大宮さんのBLのお話「wanna be...」の続編です。
苦手な方はご注意を///。
30分おきの更新です。
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「え・・・じゃあ・・・それからどうしたの?」
「泊まった。」
「ええ///!?大野さん泊まったんですか///!?」
「相葉君・・・声がでかいよ///。」
「あ・・・すいません///で・・・?」
「一緒の ベ ッ ド で寝た。」
「一緒の ベ ッ ド って・・・智君///。」
「でもホント・・・寝ただけで・・・。」
「・・・寝ただけ?」
「指一本触れないで・・・って言われて・・・。」
「・・・それはキツイね・・・。」
「拷問だったよ。」
そう。
まさに拷問だった。
何もしないと約束してくれるなら。
泊まっていい・・・と言われ。
一緒の ベ ッ ド で寝てもいい・・・と言われ。
でも指一本触れないで・・・と言われ。
俺は・・・そうしたんだけど。
まあ・・・当たり前だけど一睡もできなかった。
和の ベ ッ ド はセミダブルだったんだけど。
それでも・・・男二人では狭くて。
俺は間違っても触れないように・・・と。
ベ ッ ド のギリギリ端っこに横になったんだけど。
同じ布 団で和が寝ているのに。
眠れる訳なんかない。
暗闇に目が慣れた俺に。
うっすらと映る和のシルエット。
それだけでも俺の心をとらえて離さない。
それでも・・・明け方。
やっと空が白み始めた頃に。
ようやくウトウトし始めたんだけど。
そんな俺に寝返りを打った和が。
ぐぐっと接近してきた。
ツルツルの肌に閉じられた瞳。
ク チ ビ ル は小さくとがっていて。
薄くあいたそこからは・・・すーすーと寝息が漏れている。
俺が・・・横にいるのに。
ぐっすり熟睡している和。
そんな・・・子供みたいな和が。
目の前にいたら。
ウトウトし始めたのに・・・目がさえてしまった。
ちょっとだけ。
本当にちょっとだけ・・・触れよう・・・と。
その肌に触れたくて手を伸ばしたけど。
でも。
・・・。
・・・。
約束を思い出して。
俺は。
・・・。
・・・。
我慢して触れずにいて。
結局一睡もできないまま。
今日会社にやってきた。
「で・・・肝心な返事は?」
「返事?」
「大野さん・・・告白したんですよね。」
「ああ・・・した。」
「・・・で?」
「返事・・・保留にされた。」
「・・・え・・・保留?」
「返事はもう少し待ってって・・・言われた。」
「・・・じらすねぇ・・・。」
「で・・・待つって言ったんですか?」
「そう言うしかないよ。」
そう。
俺は。
返事を保留にされた。
ほぼ・・・受け入れてもらえる・・・と。
そんな自信がまあまああったから。
その言葉にはショックを受けたけど。
でも。
まあ・・・しかたがない。
断わられなかっただけ・・・ましだと思わなければ。
せめてもの譲歩が。
和・・・と呼ばせてくれることだったんだと思う。
今朝・・・会社へ向かう電車の中で。
僕のこと・・・和・・・でいいから・・・と。
そう・・・言われたんだ。
俺と和の関係が。
まだまだ先に続くんだって。
そう思わせてくれるような。
そんな嬉しい思いがこみ上げたんだ。
あざとい小悪魔に翻弄されている・・・と。
そう言われてしまえばそうかもしれないけど。
デスクに戻ると。
和が俺の席に座っていた。
「・・・和・・・。」
「ぁ・・・大野さん・・・。」
「あれ・・・外出じゃなかったの?」
「さっき戻ってきたの。」
「・・・そう・・・。」
昨夜。
告白してから。
かなり口調が崩れている和。
敬語交じりのため口だったのが。
今朝からはもう。
ずっと・・・ため口だ。
この言葉遣いは。
俺と和が近づいたように感じて。
少しくすぐったい気持ちでいる。
「今夜・・・あいてるけど?」
「・・・じゃあ・・・誘ってもいい?」
「フフ・・・いいよぉ。」
嬉しそうに笑って。
和が・・・じゃああとでね・・・と。
そう言いながら。
自分のデスクへと戻っていった。
すれ違いざまに。
さりげなく俺の手を握って行った和。
ぎゅっと握られた指が。
熱を持ったように熱い。
・・・。
・・・。
告白の返事を。
保留にされたけど。
でも・・・なんだか。
俺と和・・・付き合っているような。
そんな空気感に。
くすぐったくなる。
二人だけの ヒ メ ゴ ト が。
本当にあるような気がして。
いや・・・あるんだけど///。
俺・・・寝不足だったけど。
でも。
体中に力がみなぎってきた。
本当の和を知りたい。
そんな願望が。
少しずつでも叶うような気がして。
こうして・・・飲みにとか一緒に行ってくれるのなら。
保留の期間も悪くない・・・と。
そう・・・思い始めていた。
つづく
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