六月の二人⑭ | ナツコのブログ

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にのちゃんが大好きです。
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大宮さんのお話(腐です///)なども書いております///♪

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「春嵐」の続編です。

 

大宮さんの腐のお話です。

 

苦手な方は。

 

ご注意を///♪

 

 

 

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「そろそろ・・・時間ですよね。」

 

「・・・。」

 

 

 

テレビの上の時計を見る。

 

そろそろ準備しないと。

 

終電の1本前に乗ることができない。

 

意外に潔く・・・すっと離れたその手。

 

俺の気持ちの方が。

 

まだ・・・その手のぬくもりから離れられずにいる。

 

和君は・・・自分の空のグラスを持つと・・・立ち上がり。

 

狭いキッチンへと行ってしまった。

 

グラスを洗おうと・・・水をだしたその背を見て。

 

・・・。

 

・・・。

 

俺は。

 

ゆっくりと立ち上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺に背を向けたまま。

 

洗い物をしながら・・・しゃべり始める和君に。

 

静かに・・・近づく。

 

何の迷いも躊躇もない。

 

ただただ・・・そばにいきたくて。

 

離れたくなくて。

 

ふらっと・・・吸い寄せられるようにして。

 

近付いた。

 

 

 

「あ・・・あの花なんですけど・・・。」

 

「・・・。」

 

「ベランダに置いたは・・・っな///っ・・・。」

 

 

 

ぎゅっと。

 

後ろから抱きしめた。

 

考える前に。

 

体が動いて。

 

気付いたら。

 

抱きしめていた。

 

その・・・首筋に顔をうずめる。

 

ぴくっと・・・小さく跳ねてから。

 

きゅっと。

 

体を固くした和君。

 

しばらく・・・動きが止まっていたけど・・・でも。

 

少しして・・・ゆっくりと動き始め。

 

出しっぱなしだった水を止め。

 

俺を背にひっつけたまま。

 

タオルで・・・手を拭いた。

 

そして・・・言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「///あの花・・・なんですけど・・・。」

 

「・・・。」

 

「あれは・・・ハナキリン・・・と言う花で・・・。」

 

「・・・。」

 

「多肉植物なんです。」

 

「・・・。」

 

「ちょっと茎にトゲトゲがあるので・・・気を付けなくちゃいけないんです

けど・・・。」

 

「・・・。」

 

「乾燥には強いので・・・多少水やりを忘れても大丈夫なんです。」

 

「・・・。」

 

「原産はマダガスカルで・・・。」

 

 

 

少し顔をあげると。

 

斜め後ろから・・・よく動く唇が見えた。

 

俺の大好きな声。

 

いつもは空気を伝わって聞こえる声が。

 

今は。

 

触れた体から直接響いて。

 

俺の心をフルフルと・・・ゆさぶる。

 

一生懸命に花の説明をする和君。

 

こうなると。

 

なかなか止まらないこと。

 

最近・・・わかってきた。

 

そんなところもまた。

 

かわいくて・・・しかたない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だから直射日光にも強くて・・・。」

 

「・・・。」

 

「茎が・・・どんどん上へと伸びていく習性があって・・・。」

 

「・・・。」

 

「このくらいまで伸びたりするんです。」

 

 

 

手振りで。

 

伸びていく茎を表しているのか。

 

ついっと背伸びして・・・上へ上へと手を伸ばしている。

 

ねえ・・・和君。

 

俺の腕の中にいること。

 

忘れてない?

 

 

 

「実はあの花の花言葉は・・・。」

 

「・・・。」

 

「・・・ちょっと面白くて・・・。」

 

「・・・。」

 

「だから今日持ってきたっていうか・・・。」

 

「・・・。」

 

 

 

す・・・っと抱きしめていた俺の腕に。

 

触れる和君。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花言葉。

 

そう言えば・・・あの頃。

 

和君に思いを伝えたくて。

 

必死で花言葉を調べていた俺。

 

しばらく調べてから。

 

逆引き・・・という便利な調べ方があることに気づき。

 

けっこう思いきって和君の花屋に行ったのに。

 

画像まで見て・・・和君に似合いそうな花をわざわざ探したのに。

 

開花時期まで調べていなくて。

 

結局何度も。

 

和君のところに通った事を思い出す。

 

今思い返しても。

 

不器用すぎたな・・・と。

 

格好悪かった俺を。

 

思い出して少し恥ずかしくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハナキリンの・・・。」

 

 

 

よく動くかわいい唇を後ろから至近距離で見つめる。

 

ぷっくりした下唇。

 

 

 

「花言葉なんですけど・・・。」

 

 

 

少しとがったように見える上唇。

 

形がいい。

 

 

 

「ちょっとびっくりするかも・・・。」

 

 

 

口角は・・・少しあがっている。

 

それが。

 

幼く見せるのか。

 

 

 

「ハナキリンの花言葉は・・・。」

 

 

 

キス・・・したい・・・と。

 

思った。

 

 

 

「早くキスして。」

 

 

 

・・・。

 

・・・ぇ。

 

和君が。

 

ハッキリと。

 

そう・・・言った。

 

ちょっと恥ずかしそうに俺を。

 

後ろの俺を振り返りながら言った。

 

 

 

 

 

 

つづく

 

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毎日0時8時16時の更新予定です。

 

楽しんでいただけたら嬉しいです♪