なんかkissmusicを論破したってサイトを見つけてしまいました。

なにこれ?

 

ミックスボイスを指導するトレーナーが詐欺呼ばわり。

そうですね。やっぱりお金札束取って教えているってことは、生徒としては歌カラオケが上手くなりたいんですよ。

でも、何月も何年も通っているのに一向に歌カラオケが上手くならない。あれ?おかしいな?って思うわけです。

だからこそ、詐欺呼ばわりされているんじゃないかなと思いますね。

 

なので、無料体験時とかに「うちは科学的根拠を基に発声の指導を行なっていますが、必ずしも歌が上手くなるとは限りません。それでもいいですか?」としっかり確認しているかなんですよね。この確認をしていないから、生徒とトレーナーで行き違いが発生して詐欺呼ばわりされるんじゃないかと。

 

で、夏夫の経験談だと、ミックスボイスを何年やっても歌カラオケは上手くなりませんね。

理論的、科学的には正しいのかもしれないけど、なんか上手くいかないんですよね。

ボイトレって喉周りの筋肉筋肉の話とか、どうしても見えない話が多いじゃないですか。だから、理論的、科学的に正しくても、実際にはその筋肉筋肉とかにアクセスできなくて、できているつもりになっているんじゃないかと疑っています。

 

ミックスボイスが認知され始めたのが2000年頃の話について。たぶんWikipediaを鵜呑みにしたんだろうけど、ELEGANT VOICEやkissmusicと中立のサイトでも「なぜ、『ミックスボイス』という言葉は普及したのか?」の節で

 

それ以前はそんな用語や概念は歌手はもちろん一般的にも存在していなかった、もしくは一部のクラシックなどで「声区融合」という意味で使われていたとされています。

 

最初の「それ」が指すものは1990年代頃としています。

厳密にはあったのかもしれませんが、一般的になったという視点で見ると、おおよそ1990年代~2000年代と考えて良いかもしれません。

 

発声自体は存在していると書いていますが、中立のサイトによれば

 

そうすると、現在における声区の区分上は、ミックスボイスという”声区”は存在しないとされています。

 

 

これは1970年代、音声専門家の国際組織である『the Collegium Medicorum Theatri (CoMeT)』によって声区は4つに定義され、それが現在の定説となっているからです。

 

と書かれており、さらに

 

しかし、歌っている本人がどれだけミックスボイスという感覚を持っていたとしても、声区としては必ず「地声」か「裏声」で区分できる、という論文によってそれも否定されています↓

 

(中略)

ある意味、声区における『感覚』と『実際に起こっている現象』は分けて考えなければいけない、とも言えるのでしょう。

 

と書かれており、各種論文を引用して、ミックスボイスという発声があることを否定しています。

科学的根拠を基にしているのであれば、どの根拠を基にしているのでしょうか?どの論文でしょうか?

 

次にその根拠が書かれていました。

「声帯形状が平行に振動する状態が、いわゆるミックスボイスである」と、2014年にインゴ・ティッエ博士が発表しています。

その定義なんですね。Dr.Hと定義が違います。

 

たしかに、ミックスボイスを出している時は整体がまっすぐになったように見えますね。

強く閉鎖するって書いたけど、角度を変えて見てみると、地声や裏声の時のように切れ目で膨らませるのではなく、まっすぐにさせているようにも見えますね。だから強く閉まっているように見えたわけです。

 

ただ、ここで注意したいのが、インゴ・ティッエ博士はボイストレーナーではありません。

つまり、ミックスボイスを出している時の整体を観察して整体形状が平行に振動ギザギザしているのを発見しただけであり、整体形状を平行に振動ギザギザさせるとミックスボイスが出ますよ。とは言ってません。

言い換えると、ミックスボイスを出した人の整体を見てみると、たまたま、平行に振動ギザギザしているのを観察できただけだ。ということです。

つまり、歌カラオケが上手くなりたい人にとってはほとんど役に立たない知識であり、「ふーん」で終わってしまいます。

 

発声技法というよりも声帯振動である為、オペラだろうがロックやポップスだろうが、同じベクトルで語ることが出来るというわけです。

 

