アメリア・イアハートといえば、アメリカ人にとっては日本人の徳川埋蔵金みたいなものだと思っている私。

1937年南太平洋のパプアニューギニアあたりを飛行機で飛んでいる最中行方不明になり、アメリカ海軍は懸命に行方を捜したけれどまったく痕跡は発見できなかった。飛行機の破片さえも。
 

アメリアは女性パイロットの先駆者で愛機ロッキード・エレクトラで太平洋、大西洋飛んで、女性版リンドバーグと言われました。1932年に大西洋単独横断飛行に成功した世界初の女性パイロットです。かつ、そのスリムなスタイルと堂々と自分の意見を主張するカッコよさで当時の女性としては先進的な考え方を持ち、女性達の憧れでありました。
そんな彼女は、世界一周飛行の最中、1937年に南太平洋のハウランド島を目指して飛んでいる時に行方不明になり、どうなったのかわからず。おそらく島を見つけられず、燃料不足で海に墜落したと思われています。でも、彼女がどうなったのかわからない故に、いろいろな憶測と希望を呼び起こし(当時南太平洋を支配していた日本軍に捕虜にされた説まである!)、アメリカ人の永遠のアイドルのようになって、映画(私が知る限り2本アメリアの映画は作られているし、ナイトミュージアム2にも登場している)や本にもたびたび登場。アメリア・イアハートといえば、アメリカ人の心を射抜く存在なのです。
 

私は青木富貴子さんの『アメリアを探せ』というノンフィクションを読んで以来、アメリア・イアハートのファンです。そしてJane Medelsohnの『I was Amelia Earhart』というペーパーブックを読んで(これはフィクションです。名作だと思います。たぶん日本語には翻訳されていないと思う。)、アメリアへの憧れを募らせた私。彼女は一体どうなったのだろうなあとずっと思ってきました。

そんな彼女の飛行機が発見されたかも!?というニュースが飛び込んできたのが今年の1月。Deep Sea Visonというアメリカの海洋探索企業がインスタグラムでアメリアの飛行機の残骸の可能性がある物体を発見したということでソナー画像を公開しました。確かにアメリアの双発機のエレクトラに似ているような気もする・・・。沈んでいる位置もハウランド島の近く。しかし、水深4,877メートル!たとえアメリアの飛行機だとしても、引き揚げるのは至難の業では!?
 

Deep Sea Visionとしてはこれからソナー作業を重ねて確認作業を行っていくということで、今後どのような発表がされるか楽しみです。
もし、これが本当にアメリアの飛行機ならば、世紀の大発見!そしてアメリアはやはり海に墜落して命を落としたのか・・・と彼女の最後について結論がつくことになります。
 

一方で。もし、このソナー画像に捕らえられた飛行機がアメリアの飛行機でなかったとしたら?それは日本軍の飛行機かもしれないのです。形状からして零戦には見えないけれど。太平洋戦争中ラバウルは日本海軍飛行隊の一大拠点でしたから、零戦だけでなく、陸攻機や陸爆機や水偵機など他の飛行機もたくさん飛んでいて、かつ、アメリカ軍飛行機や軍艦によって撃ち落とされた飛行機は数知れず。そして「未帰還」となり、どうなったのか行方が知れないパイロットや飛行機も数知れず。もしかしたら南太平洋の底に沈んでいるのは、日本海軍の飛行機かもしれないなあとも思うのです。


科学は発達して、何光年も先の宇宙へ行けるようになった人類だけれど。たった4000メートル、5000メートルの先にある海の底には行くことができない。海の底に何が沈んでいるのかもはっきり把握できない。ハッブル宇宙望遠鏡で何億光年遠くの星の様子は把握できるのにね。
 

深海の底にたどり着くテクノロジーが開発されれば、アメリア・イアハートの飛行機のナゾを解くだけでなく、南太平洋の海に沈んだ「未帰還」の日本軍の飛行機たちの行方もわかるかなあ・・・。柳田邦男さんの『零戦燃ゆ』を読んでラバウル飛行隊の「未帰還」の多さに愕然とした私としては、アメリアの飛行機なのかどうかの解明もさることながら、海の底に沈んでいる零戦たちの行方もわかるかもしれないなあと、科学技術の進歩に期待してます。