2010年1月1日午前0時30分。

寒風吹き荒れる中、下関へと一人。


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車窓からは闇が支配し月は暗雲からわずかに垣間見える。

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荒れ狂う風の中、ひたすらに夜明けを待った。


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始まりの時が近づいてくる・・・。

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だが・・・無情にも暗雲に阻まれた空は静かにそして碧く・・・。

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孤独と寒さに耐える中、一羽のかもめが悠然と眼前に近づき幾度も

     幾度も・・・僕の前を旋回。「一緒に遊ぼうよ」そんな風に感じた。


ひと時の癒しを感じていたそのとき・・・。

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わずかながら、闇を突き破るかのように淡く煌めく閃光を見た。

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一瞬の灯。大自然という存在は、決して人間の小さな力では動かせない。

  「まだまだ甘いよ。君はもっと頑張らなきゃ僕は見せてあげないよ」

風のなかに囁いているように海は、穏やかにそして冷たい。


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今の僕に出来る事はなにもない。

  「でも、決してあきらめないよ」 そう呟いた。

そして、夕暮れ近づく空を仰いだそのとき・・・



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雲を切り裂くように天に向かい伸びる旭日が現れた。

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まるで、彼が少しだけ優しさを見せてくれたんだろうと思う。

彼は、何も語らないが・・・。


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橙に輝く一筋の光こそがその声の証だと信じよう。

ただひたすらに待ち続けるもののみに与えられる「自然の美」を求めて・・・。