一年の感謝を込めて | 一般社団法人民間災害時動物救済本部(CDCA)

当会のブログをご覧いただいている皆さまへ

 

まずはじめに、

年末の大変な折、「緊急のお願い!」CDCAレスキュー号の修理代にお気持ちを託してくださった皆さま、記事のシェアなどご協力くださった皆さまにはこの場をお借りして心より感謝申し上げます。

 

修理に持ち込むまでに、エンジンがかからなくなるという事態が一度ありましたが、診断の結果、異常も見当たらないということで、当初予定していた修理を無時に終え、滞りなくお支払いも完了いたしました。

これも全て支えてくださった皆さまのおかげです。

まずは来年6月の車検を無事に乗り越えてほしいと思います。

 

 

本来であれば、本日31日(土)は福島県飯舘村で給餌・捕獲・保護活動を行っている予定でしたが、28日(水)夜の緊急捕獲要請に向かったメンバーが都内の現場で捕獲中に怪我をし、ハンドルが握れないため、一週間活動を延期させていただくことになりました。

 

年末のご多忙な時期に、飯舘村の子供たちのためにご支援いただいた皆さまには心よりお詫び申し上げます。

ご手配いただきました物資につきましては、次回活動時に役立たせていただく予定です。

どうかお許しくださいませ。

 

そして、

今年こそは人にも動物にも、そして、環境にも穏やかな一年でありますようにと願って始まった一年ですが、3月の福島県沖地震に始まり、9月の台風15号災害(静岡県)など、今年も自然災害が続く年となりました。

 

特に雨の多い梅雨時から台風が発生する10月くらいまでは、線状降水帯などが頻繁に発生し、短時間で各地に豪雨をもたらすようになり、毎日天気予報とにらめっこしながら、その地に住む人々や動物たちの無事を祈り、救いの手が必要であれば対応できるようにと目を離さずにはいられませんでした。

 

 

昨年も書かせていただきましたが、豪雨や台風など、気象庁の予報を注視していれば被害を最小限に防ぐことができる災害と突然やってくる地震のような災害があることをお伝えいたしました。

 

大切なペットの命を守ることができるのは飼い主さんだけです。

 

 

事前に気象庁の予報を注視していれば最小限の被害に防ぐことができる豪雨や台風については、特に寝ている間に水かさが増え、気付いた時には避難できない状況に陥っていることが多いため、日頃からボランティアさん仲間やワンちゃんのお散歩仲間、親戚の方などと万一のことを想定し、浸水や土砂災害の影響を受けないようなところにお住まいの方に緊急的に一時預かりをお願いできるような状況を構築しておくこと、明るく足元の見える時間帯の間に避難を完了しておくことが大切です。

 

 

また、突然やってくる地震災害については、環境省のHPを参考にしていただき、日々の備えが大切なことはもちろんですが、飼い主さん不在の留守宅で地震が発生した時のことを想定し、飼い主さんが帰宅困難になったとしても、電気が不通になったとしても、ごはんやお水に困らないような給餌方法を検討していただくことも必要だと思います。

そして、物流がストップした時に備え、療法食などのフードやお水、トイレ用品の備蓄に加え、普段から使用しているお薬なども余分に備蓄しておくことをお勧めいたします。

 

 

また、猫ちゃんについては、災害時に迷子捜索を行っていくなかで毎回思うことなのですが、災害発生後、外にいる子が壊れた家屋から逃れた子なのか、もともとお外で暮らしていた子なのか、首輪が付いていない子では判断がとても難しいです。

 

さらに、飼い猫ちゃんの場合は不妊去勢済であっても耳カットされていない子もおり、不妊去勢済かどうかを耳カットだけで判断することもできません。

 

賛否両論、ご意見はいろいろあるかと思いますが、災害現場で迷子捜索をする立場として、改めてマイクロチップの必要性を強く感じております。

 

【参考】

 

 

 

今年に入りご相談が増えた案件として、ご高齢の方や単身者の方の緊急入院によるワンちゃん、猫ちゃんの保護依頼です。

 

意識がある状態で入院される場合には、家に取り残された子たちを誰かに伝言、託すこともできるかもしれませんが、救急搬送時はそうではない場合の方が多く、誰にも気づかれないまま、自宅にとり残された子たちは、突然飼い主さんが戻らなくなった不安、暑さ、寒さの中で飢えに苦しみながら息絶えてしまうのです。

当会では「人災」と捉えて、このような現場も捕獲、保護のお手伝いを行っています。

実際に今月28日に入った現場も、あまりにも残酷且つ、悲惨な状況で、レスキューに向かったメンバーの報告の声も震えていました。

 

