今年4月の介護報酬改定で、介護職員処遇改善加算が拡充されたにもかかわらず、処遇の改善が実感できていない介護関連の従事者は8割を超える-。そんな調査結果を、全国労働組合総連合(全労連)がまとめた。

 全労連では、今年8月から10月にかけて、通所介護や介護老人保健施設、特別養護老人ホームなどで勤務する介護職らを対象にアンケート調査を実施。3353人から有効回答を得た。回答者の内訳は70.8%が介護職だったが、看護職やケアマネジャー(いずれも8.2%)らも含まれている。 介護職員処遇改善加算の拡充に伴う給与アップ(※1)の実感があるかという質問については、「まったく感じない」が62.1%で最も多かった。次いで多かったのは「あまり感じない」(18.7%)で、この2つを合わせると80.8%の従事者が加算拡充に伴う処遇改善を実感していないことが浮き彫りとなった。「少しは感じる」は3.3%、「かなり感じる」は0.8%にとどまった。「わからない」は15.0%だった。

 全労連では調査結果を受け、「新たな処遇改善加算の創設とあわせて、介護報酬の大幅引き下げをおこなったことで、首相自らが約束した処遇改善につながっていないことが明らかになった」と指摘。国の責任で介護労働者の確保対策と処遇改善を抜本的に強化することが必要としている。

※1 今年4月の介護報酬改定では、「介護職員処遇改善加算」が拡充された。拡充された加算を取得した場合、職員1人当たり平均月1万2000円の賃上げにつながるとされる。(CBニュース)