さて昨年久々に訪れた京都へ、ふたたび。
僕が憧れ、かつて2ヶ月だけ過ごした京都は、昨年の訪問時にはオーバーツーリズムに飲み込まれ、どの路地を曲がっても観光客に当たるという状態だった。
それから1年経たずして、このまちに閑古鳥が鳴くようになるなんて、誰が予想しただろう。
これがグローバリズムであり、世界的観光地の宿命だということを、改めて証明したわけでもある。
それはある人にとっては良いことで、ある人にとっては悪いことであるから、なかなかに複雑ではあるけれど。
僕がなんのために京都を訪れたかは置いておいて、1年ぶりの京都は、やっぱり心踊ってしまう。
それはきっと、手に入らない憧れ、なんだと思う。
人に対して憧れという感情をほとんど抱かない僕が、京都という土地には憧れるのだ。
誤解を恐れずに言えば、富士急-楽天-トコナツと20数年に渡り僕が、僕らが作り続けてきたものは、「今のところ」全てフェイクだ。
作ってきたいくつかの考え方やサービス、アトラクション、リゾート、商業施設は、10年以上の時を経て未だ現役のものも多くあり、多くの人々に愛されてものもある。
これはとてもとても嬉しいことで、とてもとても幸せなことだ。
だが京都はそういうレベルではない。
100年とか200年とかの時間を経たものでさえもちゃんちゃら新人ちゃんであったりして、ふと気付くと1000年という時間を経たものがその辺りに転がっていたり、建っていたり、鎮座されていたりする。
そこに僕は憧れる。
僕の作ったハードやソフトが1000年続くことは「今のところ」ない。
だが作りたい。
かと言って宮大工になるわけではない。
それは伝統を引き継ぐという素晴らしい技であるが、僕がやりたいのは新しいものを作り、それができるだけ長い時間、多くの人たちを楽しませるものだ。
このまちはいつも僕に新しい刺激をくれる。
そして今日もドキドキしながら、京のまちを歩いている。
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