最終話です。
最後までお付き合いありがとうございました。
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Side.O
「智君。」
突然呼ばれ。
振り向くと。
そこには。
え。
な・・・んで・・・。
「翔・・・君・・・。」
そこには。
金を持ち逃げして。
俺から離れていった親友・・・・翔君がいた。
「智君。」
「・・・。」
「ごめん。急に来て・・・。」
「・・・。」
「一言・・・言いたかったんだ。」
「・・・。」
「俺が悪かった。」
「・・・。」
「本当にすいませんでした。」
「・・・。」
深く・・・頭を下げる翔君。
状況がよく飲み込めない。
なんで。
・・・。
・・・。
ここに?
俺に。
会いにきたの・・・?
「嫉妬してたんだ。ずっと。」
「・・・。」
「智君の境遇に・・・その才能に。」
「・・・。」
「だからせいせいしたはずだったんだ。智君を傷つけて。智君と絶交して。」
「・・・。」
「なのに・・・毎晩智君の夢を見る。」
「・・・。」
「ずっと・・・なんであんなこと言ったのかって。もうずっと後悔してる。」
「・・・。」
「謝って許してもらえるようなことじゃないってわかってるけど。」
「・・・。」
「本当にごめん。」
翔君の顔が。
久しぶりに見たけど・・・やつれていて。
俺は。
この船に乗って和に救われたけど。
翔君は。
救われずにずっと・・・苦しんでいたのかもしれないと思った。
「金は全部手つかずで残ってる。」
「・・・。」
「今さら遅すぎるのは重々承知してるけど。」
「・・・。」
「全額・・・返したい。」
「・・・。」
「本当にすいませんでした。」
「・・・。」
いいよもう。
それが・・・素直な俺の気持ち。
あれだけのことされて。
会社もつぶれて。
借金を父さんに肩代わりしてもらって。
・・・なのに。
こうして翔君が謝ってくれて。
俺に会いにきてくれたことで。
戻ってきてくれたことで。
俺はもう。
充分で。
怒りなんて全然わいてこない。
そもそも。
かなり前から傾いていた会社。
翔君が金を持ち逃げしようがしまいが。
遅かれ早かれ・・・つぶれていた会社だったんだ。
翔君を恨む気は・・・そう。
最初から俺にはなかったんだ。
「翔君。」
「・・・。」
「翔君はまだ・・・俺の親友?」
「・・・。」
「・・・。」
「許されるなら。親友でいたい。」
「・・・。」
涙を浮かべた目で。
俺を・・・強く見つめる翔君。
・・・。
・・・。
翔君がこうして来てくれたことで。
過去の・・・昔の自分を取り戻したような感覚になる。
また始めたい。
翔君と。
ここから。
「翔君。これからもよろしく。」
「許してくれるの?俺を。」
「最初から憎んでなんてない。」
「ありがとう・・・智君。」
がっつりと握手をする。
互いにじわっと浮かぶ涙。
照れ隠しのように。
ぐいっと引き寄せ。
互いにその背をパンパンと叩いた。
・・・と。
「智君・・・さっそく一ついい?」
「・・・ん?」
「あの・・・さ。」
「・・・。」
「その・・。」
「・・・。」
「智君の隣で号泣してるその子・・・紹介してくれる?俺に。」
「・・・ぇ///。」
ふと横を見ると。
嗚咽を抑えきれない和が。
口元を抑え。
ポロポロと涙を流している。
「和・・・///。」
「よかった・・・智さ・・・ん・・・仲直り・・・で・・・きて・・・ひっく。」
「・・・。」
「ぅ・・・っ・・・ひっく・・・ホント・・・よか・・・った。」
「ありがとう。和。」
くいっと。
その震える肩を抱き寄せた。
懺悔室を思い出す。
翔君のこと。
和に聞いてもらった日のことを。
「翔君。」
「・・・。」
「この子・・・和は・・・ね。」
「・・・ぅん。」
なんて話そう。
なんて伝える?
俺の親友に。
俺の大切な人を。
なんて。
伝えようか。
ボォ・・・
汽笛が鳴る。
クルーズ船との別れの時。
そして。
俺と和との新たな世界が始まる時。
行こう。
君とAnother world。
きっと。
幸せな世界が。
待っている。
「翔君。紹介するよ。俺の天使。」
FIN
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最後までお付き合いいただきありがとうございました。
このお話は。
フォ〇ストでのコラボ企画で発表させていただいたお話でした。
企画当初は・・・発表直前に衝撃的なニュースがあり。
開催が危ぶまれたこともあったのですが。
無事開催され。
私は・・・相変わらず長い物語なので///。
かなり遅れて完結させていただきました。
今その企画でご一緒させていただいた方で。
コンスタントに続けている方はいらっしゃらず。
それを・・・とても寂しく思っています。
このお話は。
タイトル通り智さんのソロ曲に魅せられて書いたお話です。
セレブで少し軽やかな智さんと。
純粋無垢な神父和君。
神様と智さんの間で揺れる心。
でも・・・強くなった和君。
やはり「愛」は最強ですよね。
このお話好きです・・・と言ってくださる方も多く。
再掲を喜んでいただけて私も嬉しかったです。
また・・・お話の再掲は続ける予定でおりますので。
お付き合いいただけたら嬉しいです。
ではでは。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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