先週アメリカの対テロ対策センター所長のジョー・ケント氏が辞任した際、トランプ大統領にイラン戦争を終わらせるよう呼びかける内容のレターを自分のXにアップして、アメリカメディアは大騒ぎになった。


ケント氏は元グリーンベレー(アメリカの特殊部隊)メンバーで、CIAの仕事もしていたし、軍事バリバリ専門。海軍で働いていた奥様はシリアで勤務中自爆テロに巻き込まれ亡くなってしまっているので、テロの脅威は身をもって知っている。しかもトランプさんのMAGA(Make America Great Again)の熱烈信望者だった。極右ではないかとか批判もありましたが、アメリカの対テロ対策の責任者としては適任と思われましたけど。


そのケント氏が、突然辞任。
「I cannot in good conscience support the ongoing war in Iran,」
(自分の良心に従って、イランとの戦争をもう支持できない)
「Iran posed no imminent threat to our nation, and it is clear that we started this war due to pressure from Israel and its powerful American lobby」
(イランはアメリカにとって差し迫った脅威ではない。我々がこの戦争を始めたのは、イスラエルとそれを支持する強力なアメリカ人のロビー活動による)
 

と辞任レターに書いてXに公表したので、やっぱりイスラエルがアメリカをイラン戦争に引きずりこんだんじゃないのか!?と、アメリカメディアは騒いでいました。


もっとも、その後、イスラエルのネタニヤフ首相はこの点を記者から質問されて「おい、おい、いったいどこの誰が、あのトランプ大統領を説き伏せたり、誘導したりできると思うのだね?」とコメントしていて。まあ、そう言われるとそうかなとも思えますね。

ケント氏の辞任レターの中には、
 

「This echo chamber was used to deceive you into believing that Iran posed an imminent threat to the United States, and that should you strike now, there was a clear path to victory,」
(このエコーチェンバーは、あなた(トランプ大統領)にイランがアメリカにとって差し迫った脅威であると信じ込ませ、今イランを攻撃すべきだ、それが確実に勝利に繋がると思い込ませたのだ)
 

という文章があり、「エコーチェンバー」というものの恐ろしさをあらためて感じました。
「エコーチェンバー」は、やまびこのように特定の主張だけで増幅されていく状態。
Wikiによれば
「エコーチェンバーの閉じた情報環境の内部にいる人間は、何度も同じ情報を見聞きするため、怪しい情報でも信じやすくなる。また、自分とは異なる考え方や価値観の違う人々との交流がなくなり、自分とは異なる意見やデマを訂正する情報も入らなくなる」

私も最近この「エコーチェンバー」の中に巻き込まれていないか⁉
 

いろいろ腹立つ事件があると、ついネットやYouTubeで関連情報を見てしまい、そうするとAIだかなんだかしらないけど、類似情報ばっかり目のつくよう挙げてくる。

SNSはエコーチェンバー増幅装置のようなもので。
YouTubeは特にそうで。
トランプさんはひどいという内容の動画を一回見ると、トランプさん批判の動画ばっかり、次々とYouTubeが「あなたへのおすすめ」で挙げてくる。
逆にイラン政権はひどいという内容の動画を見ると、イラン批判の動画ばっかり「おすすめ」にアップしてくる。
同じような方向性の、同じような論点の、しかもかなりセンセーショナルな内容の動画を見続けているうちに、「○○が悪い」という単一的な思い込みに頭が染められていく・・・。
こわいわー。
 

だから、私は、もうYouTubeの再生履歴は記憶させないように設定を変えました。
「正義」がどちらなのか、時々よくわからなくなる現代。
自分の意見を持つことは大事だと思うけど。
世の中にはいろいろな意見がある。いろいろな考え方がある。
いろいろ違って、それでいい。自分や他人を傷つけたり、害しないかぎり。
バラバラで、別にいい。
まあ、いろいろなんじゃない?
そんな風に、ゆる~く、構えていきたいものです。