大宮さんBL前提のお話です。
苦手な方はご注意を///。
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Side.N
どれくらい・・・泣いていたか。
あまりにも静かすぎて。
父さんがいること・・・忘れるくらいで。
だって。
智がもし・・・僕から離れてしまったら。
ホントに僕は・・・。
「和也。」
「・・・う・・・ひっく・・・ぅうう・・・。」
「お前は・・・。」
「・・・っ・・・ぅ・・・。」
「そんな・・・そんな愛し方をするんだな。」
「・・・っ・・・ひっく・・・。」
すっと。
髪をなでられる。
まだ・・・ひっくひく言いながら泣く僕の。
顎をぐいっとつかんで・・・父さんの方へと顔を無理矢理向かされた。
「聞きたいことは・・・たくさんある。」
「・・・ひっく・・・っ・・・。」
「言いたいこともだ。」
「・・・ひっく・・・。」
「でもそれは・・・全部・・・大野先生に聞いてもらう。」
「・・・。」
「電話しなさい。大野先生に。今すぐに。」
「・・・で・・・も・・・。」
「言う事を聞きなさい。」
「・・・。」
怒っている。
父さんの目が・・・怖い。
急に。
現実に引き戻される。
このままじゃ。
智が悪者になっちゃう。
「違うの父さん・・・僕が・・・」
「いいから電話をしなさい。」
「・・・。」
「・・・。」
真剣なその顔と声。
もう・・・刃向かえない。
そう・・・気づいて僕は。
ゆっくりと起き上がり・・・ポケットからスマホを取り出し。
ちょっと躊躇したけど・・・でも。
智に電話をかけた。
どうしよう。
僕が・・・二人の事言っちゃって。
今・・・父さんはすごく怒ってて。
智は悪くないのに。
ドキドキしすぎて。
口から心臓が飛び出しそうになる。
伝えなくちゃ・・・智に。
言っちゃったって・・・僕が・・・二人の事。
・・・。
・・・。
2回のコールで。
智が電話に出た。
『和?』
「智・・・僕・・・ぁっ!」
「二宮です。大野先生。」
父さんが・・・僕から電話を奪って智に話かけた。
あわてて父さんから奪おうとしたけど・・・でも。
ぐいっと・・・体を押され。
と言うよりも・・・その目で制され。
もう・・・抵抗ができなくなった。
「お話があります。」
『・・・。』
「そちらに伺いますので。」
『・・・。』
「お話はその時に。」
智の返事を待たずに電話を切った父さん。
急に・・・寒気がして。
僕は・・・腕を抱えた。
「父さんが帰って来るまで・・・大野先生と連絡を取らないように。」
「・・・。」
「LINEもメールも電話もダメだ。いいな。」
「・・・でも・・・」
「言う事聞けないなら・・・お前のスマホを持って行く。」
「・・・わかった・・・連絡取らない。」
「・・・ん。」
「・・・。」
車で行くという父さんに聞かれ・・・僕は・・・智の家の場所を伝えた。
一応住所を伝え・・・一番近いコインパーキングの場所を言う。
いつも櫻井先生が来るときに使うパーキングだ。
でも今・・・そのあたりは工事中で。
夜間は大通りから入る細い道が通行止めになるから。
迂回しないと・・・と言うと。
複雑な顔をする父さん。
「和也。」
「・・・。」
「お前は本当に大野先生と・・・。」
「・・・。」
「・・・。」
「・・・。」
「・・・いや・・・いい。」
「父さん僕・・・」
「行ってくる。」
そう言うと。
父さんは部屋を・・・出て行った。
つづく
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作者のナツコです。
読んでくださって、ありがとうございました。
お話はまだまだ続きます。
毎日0時8時16時に更新の予定でございます。
最後までお付き合いいただけたら嬉しいです♪