wanna be...~本当の君編~④ | ナツコのブログ

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大宮さんのBLのお話「wanna be...」の続編です。

 

苦手な方はご注意を///。

 

30分おきの更新です。

 

 

 〜* 〜* 〜* 〜* 〜* 〜* 〜*

 

 

 

 

 

   ・・・今日は・・・ちょっと行きたいお店があるんだけど・・・

 

 

 

会社を出て。

 

いつものように駅に向かって二人歩いていると。

 

和が急に言い出した。

 

いつもなら・・・どこでもいい・・・と言う和が。

 

めずらしいな・・・と思い。

 

もちろん俺は賛成し。

 

まずは電車で移動して。

 

そして駅前の居酒屋に二人で入った。

 

目的のそのお店は。

 

バーだから。

 

食べ物がないの・・・と。

 

そういう和。

 

軽く腹ごしらえをして・・・そして。

 

目的のバーに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「久しぶりだね・・・和。」

 

「うん・・・僕いつものね。」

 

「・・・そちら様は?」

 

「あ・・・俺は・・・」

 

「僕と同じので。」

 

「・・・かしこまりました。」

 

 

 

ホテルの最上階。

 

高級感漂うバー。

 

窓が大きくて。

 

店内は暗くて。

 

大人の雰囲気のお店だった。

 

ほとんどの席が窓を向いて作られているけど。

 

和が指定したのは・・・バーテンダーのいる店の奥のカウンターだった。

 

和と親し気に話すこのバーテンダー。

 

かなりの男前だ。

 

眉が太くて。

 

目が大きい。

 

ホリの深い整った顔立ち。

 

モデルか俳優か・・・くらいのイケメン。

 

流れるような仕草で。

 

グラスにカクテルを作っていく。

 

 

 

「和。」

 

「・・・ん?」

 

「チョコは?」

 

「うん・・・食べる。」

 

「・・・ん。」

 

 

 

和の好みも知っているようだ。

 

その・・・甘ったるくない親し気な様子に。

 

少しドキドキする。

 

今まで感じた事のない雰囲気が。

 

和から感じ取れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この人潤君ね・・・と。

 

紹介された彼は。

 

松本と言います・・・と言い。

 

和の幼馴染で。

 

俺の読み通り・・・俳優をしている・・・と言う。

 

舞台俳優で。

 

昼間は稽古・・・夜はバーテンダーをしていて。

 

がんばってるんだよ・・・と。

 

俺にそう言った。

 

そして。

 

俺の事は。

 

会社の上司だ・・・と。

 

そう紹介しただけで。

 

その・・・まあ・・・。

 

詳しいことは言わなかった。

 

三人で話をする。

 

バーテンダーの松本君は。

 

話題が豊富だった。

 

特にエンタメの事はよく知っていて。

 

映画とか・・・よく見ているようで。

 

そんな話をする。

 

今公開されている映画。

 

何が面白いか・・・とか。

 

昔見た映画・・・何が面白かったか・・・とか。

 

三人で好き勝手に話す感じが楽しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

けっこう長い時間バーにいて。

 

そして・・・そこを出た俺達。

 

今日は。

 

送らなくていいから・・・と言われ。

 

駅で和と別れた。

 

別れ際に・・・和が俺に言う。

 

 

 

   ・・・今度の日曜に行ってみる?・・・映画・・・

 

 

 

さらっと。

 

誘われた。

 

そう言えば。

 

飲みに・・・はもう何度も行っているけど。

 

そういう・・・いわゆるデートみたいなのって。

 

今までなかった。

 

・・・。

 

・・・。

 

でも・・・まさか。

 

和の方からこんな誘いされるなんて。

 

・・・。

 

・・・。

 

これは。

 

うん。

 

嬉しい。

 

俺は・・・行こう・・・とそう返事して。

 

嬉しそうに笑う和を。

 

見送った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少しずつ。

 

近づいていく感覚。

 

まだ・・・付き合っていないんだけど。

 

もう・・・こうなると。

 

何をもって「付き合う」というのかがわからなくなってきた。

 

もちろん前提には「好き」という思いがあるんだろうけど。

 

少なくとも・・・俺は。

 

和に好かれているとは思っている。

 

じゃなければ。

 

こうして一緒に飲みにとか。

 

ましてや休日に映画とか。

 

ないはずだから。

 

もしかしたら・・・和も。

 

俺を知りたい・・・の?

 

俺が和を知りたい・・・と思うのと同じように。

 

和も・・・俺の事。

 

・・・。

 

・・・。

 

そう考えると。

 

待つのもつらくない。

 

俺は・・・自分に都合のいいように考え。

 

そして。

 

日曜日を楽しみに待つことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 


   

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

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