後一つ、いつでも帰れる家を作ってやりたかった。
私には実家が無かった。
だから我慢したし、我慢できた。
今、息子は私と一緒に住んでいる。
ここが息子の実家であり、自分の家。
高校から私学のみの選択。今とは違い私学は全額自己負担だった。
二人の子供達は私立の大学まで卒業させた。
息子も○○の資格(聞いたけど???)なども取得しているらしい。
娘も看護師の資格を取得した。
資格に関しても取れるものは何でも応援して取らせた。
3歳からピアノ、水泳、柔道、習字、塾通いもあった。
娘に至っては、小学校低学年から、歯の矯正に眼鏡のお世話にと・・・
息子にはかっこいい服、流行りのレンジャーシリーズのおもちゃや自転車。
娘には可愛い服、流行りのセーラームーンのおもちゃやシルバニアファミリー。
何でもかんでもとはいかないけれど、人並みに揃えてあげたかった。
私がそうじゃなかったから。
その為には私一人の経済力では無理だった。
私の我慢と子供たちの将来を天秤にかけた時、スットンと天秤が傾いた。
我慢しなさいと。
離婚しなかった親で、本当は別れたかったけど、子供たちの為に我慢した。
それとは違う。
子供が居ようが居まいが、別れたければ別れたらいい。
私の理由はそこにはない。
私一人で育てるよりも、別れない事でより多くの選択肢を子供たちに与えたい。
それが別れぬ理由だった。
私が幼い頃に母親に言われたセリフ。
アンタ達のために離婚しなかった。
あくまでも、優先順位は自分ファストの母の言いそうなセリフ。
ふざけんな!人のせいかよ!なんでもかんでも人のせいにしやがって!
決断を下せなかっただけやん!
子供のせいにするなよ!迷惑や!
離婚しなくても、私と妹に選択肢さえ与えなかったやん!
イヤイヤ、心の余裕さえ、自由さえも与えた事なかったやん!
そう、何度思った事か。そんな母親の事が嫌いで、軽蔑すらしていた私。
反面教師にしよう。両親が離婚した時に絶縁し、そう決めました。
今思えば母親も精神的な病気を、抱えていたのかもしれません。
離婚しなかったのは、私の私なりの選択だった。
子供がいたからなんて言葉で、子供のせいになんて、してはいけないのです。
私一人で子供達に良い暮らしをさせる事は出来ない。
これが、正直な答えです。
物心ついた頃から揉め事が絶えなかった家でした。
父が外に目を向けるのも仕方ないとも思っていました。
そんな父を責める母の気持ちも理解はしていました。
悪循環の中で幼少期、思春期を過ごした私だったので、笑いの絶えない家庭が欲しかった。母親になった私が出来る事はしよう。
我慢できるところは我慢して、笑って過ごせる家庭とやらを作れば良い。
家庭が丸く収まるのならと、我が旦那をたててきたけれど、それもやめた。
「親子やなぁ。男をたてる事知らん。」20代の頃我が旦那に言われたセリフ。
この親子やなぁ。には、
気のきつさ、荒さでは、土佐犬なみの母親に対する嫌味が、含まれています。
ほな、たてさせてもらいましょ。
思いやりがないところは大いにありますが、そんなに無茶な奴でもない我が旦那。
確かに、仕事は人一倍できた!そこは立派だと思うし、尊敬もしている。
この尊敬が私の我慢を大きく応援してくれました。
だから、しっかり仕事して稼いできて頂戴!
私も仕事と家庭の事、頑張るし!
娘は家を買ったら大きな犬が欲しいと、ずっと言っていた。
大型犬のバニコが家族になった時に、これで離婚は絶対無理!
こんな病弱な大型犬、私一人の経済力じゃ無理です!
両足の、前十字靭帯断裂で片足25万の手術代。それも、3回手術している。
膀胱炎持ちで、週1回のお下の洗浄。
悪性リンパ腫の発症。
またまた、我慢しよ!
我慢してるのは、私だけじゃない。我が旦那も我慢はしている事もあるはず。
いつの間にか我慢する事が、私の中で当たり前になっていってた。
それはいつの日か、我が旦那を俺様にかえてしまっておりました。
他人様からは、
「○○さんはエエなぁ。優しい旦那さんで。何でもアンタの思う通りにさせてもらてるやろ。」旦那一人の我慢で成り立ってる家庭の様に思われている。
アホか!冗談ちゃうわ!と、思いながら反論せずに聞いている。
私の友達以外は、我が旦那はただただ優しい旦那さんに、好き勝手言っている嫁の様に思っているし、そう、思わせたままにしている。
還暦を迎えた我が旦那は、今はじめて私からの逆襲に、耐える事になってしまうのでした。
今度は折れるかい!
自分の事ではなく、娘とのもう増える事のない思い出を潰されたのだから。
気がおかしくなってたのも分かるけど、取り返しのつかない失敗を何度した?
失敗した事よりも、その後の行動が大事やろ!
謝れよ!
私は一度決めた事は、ちょっとやそっとじゃ諦めない。
今迄我慢したけどもうやめた。
知らない。良い妻なんて評価は、もういらない。
我が旦那のやたら多い親戚の中でも、良い嫁さんで通って来たけど、それもやめた。
○○の嫁は出来が悪い!
そう言われようが、何だろうが知ったこっちゃない!
幼稚園児のスモック姿って本当にキャワイイ💖大好きです!
色黒のバニコが私の癒しの可愛い可愛い💖娘でした。
が、めちゃめちゃ体が弱く、気も弱かった。
人間が怖い、犬はもっと怖い。チワワに吠えられ、私の後ろにスッと隠れる様な子でした。