ベネッセシニア・介護研究所(滝山晋也所長)はこのほど、有料老人ホームの入居者・保証人を対象にした意識調査の分析結果(速報)を公表した。それによると、施設への入居は家族主導で検討されるケースが84.6%に上った。

 調査は今年9月、ベネッセスタイルケアの有料老人ホームとグループホームの1万2238人を対象に行われた。速報では、6000件以上の回答があったうち、4384件を対象にしている。
 入居する際に、誰が検討を主導したかを尋ねたところ、家族主導が84.6%、本人主導が13.1%だった=グラフ=。さらに、家族が検討を主導したうち、入居者が独居だったのは64.0%に上った。
 家族による介護歴を尋ねたところ、「独居で家族主導」の場合、27.7%が「介護歴なし」だったのに対し、「家族同居で家族主導」の場合、「介護歴なし」は14.3%と、家族同居の方が介護を経験した後に入居に至る割合が高かった。
 有料老人ホームに入居を検討するに当たり悩んだことについて、「家族以外の介護への抵抗や罪悪感」との回答は、「独居で家族主導」が22.1%だったのに対し、「家族同居で家族主導」では31.2%と、家族同居の方が、家族以外に親の介護を委ねることに罪悪感を抱く割合が高いことが分かった。
 入居をきっかけに家族の生活に変化はあったかどうかを尋ねたところ(複数回答)、「身体的負担が軽くなった」が92.8%で最も多く、「気持ちが前向きになった」が72.1%でこれに続いた。(CBニュース)