京都や吉野の桜もいいけれど、ご近所、徒歩1時間以内で見に行ける桜もよいものです。

幸運なことに、私が住んでいる地域には、桜の銘木がたくさんあり、桜の季節はそれはもう美しく、儚く、楽しませてくれます。

しかし・・・見に行きたい桜が多すぎて、しかも、ソメイヨシノが満開になる頃は雨が多くて、なかなか。ご近所の桜さえ、全部は見れないのです。

そこで、最近、桜手帳をつけています。

 

散歩で行ける距離内で、毎年見に行きたいご近所桜の場所と、満開になる時期を記録しています。

桜といっても、種類が違うので、あの場所のあの桜はこの頃に満開になると記録しておくと、見忘れがなくなります。

ソメイヨシノが満開になる前に、早咲きの彼岸桜が咲いて、その次に白い枝垂れ桜が咲いて、ソメイヨシノが満開になる頃に、紅枝垂れ桜も満開になる。ソメイヨシノが散り始める頃、八重桜が満開になる。

あまり人が来ない、静かなお寺の裏道に、ソメイヨシノと紅枝垂れ桜の競演が見られたり。

古いお屋敷にぽってりと八重桜の大木が咲いていたり。

穴場の桜がたくさんあって、それらを訪ね歩いているうちに、桜の季節が終わります。

毎年、定番の桜を見に行って、おお、今年も見事に咲いているねえと感心します。

駒込の吉祥寺の紅枝垂れ桜、東大本郷キャンパスの赤門の八重桜は、必ず見に行くようにしています。

 

私はあと何回桜の季節を楽しむことができるだろうか。

その回数は50回を下回ることはほぼ確実で。

でも、私がこの世を去った後も、ご近所桜たちは、きっと、ずっと、咲き続けていくのだろうなあと思うと、桜はすぐ散って儚いというけれど、桜からみれば、短い生命を生きる人間の方が儚い生物に思えるだろうなあ。

そんなことを思いながら。桜手帳をつけて、毎年の春を楽しんでいます。