六月の二人④ | ナツコのブログ

ナツコのブログ

にのちゃんが大好きです。
かわいい大宮さんを愛でております。
大宮さんのお話(腐です///)なども書いております///♪

ヘッダーアイコンはあみんさんよりお借りしております♡

 

 

 

「春嵐」の続編です。

 

大宮さんの腐のお話です。

 

苦手な方は。

 

ご注意を///♪

 

 

~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*

 

 

 

「お待たせいたしました。」

 

 

そう言いながら・・・俺と翔君の目の前にお代わりのグラスを置くバーテンダー。

 

低い声。

 

薄暗いバーには・・・とても似合う。

 

俺と翔君は・・・乾杯の代わりに二人で小さくグラスを目の前にかかげ。

 

新しいビールを口にした。

 

薄口のひんやりとしたグラスの口当たりと。

 

口内に広がる苦みを味わい。

 

ゴクン・・・と喉に流し込んだ。

 

俺の隣で・・・同じようにビールを飲み。

 

一輪挿しのバラに軽く手を触れている翔君。

 

image

 

ただそれを・・・じっと見つめている俺。

 

バーテンダーが・・・俺達の会話が途切れたと思ったのか。

 

翔君に話しかけた。

 

 

 

「赤いバラの花言葉は。」

 

「・・・ん?」

 

「『情熱』や『愛情』という言葉が有名ですが。」

 

「・・・。」

 

「そのバラは1本なので。」

 

「・・・うん。」

 

「『一目ぼれ』や『あなたしかいない』という花言葉があるそうです。」

 

「へぇ・・・物知りだね。」

 

「お花屋さんに・・・聞きました。」

 

「へぇーーー。」

 

 

 

と大きな声で言いながら。

 

俺を見る翔君。

 

その翔君の視線も気になるけど。

 

それより気になるのは。

 

お花屋さんに聞きました・・・と言いながら。

 

照れくさそうに微笑んだそのバーテンダーの表情に・・・だった。

 

誰を。

 

思い出してる?

 

って言うかどうしてそんなに照れるんだ?

 

お花屋さんっていうのは・・・いったい・・・。

 

 

 

「お花屋さんって?」

 

 

 

翔君が・・・カウンターに座り直しながら。

 

バーテンダーに聞いた。

 

 

 

「ここのホテルと契約している業者さんです。確か宴会でも・・・」

 

「ああ知ってる・・・ここにも来るの?」

 

「ええ。週に2、3度オープン前に来てくれています。」

 

「どんなお花屋さん?何人かいるでしょ?」

 

 

 

翔君が。

 

俺の聞きたいことを聞いてくれている。

 

ちょっと。

 

楽しんでいるように見えるのは。

 

俺の気のせいであって欲しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「小柄な男性で・・・とても・・・。」

 

「・・・。」

 

「・・・。」

 

「・・・とても・・・?」

 

「男性に言うにはちょっと失礼な表現なんですが。」

 

「うんうん・・・いいよ言って。」

 

「かわいらしい方・・・です。」

 

「へぇーーー。」

 

 

 

だから。

 

なぜ照れる?

 

そして・・・翔君。

 

どうしてそう。

 

大きな声を出して俺を見る?

 

 

 

「あの子かなぁ・・・ちょっと色白の子でしょ?」

 

「あ・・・はい・・・そうです・・・瞳がキレイな茶色で・・・。」

 

「瞳の色まではわからないけど・・・よく見てるね。」

 

「ぁ・・・。」

 

「お気に入りなの?」

 

「いえ///そういう訳では・・・。」

 

 

 

照れるんじゃない。

 

あの子は。

 

俺のだ。

 

って言うか。

 

・・・。

 

・・・。

 

突然・・・気づく。

 

ライバル的な奴が。

 

いるかもしれないって事に。

 

俺が・・・あの子に一目ぼれしたように。

 

誰かが。

 

あの子に一目ぼれする可能性だって十分にあるんだって事。

 

そして・・・その誰か・・・が。

 

このバーテンダーかもしれないんだって事。

 

俺は・・・バーテンダーの胸元のバッジを見て。

 

そのアルファベットで書かれた名前を記憶に深く刻んだ。

 

 

 

 

 

つづく

 

~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*

 

 

 

 

毎日0時8時16時の更新予定です。

 

楽しんでいただけたら嬉しいです♪