そうそう。この論文(書籍?)からだと発声法というよりは、状態を指しているだけなんですよね。

ちなみに、Dr.Hはこの状態をハイトーンボイス(スティールボイス?)とかって呼んでいたっけ。

論破するのであれば、きちんと相手が書いた文を読みましょう。

 

また、この定義で使う場合、「ミックスボイスが出せるようになる」とか「ミックスボイスを使っている」とかいう表現はおかしいことになります。技法ではなく状態なので、「ミックスボイスになる」とかの表現が正しいです。

ということは、両者の表現をミックスさせるミックスボイスだけにと、「ハイトーンボイス(スティールボイス?)を使ってミックスボイスになる」と表現できちゃいます。

 

次。ASKAさんがミックスボイスで歌ってカラオケいると言ったって話。

ボイトレを受けていないのであれば、本当にそれがミックスボイスなのかは疑う余地があります。ただ「ミックスボイス」とラベリングしただけかもしれません。

あれだよね。話は変わるけど、最近だと、少し熱が出ただけでコロナだって言うみたいな。

我々は医者じゃないので、診察してもらわないとコロナかどうかは分からないけど、なんか流行っているから、言葉だけ使っちゃう人、いますよね?

そんな感覚で大して知識もないのにミックスボイスだって言ったのではないかと。

 

話を戻すと、ASKAさんの整体を内視鏡で観察して整体形状が平行に振動ギザギザしていたことを確認できたわけでもないよね?(それでも厳密にはミックスボイスだと断定はできませんが)

kissmusic風の表現で「新たな呼吸ルートができたから」と説明したっていいわけです。

なので、論理的に考えるのであれば、ASKAさんがミックスボイスになったかどうかは定かではないので、何とでも言えることになります。だから、Dr.Hの発言が完全に覆されたことにはなりません。

 

ミックスボイス自体が詐欺というよりは、歌カラオケが上手くならないから詐欺なのでは?

というか

 

ミックスボイスは独学で習得が難しいのもまた事実です。

 

論破するどころか、論理が破綻していますよ。

ボイトレ受けたことない人が独学で習得が難しいミックスボイスになっているかどうかなんて判断しようがないじゃないですか。

そんな人が「ミックスボイス」になっているって言ったんだよね?だったら、単なるラベリングじゃないかな。

なんというか、流行りに乗って使ってみました的な。

 

もう1つありました。Dr.Hに個人的な恨みでもあるのかな?

さらにはDr.Hを迷惑系YouTuber呼ばわりですか。Dr.Hが書いた文章をろくに読みもせず、だいぶ失礼ですね。

 

晒されている動画カメラ、見てみました。うん。あれは歌カラオケが上手くなるには?という文脈で腹式呼吸、ミックスボイス、鼻腔共鳴は意味が無い(ナンセンス)だと言っているものです。

プロはボイストレーニングダンベルをしていないから、知っていても意味が無いとも考えられますね。

ASKAさんの例をあげてDr.Hを論破した気になっているかもしれませんが、ボイストレーニングダンベルを受けたことがないASKAさんがミックスボイスの何を知っているというのでしょうか?

単なるラベリングであれば、論破したことになりませんよ。

 

…と思ったら、嫌な予感が的中し、ATSUSHIさんとオーイシマサヨシさんを例にあげています。

ボイストレーニングダンベルを受けたことがない人が言うミックスボイスは当てにならないのに。

 

しかもオーイシマサヨシさんのところ。

 

私がオーイシマサヨシの発声を分類するなら、ミックスボイスよりパワフルな発声のベルティングです。

 

だったら、証拠を見せてください。

科学的なんですよね?だったら、オーイシマサヨシさんの整体とか、見せられますよね?

