私の思い通り
~序章~
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・・・――心地よい風が肌を撫でるある日のこと
(えっと・・・これはここに納めればいいんだよね)
私は手に持った書物を棚に納めていた。
その時、不意に背後でばさりと何かが落ちる音がする。
「・・・・・・これ」
そこに落ちていたのは、一冊の古びた書物で、
だけど中を開くと妙に真っ白で何も書かれてはいなかった。
(・・・・・・誰のものだろう?)
゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・
○○が、書物を手に首を傾げて歩いていく背後でくすりと愉しげに笑う姿があった。
御門
「あー・・・あ、まんまと持って行っちゃった」ニンマリ
御門が立ち去る背中を見つめていると、火影が歩いてきた。
火影
「どうしたの、やけに楽しそうだけど」
御門
「ねぇ・・・・・・もし、『書いたら何でも思い通り』になる書物があったとしたらどうする?」
御門の言葉に火影は、呆れたように肩をすくめる。
火影
「そんなものあるわけ無いし、あったら大変なことになると思うけど」
御門
「・・・・・・大変なことねぇ、うん・・・大変かもね」
火影
「また変なこと企んでないで、行くよ?」
鼻歌を歌いながら、御門はふっと歩みを止めて薄い笑みを浮かべた・・・・・・
御門
「さあ・・・○○、愉しいお遊びの始まりだよ」
○○の手の中には、『思い通り』になる書物が抱えられていた・・・―――
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