ホームドラマチャンネルでかなり前に録画していたものを見ました。

史劇感想はネタバレです。

 
 
 
「逆賊」 全30話
 
 
 
見くびっていました。とても良かったです。
 
20話前後のフュージョンか50話超の本格史劇か
間の30話って中途半端なことが多かったように思いますが、
 
これは30話でそれぞれのキャラの成長や堕落という変化をしっかり描いていて
50話並の濃さ、時間の経過系譜が感じられる秀作でした。
 
久しぶりに見応えある史劇に会えて嬉しかったです。
 
 
 
 
 
ホンギルドンって実在の人物なんですねー。
 
たくさん彼を題材にした小説や漫画がある中 こちらは史実に近い内容らしいです。
 
燕山君や3大悪女?のチャン・ノクス
名前は知っていても彼らをきちんと見たのは今回が初めて。
 
ハナから悪役として描かれることが多い人物のようなので
背景や心情変化を丁寧に追ったもので最初に出会えたことは今後史劇を見ていくうえで
為になったんじゃないかなと感じています。
 
 
 
中盤くらいまではギルドンの父アモゲ(キム・サンジュン)の時代
 
奴婢として仕えていた主人を殺め 策略を尽くし ゴロツキの大将としてひと花咲かせます。
 
虐げられた環境から抜け出すために罪を犯し
その結果 貶めた相手からの反撃を受け
その追跡をかわすために また相手を貶める
 
私はこの復讐の連鎖が嫌いで ずーっとモヤモヤしながら見ていました。
 
 
アモゲ亡き後は次男のギルドン(ユン・ギュンサン)が後を継ぎ
でもその手法は変わらず
なかなか義賊にならない・・・
 
偉大な父の残像が消えず 中盤はなんだかギルドンが主人公なのが物足りなく感じることも。 
 
 
 
キム・サンギュンさん (力の入り具合が苦手な俳優さんなのですが) 今回の存在感見事でした。
彼が牽引していたモヤモヤ展開が 終盤見事に回収されることに。。。
 
アモゲの残した余韻がずっと残っていて
ラストでこのドラマのテーマを際立たせる役目を果たしていました。
 
 
 
 
経験を重ね 周囲の状況が変化し 少しずつ義賊になっていくギルドンたち
 
集大成の戦いで民衆が彼らを鼓舞するために歌うシーンは感極まって涙が出ました。
 
どんどん悪化していく政治に立ち上がる民たち。
 
復讐や怒りからは何も生まれない。。 モヤモヤが一気に昇華。
 
この手のわりに最後が超ハッピーだったのも良かったです。
 
実は重い内容の中でも彼らの結束力団結力は癒し。。。
 
 
 
 
中盤ギルドンにイマイチ嵌れなかった頃 
私の興味を引いていたのはギルドンの兄ギリョン(シム・ヒソプ)
もう やっぱこの人好きハート (別に好みってわけじゃないのになんでだろう??)
 
苦労しまくってるので賢くてもひ弱ではなく 見た目によらず図太い面も。
彼がどんどんのし上がっていく様にワクワクしました。
 
 
ギルドン、兄のギリョン、年のずいぶん離れた妹の3兄妹。
3人は生き別れになりそれぞれの道で全力を尽くし 結果同じ場所にたどり着き再会を果たします。
 
 
兄は表の道を 弟は裏の道を 妹は・・・
 
 
再会シーンはもちろん泣きました。
満を持しての合流シーンは小躍りしたいくらいテンションあがりました。

 
 
 
 
さらに
いつもギルドンの敵の部下なモリ(キム・ジョンヒョン)
 
とにかく人運がない
仲間になりたそうなのに素直になれないモリからも目が離せませんでした。
 
早く仲間になってくれとヤキモキ。
なので台詞なしで隅っこにいても探しちゃう。
 
このドラマで新人賞を受賞したとか。
無表情なモリの微かな感情表現 納得です。
 
 
 
 
そして
やっぱり私はこの人。
 
いつもちょっとハナにつく役をやるのに最終的に憎めないとこまでもっていく彼
 
いやー今回は超絶悪かった。
さすがに同情の余地なし。
 
でも好きな俳優さんが悪役を上手に演じてると誇らしくなる不思議(笑)
 
今までで一番素晴らしかったと思います。(本人も役者人生イチだと言ってた)
 
燕山君がだんだん壊れていく様に時間の経過、時代の流れを感じる熱演でした。
 
 
 
 
「六龍が飛ぶ」の後のホンギルドン
同じようなキャラでどうなんだろうと思っていたら
縦横 周囲の人よりひと回り大きなギュンサンくん、ピッタリの役でした。
 
最初は頼りなくて主役はちょっと早かったんじゃないかと思いながら見ていたら
体だけじゃなくオーラがだんだん大きくなっていくギルドンの成長をしっかり演じていました。
 
戦闘態勢の鋭い眼と民衆やガリョン(チェ・スビン)に向ける優しい眼のギャップ
終盤とっても格好良かったです。
 
 
 
女性陣は
イ・ハニさんのチャン・ノクス
とっても美しく哀しいもう1人のヒロイン。
悪女というよりはとにかく哀しい女性だなと思いながら視聴しました。
 
チェ・スビンちゃんは序盤は少女のようで全然ヒロインという感じではなかったのが
終盤は強くしなやかな女性に成長していました。
ガリョンの佇まいの変化素晴らしかったです。
 
 
 
 
 
とにかく脚本の構成に感嘆しきり。
 
中盤まではそこまではまっていたわけではなかったけど
終盤一気にすべてが収束していく雰囲気に鳥肌 涙腺が刺激されまくり。
 
「逆賊」 タイトルも実は奥が深い
 
 
そして下手な役者さんが1人もいなかったのも見ごたえがあった要因の一つ。
 
 
 
満足☆