ポジティブ心理学の第一人者であるイェール大学のローリー・サントス教授。大ファンです。彼女のポッドキャスト「The Happiness Lab」は更新されるのが楽しみなポッドキャストの1つ。先日は、認知症とウェルビーイングの関連性のついての内容が配信されました。

寿命が長くなるにつれ、認知症となる人の数も増え続けており、認知症の症状の進行を遅らせる薬は最近開発されましたが、認知症を治すことは現在の医療科学ではできません。ところが85歳以上の高齢者の3人に1人が認知症を発症するという予想がされているのです。
認知症を発症しないようにするためにはどうしらたよいか、認知症を発症したとしても、その進行を遅らせるためにはどうしたらよいかは、世界的な医学者、脳科学者の研究課題になっています。

そこにウェルビーイングの観点から認知症の症状を見た時、ウェルビーイングな生活を送ることで、認知症発症の確率を下げるという研究結果が報告されたそうなのです。

ウェルビーイング(Well-being)は、well(よい)とbeing(状態)からなる言葉で、世界保健機関(WHO)による定義では「個人や社会のよい状態。健康と同じように日常生活の一要素であり、社会的、経済的、環境的な状況によって決定される」となっています。つまり、人が自分の暮らしや人生に満足し心地よくいられる状態のことです。
ウェルビーイングは「心持ち」も大事ですが、その人の暮らしぶりや行動、習慣も重要です。

ウェルビーイングの満足度が高かった人の認知症発症の確率が低かった理由としては、以下のようなポイントが指摘できるということです。

  • 健康や食生活に気をつかっている。
  • 定期的に運動している。(激しい運動である必要はない。散歩などで十分)
  • 人との繋がりを感じる機会が多い。(ソーシャル・コネクション)
  • 感謝する習慣がある。
  • ハイクオリティの教育を受けている。あるいは現在進行形で何かを学んでいる。
  • アートや音楽、ダンスなど創作活動を行っている。


このうち「教育」の重要さというのは最近ウェルビーイングで注目されているポイントで、若年のうちにハイクオリティの教育を受けると学習する習慣が築かれて、その後の人生においても勉強することが習慣づけられていくそうです。

学校での勉強だけでなく、社会に出てからもわからない事を自ら調べたり、興味があることを深く勉強するなど、学習意欲を人生を通してキープできることが、ウェルビーイングでいることの柱の一つになるということなのです。学習は脳機能を活性化させるということ。

年を取ってから勉強を始めてももちろんよいのですが、勉強する習慣は学校に通っているうちに教育の場で身に付けたほうがよいので、若い頃にハイクオリティの教育を受けることは大変重要だそうです。
若い世代にとって認知症は遠い将来のリスクに思えるかもしれませんが、実は認知症予防の対策は若い頃の教育からスタートできるのですね。

もう若くないというアラフィフ世代にとっても、自分が興味のあることを深く調べたり、難しい漢字を学んだり、語学を学んだり、新しいソフトウェアの使い方を学ぶなど、学習する機会はけっこうあります。自分で自分に教育や学習の機会を与えていくことが、認知症予防にはとても重要だということです。

 

ということは。私の「好きになったらとことん調べる」オタクな習性とか、興味をもったら一つのテーマや対象に沼ってしまうことは、認知症予防にすごくよいのではないだろうか??

オタク、ばんさ~い!