El Rayo-X - David Lindley(1981)


デヴィッド・リンドレーといえば、弦楽器の職人。

1944年、カリフォルニア州サンマリノに生まれる。

フィドル、バンジョー、スティール、リュート、ブズーキ、ギター・・・

あらゆる弦楽器を情緒豊かに弾きこなし、ジャクソン・ブラウンとのコラボ時代が、

印象深く、カントリー・ロックのイメージを持ちます。

でも、それは、彼の音楽活動の一部であり、実は、ジャンルの幅を考えるとワールドワイド。

20代前半頃、結成したバンド、カレイドスコープは、

67年に、ファースト・アルバム「サイド・トリップス」をリリース。

バンドの中心的存在だったリンドレーの音楽的思考、

ワールド・ミュージック的な旋律を取り入れたサイケデリック・ポップなアルバム。

フォーク、ブルース、カントリー、クラシック、ジャズ、

あらゆるジャンルが取り入れられているのだそうです。

私は、2曲くらいyoutubeで聴いたくらいなので、全体的な印象はわからないのですが、

確かに、サイケデリック・ポップというのは、わかりました。








そういえば、レッド・ツェッペリンのジミーペイジが、

ギターをバイオリンの弓で弾くスタイル・・・これは、元々、カレイドスコープで、

リンドレーがやっていたことなのだそう。

(弦楽器を弾きこなす、マルチなリンドレーならではかも)

ペイジは、カレイドスコープのファンでリンドレーをリスペクトしていた。

二人とも音楽的思考には、通じるもがあるかもしれませんね。

カレイドスコープ・・いくつかの作品をリリースして71年に解散。

そして、ジャクソン・ブラウンとの出会い。

JBとのコラボは、2作目のアルバム『フォー・エヴリマン』(1973)から

5作目の『ホールド・アウト』(1980)まで続きます。

一般的には、この間の印象が色濃いんですよね。

私もその一人です。







『ホールド・アウト』後、ジャクソン・ブラウンのプロデュースで、作製されたのが

今日、ご紹介する、『El Rayo-X』(1981)

・・・デヴィッド・リンドレーのソロ・デビュー作です。

邦題は、「化けもの」

親日家のリンドレーが自ら付けた日本語タイトル。

アルバムジャケットの彼は、裃を着ているんです(・∀・)

アルバムの印象は、解説から引用すると・・・


「レゲエのリズムを基本にした、アメリカン・トラディショナル、メキシコ音楽、カリプソ、

更に沖縄音楽や中南米音楽のリズムや旋律らしきものまで盛り込まれた摩訶不思議な

ワールド・ミュージック感覚満載のR&Rアルバム」


彼の歌声は、個性的で愛嬌のあるハイトーン。

キュートで癒しがあります。

ジャクソン・ブラウン時代の曲「ステイ」でのハイトーンが思い出されるんです(笑)

ワールド・ミュージック・・・リンドレー・マジック♪

私は、たまらなく好きです(*^.^*)

あれこれ、ご紹介したいのですが、今日はこの4曲をお聴きください。





『She Took off My Romeos』
Words & Music by Bob Frizz Fuller

アルバムは、いきなりこんな曲から(笑)
リズムは琉球民謡調。
ジャクソン時代からは、想像できない展開です(笑)
でも‘フゥゥ~♪’って、コーラス。
聴き覚えありませんか?








『Twist and Shout』
(Original Title “Shake It Up Baby”)
Words & Music by Bert Russell and Phil Medley


ビートルズのカバーで知られる曲。
元々は、1961年にフィル・スペクターのプロデュースで
トップ・ノーツというグループがリリースした曲です。
リンドレーは、見事に、レゲエ調にアレンジ(・∀・)
シェキナ~ベイベ~♪








『Mercury Blues』
Words & Music by K.C.Douglas

オリジナルは、K.C.ダグラスのブルース・ナンバー。
リンドレーは、アルバムからのスタジオ版もイイんですが、私は、ライブが好きです。
リンドレー率いるエル・ラーヨ・エキスのライブ映像。
みんな自由でノリノリ(笑)リンドレーのラップ・スティールがカッコイイ♪
エンジン全開!(笑)








『El Rayo-X』
Words & Music by Devid Lindley and Jorge Calderon

アルバム12曲のうち2曲が共作でオリジナル・・そのうちの1曲。
このアルバムには、キングクリムゾンにいたこともあるイアン・ウォーレス(ドラムス)、
リトル・フィートのビル・ペイン(ベース)、ザ・バンドのガース・ハドソン(ホーンズ)
も参加していて、リンドレーと一緒に、ラテン、南国カラーの演奏を披露。
この曲では、ガース・ハドソンのサックスが私的にはお気に入り♪
陽気で愉しい曲。