wanna be...~君の罪編~① | ナツコのブログ

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大宮さんのBLのお話「wanna be...」の続々編です。

 

苦手な方はご注意を///。

 

毎朝7時の数話更新です。

 

 〜* 〜* 〜* 〜* 〜* 〜* 〜*

 

 

 

 

 

 

 

得意先との宴席。

 

そこそこ名の知れた料亭の個室。

 

これだけの場所を用意した・・・という事にご満悦の取引相手。

 

ご機嫌で盃を傾けている。

 

でも。

 

ご機嫌なのは・・・そのせいだけじゃない。

 

 

 

「わぁ・・・豪快♪」

 

「そうか?」

 

「はい・・・飲みっぷりが男らしくてかっこいいです。」

 

「可愛いことを言うなぁ///。」

 

 

 

デレデレだった。

 

そう。

 

可愛いことを言ってるのは・・・和。

 

俺の隣で。

 

可愛い顔をして。

 

得意先の専務に・・・まあ・・・うん。

 

簡単に言えば・・・おべっかを使っていた。

 

大事な大事な大手の取引先。

 

同業他社とも手広く取引していて。

 

最初・・・うちの会社とは数%の契約しかなかったんだけど。

 

和が営業担当に代わってから。

 

どんどんと取引高が増え。

 

気付けば取引会社のシェア率2位まで上り詰めていた。

 

それのお礼も兼ねての宴席。

 

だから仕方ない。

 

この取引先の狸みたいな専務を。

 

とにかくご機嫌にさせておく必要があった。

 

俺の大事な恋人を。

 

まるで・・・生贄みたいに差し出していることに。

 

少しのいらだちを感じながら俺は。

 

和にもこの専務にもばれないように・・・と。

 

小さくため息を吐いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

営業一課から・・・和のいる営業三課に異動してきてから。

 

もう半年が経った。

 

課の間での異動はまあまあある話だから。

 

初めは・・・その偶然・・・と言うかラッキーに驚いた俺だった。

 

でも・・・それが。

 

その異動が。

 

実は偶然ではなかったって事を後々知らされた。

 

 

 

「大野さんを営業三課に異動させてください。」

 

 

 

営業三課を仕切っている部長に和がそう言ってお願いして。

 

それで俺を異動させたんだ・・・と。

 

部長本人の口から直接聞いたんだ。

 

ちなみにその部長は・・・あの総務課長と和を取り合ってバトった部長だ。

 

和に甘いその部長におねだりのように言い。

 

聞き入れてもらった和。

 

それを知った俺は・・・これっていいのか?と。

 

プライベートを仕事に持ち込むことに若干の抵抗があった。

 

でも。

 

・・・。

 

・・・。

 

公私混同する和が。

 

かわいくて・・・たまらなくて。

 

さらには和が。

 

異動させてくれなくちゃもう部長と口きかないから・・・と言ったと知って。

 

そんな和が余計にかわいくてたまらなくなる俺。

 

もちろん和は・・・俺との仲をその部長にちゃんと報告していて。

 

それもまあ驚きだったんだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの日。

 

異動して・・・しばらくしてから部長とサシで飲んだ時に言われた言葉。

 

 

 

「二宮君を大事にしろ。」

 

「絶対に泣かせるな。」

 

 

 

さらには。

 

 

 

「二宮君が喜ぶから君を異動させたけど。」

 

「二宮君との仲を認めたわけではない。」

 

 

 

とまで言われた。

 

すべては。

 

和かわいさに和の言う事を聞いている部長。

 

俺にはキツイ物言いをするくせに。

 

和が・・・部長ありがと♪・・・なんてかわいく言うと。

 

いやいや///なんてデレデレになる部長。

 

俺への嫉妬と。

 

和への愛しさが混在しているのがわかった。

 

複雑な心境だけど・・・でも。

 

この人もまた。

 

和の事がかわいくてたまえらないんだろうな・・・と。

 

そんな事を・・・思った。

 

 

 

 

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つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

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