花が飾ってあります。

ここは、何処かと言うと、吉野ヶ里歴史公園です。

お食事処やお土産コーナーは、歴史公園に入ることなく外からでも利用できます。

これは、コロッケ定食。
佐賀県産黒毛和牛を使っていると言うのに魅かれて注文しました。

ご飯が、赤いのは赤米、古代米ですよ。

入っていますね、お肉。

まず、煮炊きをする火を使う建屋が出来ていました。
以前、竪穴式住居の体験で中で火を焚いて煙が出てヒドイことになっていたのですが、
住居跡には、火を焚いた痕跡がありませんでした。

煮炊きをする専用の建屋があったんですね。
遺跡は、進化する。
新しく分かったことで加えられたり変わることは、あります。

貝を使った染色でこんな綺麗な色が出るんですね。
弥生時代と言っても結構、綺麗な色に恵まれています。

今回は、北墳丘墓や祭祀に関する遺跡を見てみます。

北墳丘墓。王の墓だとされています。
ここは、保存の為に表面が覆われていますが、中は発掘当時の本物です。
甕棺も本物が使われていますし、土壌もポリシロキサン系樹脂を遺構面に散布して保護した状態です。

で、墳丘墓の内部が見れます。
築造方法については、展示館やＨＰでも紹介されています。

吉野ヶ里北墳丘墓、弥生時代前半から中期頃（紀元前２世紀から１世紀）

土塁だと、壊れないように固く突き固めます。
北墳丘墓の場合は、埋葬する際に穴を掘りますし、掘った後は、亡き王を入れた甕棺があります。
あんまり強く突き固めると、甕棺が壊れたりヒビが入らないかと思ってしまいます。
土塁のようにがんがん、突いて固めていたとは思えないのでした。

北墳丘墓には、外と繋がっている道があります。
他所のクニからもお参りに来ていたのでしょうか。

埋葬のお手伝いでしょうか。

外から来る人には、どんなふうに見えていたか、歩いてみました。

吉野ヶ里の北墳丘墓の前には、祠堂との間に一本の柱が立っています。
外からも人が来る道があったそうですから

嫁さん、婿さんも来たかもしれない。
もしかしたらこの柱を巡って婚姻をしていたかもとか、想像を膨らませたりしています。
日本神話では、イザナギとイザナミが柱を回って婚姻します。

また、その柱は、太陽と影を使って時や暦を知る手段になっていたかもしれません。

墳丘墓の角っこは、目盛とか。

太陽と影、陽と陰、男神と女神、天照や素戔嗚を生んだイザナギ、冥界の王となったイザナミ。

生と死、そして、再生。

男と女、婚姻、新たな命を授かる。輪廻転生。

北墳丘墓、柱、祠堂、北内郭の祭殿、南の端にある祭壇これらが、南北のラインで繋がっているそうです。
確かに地図で見ると、確認できます。

向かって左から草に覆われているのが北墳丘墓、柱、祠堂です。

そのライン上には、住居跡はありません。

南の祭壇です。
かなり大きな方形です。

祭壇からまた、ラインを伸ばすと、雲仙普賢岳まで行くそうです。
普賢岳の噴火は、朝鮮半島からも見えたと言います。
この祭壇は、ライン上の北墳丘墓の祭祀だけではなく、普賢岳も祭祀していたのではないかと思いました。
中国の国書、隋書には、使者の言葉として百済も新羅も阿蘇山を火を噴く山と言って往来していると書かれています。
阿蘇山の噴火も大きいモノなら朝鮮半島からも見えていたかもしれません。
そして、普賢岳と阿蘇山、共通点している火を噴く山の祭祀のように思えました。

吉野ヶ里の南に在る祭壇です。

祭壇は、方形なので高良山山麓の祇園山古墳を思い出しました。
三世紀の古墳で卑弥呼が被葬者ではないかと言う説もある古墳です。
祭壇に登るのと、祇園山古墳に登るのも似ている急斜面。
祭壇は、かなり広いのでここで歌舞を行っていたのではないかとも思いました。

