宴のあとで 抱きしめて~大奥編:序章~ | くーのブログ

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宴のあとで抱きしめて
  【 序章 】 大奥編





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―――・・・空高く浮かんだ月が、江戸城を照らし出す夜のこと

その日は、いつもは緊迫した空気に包まれる広間に、煌々と灯りが灯され賑やかな声が響いていた。




鷹司
「今日の宴は随分と豪勢にやるもんなんですね」



永光
「ええ、年に一度のことですから」




その場には、大奥の面々が一同の顔を揃えている。




鷹司
「それにしても、酒くさいですけど」



永光
「まあ、今日だけは無礼講ということで我慢してください」



鷹司
「・・・ま、そうですね」




永光と鷹司が視線を伏せて笑いながら朱色の盃を傾ける。
その少し遠くでは、麻兎が襖に背を預けて賑やかな輪から距離を置くように立っていた。




稲葉
「麻兎殿は、お酒を呑まれないのですか?」



麻兎
「・・・・・・ああ、稲葉か」




穏やかな笑みを浮かべる稲葉に麻兎は視線を向けると、口の端を持ち上げた。




麻兎
「酒に呑まれるかもしれないヤツを、担がないといけないかもしれないからな」



稲葉
「そうですね」




稲葉が頷いたその時、広間に威圧感を含んだ声が響いた・・・・・・




???
「おい、呼びつけておいて迎えもねえのか」



勢い良くふすまが開け放たれ、その人は煙をゆっくりとくゆらせながら広間の中央まで闊歩する。




春日局
「これは気が回らずに申し訳ありません、水尾様」



水尾
「よう春日局」




水尾は春日局に対峙すると、口の端を持ち上げ不遜に笑う。




水尾
「お前の出迎えを期待してたんだがなあ?」



春日局
「ご冗談を」




二人はどこか愉しげな視線を交わし、そのまま水尾は用意された席にどかっと腰を下ろした。




永光
「これで、全ての客人は揃いましたね」




永光が広間を見渡すと、鷹司がすっと眉根を寄せた。




鷹司
「・・・・・・あいつがいねえ」




鷹司が呟いたその瞬間、開け放たれたままの襖から火影が飛び込んできた。




火影
「・・・・・・っ・・・・・・」




その表情がどこか心配そうに歪み、視線を彷徨わせて一人の人の元へ駆け寄った。




火影
「これ・・・・・・」




火影は手に握りしめた文を彼に手渡す。
そこに書かれいてた内容は・・・・・・






―――・・・○○は預かった







(・・・・・・っ・・・・・・!!)




その文から視線を上げた瞬間、賑やかな宴の夜の幕が明けた・・・―――





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   以下、それぞれに分岐デス('◇')ゞ