 

オーイシマサヨシは「ミックスボイスとは古くはハードロックの象徴だった」とも語っており、KISS MUSIC 平山氏の「ハードロックは地声ハイトーン」発言を真っ向から否定しています。

 

だーかーらー

ボイストレーニングダンベルを受けていない人が言うミックスボイスという言葉は当てにならないんだって。

そんな習得が難しいもの、勉強しているとは思えないし、このサイトでも定義が色々あるっていうから、思っているミックスボイスとは違うかもしれないのに。

定義が違う可能性を考えると、Dr.H(=平山氏)の発言を真っ向から否定しているともいえないんだよな。

Dr.Hはクラシック的な、地声と裏声を綺麗につなげることをミックスボイスと定義している一方、オーイシマサヨシさんはというと…

 

オーイシマサヨシは「地声と裏声をミックスしたものがミックスボイスという歌唱方法」であり、「裏声を地声っぽく出すのがミックスボイス」であると定義しています。

 

なんだよね?

というか、モロ「歌唱方法」って言っているじゃん。技法じゃなくて状態だっていう定義とも違うじゃん。エレさんともDr.Hとも違う定義だよ。

 

裏声を地声っぽく出すということについて。これには少々無理があって、このサイトでは

地声と裏声では、声帯の振動パターンが異なるのです。だから、低い声帯と高い声帯を同時に使って歌うことはできないのです。

と書かれており、必ず地声か裏声になります。オーイシマサヨシさんの感覚ではどちらでもないようですが、科学的には必ずどちらかになります。

で、これがもし地声になる場合、Dr.Hが言う地声ハイトーンと同義になります。

 

ディープ・パープルのハイトーンが地声だなんて言い張る人は、発声のアセスメント能力が著しく欠落しており、歌の指導者失格なんじゃ…
百歩譲って、地声でハイトーンが出せるとしても(事実、出せる人もいます)、声帯ポリープ等のリスクは考えないのでしょうか?

地声じゃないなら何でしょうか?

ディープ・パープルのハイトーン時の整体の内視鏡映像とともに解説してください。

地声じゃないって証拠、あるんでしょうか?

 

ポリープ等のリスク。これが出てくるということは、呼吸ルートの話を丸々すっとばして読んでいますね。

ろくにDr.Hが書いたことを読まずに勝手に論破したことになって気分いいんですかね?

 

ATSUSHIにしても、オーイシマサヨシにしても、「ミックスボイスは地声と裏声の間、地声と裏声をミックスしたもの」と解説しており、実際にポップス歌手が使用していることを語っています。

ここでまたおかしな表現発見。

ミックスボイスを使用しているってどういうことだ!?びっくり

インゴ・ティッエ博士の論文(書籍?)が根拠だったのに、それを逸脱してどうする!?びっくり

インゴ・ティッエ博士はミックスボイスは状態だとしか言ってないぞ。状態に使うも使わないもないからね。

 

で、ボイストレーニングダンベルを受けたことがないメジャーアーティストであれば、本人の感覚で好き勝手に定義しているだけなので、エレさんやDr.Hが思っているミックスボイスとは違う可能性もあるから、ミックスボイスを使用しているとはいっても、メジャーアーティストが(クラシック的な定義の)ミックスボイスを使用していることにはならないし、(インゴ・ティッエ博士の論文・書籍から定義した)ミックスボイスを使用していることにはならない。

 

 

ということで、全然論破されていませんね。

しかも論理が破綻して科学的じゃなくなっている。

まとめると、

  • そもそもミックスボイスの定義が両者で異なる
  • というか、メジャーアーティストのミックスボイスの定義とも違う(そもそも、ボイストレーニングダンベルを受けていないのであれば、浅い知識しかないので、ミックスボイスじゃないナニカ)
  • 定義が違うのに論破している気になっている
  • というか、Dr.Hが書いた文章をよく読んでいない。動画カメラも断片的なところだけ切り出している
  • 科学的根拠に基づいているのに、その根拠となる整体の状態を示そうとしない
  • 後半になると、最初に定義したミックスボイスとは違う定義をする(メジャーアーティストに引っ張られた?)

これのどーこが科学的論理的なんですかねー

 

あーちなみに。中立のサイトって書いたけど、Dr.H寄りでは?と勘違いされそうなので、別の記事も紹介しておく。

Dr.Hが否定していたスケール練習が重要だと書かれた記事があります。これこそ、真っ向からDr.Hに対抗していますね。

そんなサイトを参考にしたので、「中立」という表現にしました。