八月に開催する日韓合同演奏会では
韓国の一般吹奏楽団「Wetutti Wind Orchestra」との合同演奏ステージの冒頭では邦人作曲家のマーチを演奏しようと考えているのですが、その選曲で悩み中です。

前回韓国で開催された合同演奏会では、このブログの表題ともなっている「Hands Across the Sea」を演奏しました。


このマーチは、アメリカがフィリピンの独立を助けてスペインと戦った時、マニラ湾のアメリカ海軍のデューイ提督に、イギリスのチチェスター艦長が救いの手を差し伸べた、その友情を讚えて作曲されたものだという説があります。しかし、実際には楽譜の表紙に印刷されているある戯曲の言葉「ある考えがわたしの心にひらめいた……永遠の友情を約束しよう」という言葉にインスピレーションを得たというのが有力とのこと。
 現在、この曲はそのタイトルから国際親善の場で演奏される機会が多く、かつて、昭和天皇がアメリカを訪問された時も、ワシントンの閲兵に際してこの曲が演奏されているとのこと。





まず日本を代表するマーチということで最初に思いつくのはこれ

軍艦行進曲/瀬戸口藤吉


完全にグレーゾーンです
国際親善どころか国際問題にまで発展する可能性があります。

作曲されたのは、第二次世界大戦中ではなく、明治30(1897)年。ただし、その後にさまざまな編曲が試みられていて、音楽的には、日本的なメロディを用いつつ、西洋音楽のマーチの技法を完全に消化して作曲されているとの評価があります。世界三大マーチの一つとして挙げられることもあり(出典不明)、過去日本の総理大臣が米国でこの曲で迎えられたこともあるそうです。海外の方から見れば、日本のマーチと言えばやはりこの曲なのかもしれません。



ブルーインパルス(青い衝撃)/斎藤 高順


航空自衛隊航空音楽隊第10回定期演奏会の委嘱作品。航空自衛隊松島基地第4航空団所属のアクロバット(エアロバティック/曲技飛行)チーム飛行展示前に流されていた曲とのことです。この曲の疾走感はまさに大空で曲芸飛行をする航空機のごとし。

完全にグレーです。
いえ、技術的な面でアールダークグレーです。
韓国のバンドとの合同練習が可能なのが本番当日という状況で果たしてこの難曲が演奏できるのだろうか。いやできまい(反語)。マーチ以外に大曲が控えているなかで、労力は最大限に抑えたいという三十路ーズの本音が出てしまいます。


国際的な知名度ではこの曲も負けていません



自衛隊マーチ/伊福部昭


1965年 映画「怪獣大戦争」にて「防衛軍」の出撃に使われたマーチ。米国メジャーリーグで国際親善に貢献する大リーガーを思い出させます。

この演奏会はどこへ向かうのか。





コバルトの空/レイモンド服部


「全国1億2000万人のプロレスファンの皆様こんばんは」

1951年に当時のラジオ東京(現在の東京放送、TBS)のスポーツ放送テーマ音楽として作曲された曲です。
三十路にはこの曲も「戦い」を想起させる曲です。


どうしても「行進曲」と「戦意高揚」とは切り離せないものか

趣向を変えて「吹奏楽コンクール課題曲」へ

'89年 吹奏楽コンクール課題曲D
ポップス・マーチ「すてきな日々」/ 岩井直薄


「すてきだった日々」を思い出させる爽やかな一曲。
あまりに爽やか過ぎて我々がこの曲を演奏するのは罪である。

余談ですが、上の動画の演奏のあとの自由曲が、
審査員全員が満点をつけたという伝説の演奏です。


同じく吹奏楽コンクール課題曲から

'97年 吹奏楽コンクール課題曲Ⅲ
五月の風 / 真島俊夫


真島俊夫作曲らしいキラキラとしたサウンドの華やかな曲。

八月の合同演奏会で五月の風。
前回の韓国での演奏会が五月だったということにしておけばよいかと思います。第一回演奏会へのオマージュ。


そしていよいよ2000年代突入。

'07年 吹奏楽コンクール課題曲Ⅳ
マーチ ブルースカイ / 高木登古


タイトル通り、さわやかな夏空の青さを想起させるメロディーの美しい曲。夏にふさわしい。
この曲を聴くと、小学生のころにリコーダーで吹いた「puff the magic dragon」を思い出すのは私だけではないはず。


とネタも尽きたので
twitterを利用して

全国1億2000万人の吹奏楽ファンに質問してみました。

「日本人以外にも聴いてもらいたい、邦人作曲家のマーチって何があるでしょうか? 吹奏楽コンクール課題曲含めて」

と5分も経たないうちに全国1億2000万人の吹奏楽ファンから回答が返ってきました。


その中で、「戦い」と「課題曲」にすっかり夢中になっていたわたしが忘れていた曲が一つ。


秋空に / 上岡洋一


1976年度の日本吹奏楽指導者協会(JBA)作曲賞「下谷賞」を受賞。1978年のイーストマン・ウインドアンサンブルの来日公演においてやや速めのテンポ設定で演奏され、これがライヴ録音で多くの人が耳とするところとなって急速にレパートリーとして定着していった、という経緯でも有名な曲です。

どこか土俗的で、故郷の風景を想起させるような曲。
人気が高いのもうなずけます。


他になにかあるかな…




番外

92' 吹奏楽コンクール課題曲C
クロスバイマーチ/三善晃





じん

$「音楽は心をつなぐ 海を越えて握手」~Nat's Wind Ensemble
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