コズン・グラハムの帰還 二十話(くらい) | 父ちゃん日記

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うちの神楽君も次の11/9でいよいよ10歳
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基本的に不謹慎父ちゃんです
面白ければ何でも良い、精神的暇人なのでご注意、ご容赦願いください
m(_ _)m




フィフス少佐が連邦のスパイの手により拉致された

それは俺達に衝撃を与えた
スパイに侵入されていたその驚きはもちろんあったが、
連邦のオデッサ作戦からの敗退
その殿を押し付けられた俺達の窮地を救ってくれたフィフス少佐の安否が何より気掛かりだった

『強化人間』

人類の新しい有り様
それを『ニュータイプ』とか呼ぶらしいが、そのニュータイプ能力を人工的に植え付けた存在が強化人間だという……

その強化人間試作体の一人がフィフス少佐だった

この『ニュータイプ』とやらは連邦でも研究が進んでいるらしく、その情報を得る為の工作員がこの基地に潜伏していた
当初はニュータイプそのものであるシュウ中尉に当たりを付けていたらしい工作員だが
しかし少佐に動向を察知されるや否や標的を少佐へと変えたのだった




クウェート ジャハラー港湾基地指令ガミ准将が皆に号令をかける
『それではこれよりジャハラー基地の総力をもってフィフス少佐奪還作戦に移る
総員作戦準備に移れ』


軍からしてみたら強化人間のフィフス少佐もニュータイプ兵のシュウ中尉もジオンの前途を担う秘密兵器と言った所だ
はためは普通の士官と変わりはしないが、盗まれて『はいそうですか』と済ませる訳にはいかないだろう
軍の思惑と俺達の想い
その根本にあるものは全く違うが目的は一致している



このジャハラー基地は秘密基地の様なもので極秘開発のニュータイプ用兵器を整備する為の施設故に風変わりな機体が多数配備されている
しかしその様な烏合の寄せ集めで如何程の作戦が実行できるのやら……


基地指令によると連邦のニュータイプ研究施設はキリマンジャロ山中に存在するらしく(工作員は連邦ばかりでは無いという事だ)
我々の捕捉を避けるのであれば300マイル程東南東にあるモンバサという街の港湾施設から運ぶであろうとの憶測が立てられた
空路であれば未だ我がジオン勢力圏にある北アフリカを通らねばならず、ペルシャ湾を抜ける海上ルートを通る可能性が高いという算段らしい


『強襲用グラブロ』

その長大な航続距離を犠牲に高速強襲揚陸挺としての機能を追加させた特殊モビルアーマーである

この強襲用グラブロに強襲部隊を牽引させ、モンバサの港湾施設を強襲、そこにフィフス少佐を発見すれば奪還、居なければその足でキリマンジャロへ強行する作戦であるが問題がひとつ

強襲用グラブロはその殺人的な加速力の為、肉体改造した強化人間(フィフス少佐)専用とされている為、常人のパイロットに扱えるものでは無いという……

『自分にやらせて下さい』

と手を挙げたのはシュウ中尉だった
対G能力で言えばニュータイプは普通の人間とそうは変わらない

『それは無理だ』という声を頑なに押し退け基地指令に直訴する中尉

『少佐は自分の身代わりに拐われたんだ
これは自分の仕事です』
そう言い、黄色と黒のコントラストの効いたグラブロのコクピットへ収まる中尉

『牽引、宜しく頼むシュウ中尉』
重モビルスーツ、ゾックのコクピット内から無線で中尉へと声をかける

『あぁ、何としても少佐を奪回しようグラハム中尉』


ジャハラー基地より数機のグラブロが出撃する

ペルシャ湾にグラブロが配備されているだけでも驚きなのにこの配備数……
ただの基地ではないよな……


グラブロ部隊と牽引されたモビルスーツ群を以てモンバサを強襲すべく俺達は基地を後にした



待ち受ける連邦は果たしてどれ程の戦力なのか…
しかしどれだけの部隊が待ち構えていても少佐は救出しなければならない

ペルシャ湾を抜けた部隊はアフリカ大陸を遠目に進むのだった