飼い主さんが大切にされている犬や猫などのペットに無残な死を遂げさせないためにも、ご高齢者や障がいをお持ちの方、単身者の方などでヘルパーさんや他の方の介助が無ければ生活が成り立たないご家庭を訪問した際に、ペットを飼われている状況を目にした場合には、民間の介護サービス会社、行政、ボランティア団体、親族などと情報を共有し、大事に至る前から日々対策を講じておくことによって、緊急時に人の支援に関わる行政も動物ボランティア団体もバタバタすることもなく、結果として、「物言えぬ、自ら助けの声をあげることができないペットの大切な命」を守ることにつながり、命を取り留め意識が戻られた飼い主さんの心の負担、後悔の念に苛まれることを減らすことができるのではないでしょうか。

 

このような案件については、高齢化社会を迎え、今後、社会的に大きな問題になっていくかもしれません。

 

また、災害現場でも他県からお手伝いに入った人のボランティアさんにより、避難せずに自宅に留まっているお宅へお手伝いで訪問し、多頭飼育崩壊に近い、適正飼育がなされていない異常な状態を目にされて、当会へご相談が入ってくる場合があります。

 

これらも、災害が起きていない平時に、どれだけ関係者が情報共有し、小さな芽のうち日々対応することができるか。

見て見ぬ振りをしていると、災害発生時にあぶり出されます。

 

 

人災・・・

被害を拡大させないためにどうするか・・・

まずは、これ以上幸せになれない子たちを増やさないために、不妊去勢手術の徹底です。

 

そして、厳しいようですが、自立して生活ができない方、人の手、介助が必要な方に、譲渡をしないことです。

 

そのためにも、譲渡の際には適正な審査、譲渡条件が必要です。

 

但し、自立されているご高齢の方に関しては、猫ちゃんが高齢であったり、里親希望者さまに、しっかりとした後継人の方がいらっしゃって同意書をいただけるのであれば、この限りではないと個人的には考えます。

 

サービス停止となった「面倒な審査やトライアルもなく、月額380円で保護猫を譲るり受けられる「ねこホーダイ」は論外です。

 

 

お話を戻しますが、近年発生している自然災害は、いつ、どこで起きてもおかしくありません。

 

明日は我が身ととらえ、どこかで災害が発生した際には、自分自身が被災した場合を想定し、イメージして、命を守る備え(住環境・避難場所・避難ルート・物資)を万全にしましょう。

 

家族の一員であるペットの命を守るためには、まずは飼い主さん自身が生き延びること。

飼い主さんの命あってこそ、迷子になってしまった子たちを捜してあげることができるのです。

 

そして、災害時に幸せになれない命を増やさないためにも、体調に無理のない範囲で不妊去勢手術を行っていただきたいと切に願います。

不妊去勢手術を行った際には、上記理由からもマイクロチップの装着、耳カットをご検討いただけますようお願い申し上げます。

 

 

当会を立ち上げた大きな理由は、飯舘村の子どもたちを応援してくださっているご支援者の皆さまのお住まいの地で災害が起きてしまった時に、何もできずに見守るだけではなく、避難所の中で、一緒に避難できずに心を痛めている飼い主さまに寄り添い、少しでもお役に立つことができればと言う思いからです。

 

また、飼い主さんがいない、お外の世界で頑張っている子どもたちが手のひらからこぼれ落ちてしまわないように、救いの手を差し伸べることができればと思っております。

 

 

災害が起きないことが一番の願いですが、万一の時には猫ちゃんのロゴマークのCDCAを思い出しSOSを発信してください。

 

 

この一年、当会の活動にご賛同いただき、物資・ご寄付を託してくださったご支援者の皆さま

当会の記事をシェア、拡散してくださった皆さま

熱海の活動でお世話になっている愛ちゃん&しんちゃん

福島県沖地震、飯舘村の活動でお世話になった飯舘村のSさま、ボランティアのTさま、Sさまご夫妻、ボランティアのダブルKさま、ぼんぼんのタコさま

台風15号災害(静岡県)でお世話になったAさまご夫妻、静岡県ボランティア本部・情報センターの皆さま

保護っ子ちゃんたちの預かりさま、里親さま、

動物病院のスタッフの皆さま、

仕分け積込メンバーの皆さま、現地入りメンバーの皆さま

 

コロナ禍に加え、物価高の中、様々な形でお力添えを賜り、今年も一年大変お世話になりました。

来年も同じ想いの方とできることをつなげて、足りないところを補い合いながら、より多くの命をつなぐことができるよう愚直に精進してまいります。

 

「動物に対する思い」

「人に対する気遣い」

「あきらめない気持ち」

「継続する強い意志」

 

今年は活動する中で、同じ想いを持つ信頼できるボランティアさんの存在を改めて実感した年でもありました。

 

来年もご指導ご鞭撻、お力添えを賜りますようどうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

コロナ禍、どうか一層ご自愛いただき、良いお年をお迎えくださいませ。

 

一年の感謝を込めて。

 

一般社団法人民間災害時動物救済本部

(CDCA)

代表理事 西澤  ひと美

 

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