 

「・・・はい・・・やってます。」

 

「すごいですね・・・でも・・・どうして?」

 

「・・・仕事がら・・・。」

 

「・・・清掃の?」

 

「・・・。」

 

「・・・。」

 

「駅・・・ですね・・・自分はここで失礼します。」

 

「ぁ・・・。」

 

 

 

さっさと・・・行ってしまった。

 

その後ろ姿を見送りながら思う。

 

・・・。

 

・・・。

 

なんか・・・うん。

 

また・・・気の利いた事・・・言えなかった。

 

せめて・・・一緒に飲みませんかって。

 

それくらい言えばよかったのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

って言うか・・・誘ってくれないんだ。

 

なんか・・・松本さんもそうだけど。

 

固いよね・・・大野さんも。

 

結局・・・武道?をやってるみたいだって事しかわからなかった。

 

あそこで会ったのは偶然なんだろうけど。

 

なんであそこにいたのかもわからずじまいで。

 

なんか・・・ね。

 

助けてもらった時はちょっと嬉しかったけど。

 

でも・・・それだけで。

 

そこから何か・・・一歩・・・みたいなの・・・なくて。

 

寂しく思った・・・と同時に。

 

誘われもしなかったから・・・だから。

 

全然脈がないんだな・・・と。

 

わかっていたけど・・・残念に思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はぁ・・・と。

 

小さくため息をついて。

 

僕は・・・改札を抜けた。

 

しばらくは・・・あのお店に行くのも注意しなくちゃいけないな・・・って思う。

 

あの人達に逢わないように・・・気を付けなくちゃ・・・と。

 

そんな事思いながら。

 

電車に乗った。

 

心のどこかで。

 

今日の偶然は・・・偶然じゃないかも・・・と。

 

まだ・・・そう思っている自分がいて。

 

イタイな・・・と。

 

ちょっと笑えた。

 

 

 

 

 

 

.

 

 

 

つづく

 

〜* 〜* 〜* 〜* 〜* 〜* 〜*~

 

 

 

作者のナツコです。

 

読んでくださって、ありがとうございました。

 

お話はまだまだ続きます。

 

毎日0時8時16時に更新の予定でございます。

 

最後までお付き合いいただけたら嬉しいです♪