祇園山古墳の実測図。

この綺麗な実測図を見ると、方形墳は王墓って思ってしまいます。
ヤマト王権も前方後円墳が、天皇の陵墓でしたが、
磐井の乱後、しばらくして用明天皇を初め天皇陵が方形になります。
高句麗の王墓に似ていると言われますが、九州進出も何か、影響しているかもしれません。

隋に遣隋使を送った推古天皇も方形墳ですが、平原古墳と祇園山古墳と言う女王墓も方形墳です。

祇園山古墳。

吉野ヶ里の祭壇とは、大きさ規模や季節が違います。

でも、似ている感じがします。

皆さん、登った靴跡が、しっかりついて道になっています。

世界遺産の宗像・沖ノ島関連遺産群に含まれる福津市の新原・奴山古墳群は、５世紀から６世紀にかけての古墳群です。
多くは、円墳で３５基、前方後円墳が５基、たったひとつ方形墳があります。
入海だったところにあるのですが、この方形墳の上から鉄斧や琥珀原石が見つかっています。
古墳ではなく、祭壇ではないかと言う説があります。

方形の祭壇の系譜が、吉野ヶ里からあるんじゃないかって思ってしまいました。
新原・奴山古墳群の方形墳は、５世紀前半のもので倭の五王の頃になります。
倭の五王は、倭国王を名乗っていて祖先からの武勇を重要視しています。
海を挟んで韓国、釜山には、北部九州の倭系墳墓が残されています。
その墳墓自体は、６世紀のもので新原・奴山古墳群の時代と一致します。
新原・奴山古墳群の方は、朝鮮半島由来のものが多く出土しています。
５世紀の朝鮮半島と倭では、倭の五王の存在を考えないといけませんし、
６世紀から７世紀なら俀や俀王との関係も考えたいです。

新原・奴山古墳群は、宗像氏の古墳群としっかりと書かれています。
私なんぞが、ここは筑紫の兵たち、筑紫の軍勢ではないか、筑紫君が倭の五王でその軍勢。
日本書紀に書かれている雄略天皇や欽明天皇のときの筑紫の兵たちに当てはまるのではないかとしています。
んだもんだから、か

しっかり「宗像氏の」と書いていらっしゃるのではないかと思って申し訳ないと思っています。
でも、個人的には、筑紫君の方の兵たちだと思います。
すみません。

新原・奴山古墳群の７号墳が、方形墳です。

世界遺産新原・奴山古墳群|福津市福津市北部の勝浦・奴山に所在する新原(しんばる)・奴山(ぬやま)古墳群。平成28年1月27日、日本政府は新原・奴山古墳群を含む「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」の世界文化遺産推薦書を、ユネスコ(国連教育科学文化機関)に提出し、平成29年7月9日、ポーランドで開催された世界遺産委員会において世界文化遺産に登録されることが決定…

www.city.fukutsu.lg.jp

北墳丘墓での祭祀の様子を想像したもの。

宮殿での祭祀の様子を想像したもの。
こちらは、神功皇后の祭祀の様子を思わせますね。

宮殿。

宮殿と同じ北内郭にある司祭（巫女）の住居跡。

内部。

司祭（巫女）の住居跡の前に従者の家があります。
魏志東夷伝倭人条の卑弥呼と卑弥呼の世話をした男のことをイメージしますね。

お墓のそばにあるのが、司祭（巫女）と従者の住居。

他の人たちや王様や王様の家族は、別の処に住んでいるんですよ。

皆、竪穴式住居、司祭（巫女）だけが、高床式住居。

高床式住居って板一枚で冬、寒そうなんだけれど。

吉野ヶ里遺跡から出土した鏡。

パンフレットにも書かれていました。
「集められた情報を古代建築家や考古学、生活文化等の専門家が、検討して弥生時代の吉野ヶ里の集落、建物、人々の様子を推測します。」
となっています。

繰り返しになりますが、

本物の遺跡は、復元したものの下にしっかりと保護保存されています。

吉野ヶ里遺跡②