出会いその2
ワタシがひとりになった途端、チラリチラリとこちらを気にしていたポン太郎がすぐに近寄ってきた。
「Hi, 僕はポン太郎。何書いてんの?」
「Hi....., natsuminです。英語勉強しようと思って、ランゲージエクスチェンジの募集チラシ作ってるの」
この時は、ポン太郎のクラスまで相談しに行った日本人女子がしばらくトイレから帰ってこなくて、家族構成とかに至るまで自己紹介し合うことになった。
「この学校に来る前に語学学校に行ってて、そこで出来た日本人の友達がたくさんいるんだ....僕の親友の男の子は日本人なんだよ」
とニコニコ語るポン太郎。
この時は奴が所謂「アジフェチ」、アジア女子好きだってのはまだ気付かなかった。
彼はお尻のポケットからゼブラ柄の財布を出して、中に入ってた小さい写真とプリクラだらけの小さな小さなプラスティックのファイルみたいなものを見せてくれた。
中にはまだ5,6歳の女の子と、小さな赤ちゃんの写真がいっぱいあった。
10代と見まがうポン太郎だったが、まさかと思いつつワタシはカマかけで
「この子達ってあなたの子供?」
と思い切って何気なく聞いてみた。
ちょっと逡巡したポン太郎は、恥ずかしそうに女の子の方を指さし、
「これは、僕の姪で.....」
と言って間を置き、赤ん坊を指さして
「こっちは僕の息子」
と言った。
はうっ!?( ̄ロ ̄lll)
け......結婚してるのか?こんなベイビーフェイスで?
しかも息子?子供までいるっ。
どー見ても自分が子供みたいなクセっ!
ワタシの新しい出会いへの期待は頭の上でパンパンに膨れあがった直後にガラガラガラと音を立てて無惨にも崩れていった。
でもそんな気配を微塵も出さず、フツーに友好的に会話を続けた。
「へえ、あなたお父さんなのね。信じられない」
彼は恥ずかしそうに目を伏せて笑っていた。
「子供はいくつなの?」
「2歳だよ」
その頃、ワタシにも4歳と1歳の姪がいたので
「ああ、いちばん可愛い年頃だね」
と言ったら、ポン太郎はクシャクシャに相好を崩して
「Yeah~~~」
と嬉しそうに笑った。
あ、こりゃダメだ、家庭人だわ......と感じた瞬間だった。
「でも子供は母国にいるから、もう何ヶ月も会ってないんだ」
「そう.....子供と会えなくて淋しい?」
「うん、とってもね」
と顔を曇らすポン太郎。
付け入る隙なし。
ハイ出会い消滅決定!!!
ワタシは最初に交わした会話で、ポン太郎を速攻諦めた。
そして、その後は学校のどこかで会う度に
「Hi」
と言い合い、ちょっと話すだけの「ハイフレンズ」状態がひと月続いた。
実はその間、彼のワタシに対する興味はかなり感じていたものの、彼が結婚してるのか独身なのか、彼女はいるのかというステイタスがイマイチよく分かってなかったので、家庭があっても他の女にチョッカイを出せるお国柄の人なのかも知れない.....と一定の距離を置き、ワタシからは全く彼への距離を縮めることはなかった。
そうしてそうこうする間、クラスメイトのスペイン人男子に好意を寄せられて試しに何度か出かけたり、ランゲージエクスチェンジの相手である日本語を学ぶ大学生男子と会うようになり(こちらは全く色気抜き)、ボチボチ友達も出来て忙しくなってきたが、相変わらず心の中は日本で別れた元彼のことでいっぱいで、ひとりになると毎日のように彼を思い出しては泣いていた。
そんなひと月後。
ポン太郎とワタシの距離を一気に縮める事件が勃発した。
「Hi, 僕はポン太郎。何書いてんの?」
「Hi....., natsuminです。英語勉強しようと思って、ランゲージエクスチェンジの募集チラシ作ってるの」
この時は、ポン太郎のクラスまで相談しに行った日本人女子がしばらくトイレから帰ってこなくて、家族構成とかに至るまで自己紹介し合うことになった。
「この学校に来る前に語学学校に行ってて、そこで出来た日本人の友達がたくさんいるんだ....僕の親友の男の子は日本人なんだよ」
とニコニコ語るポン太郎。
この時は奴が所謂「アジフェチ」、アジア女子好きだってのはまだ気付かなかった。
彼はお尻のポケットからゼブラ柄の財布を出して、中に入ってた小さい写真とプリクラだらけの小さな小さなプラスティックのファイルみたいなものを見せてくれた。
中にはまだ5,6歳の女の子と、小さな赤ちゃんの写真がいっぱいあった。
10代と見まがうポン太郎だったが、まさかと思いつつワタシはカマかけで
「この子達ってあなたの子供?」
と思い切って何気なく聞いてみた。
ちょっと逡巡したポン太郎は、恥ずかしそうに女の子の方を指さし、
「これは、僕の姪で.....」
と言って間を置き、赤ん坊を指さして
「こっちは僕の息子」
と言った。
はうっ!?( ̄ロ ̄lll)
け......結婚してるのか?こんなベイビーフェイスで?
しかも息子?子供までいるっ。
どー見ても自分が子供みたいなクセっ!
ワタシの新しい出会いへの期待は頭の上でパンパンに膨れあがった直後にガラガラガラと音を立てて無惨にも崩れていった。
でもそんな気配を微塵も出さず、フツーに友好的に会話を続けた。
「へえ、あなたお父さんなのね。信じられない」
彼は恥ずかしそうに目を伏せて笑っていた。
「子供はいくつなの?」
「2歳だよ」
その頃、ワタシにも4歳と1歳の姪がいたので
「ああ、いちばん可愛い年頃だね」
と言ったら、ポン太郎はクシャクシャに相好を崩して
「Yeah~~~」
と嬉しそうに笑った。
あ、こりゃダメだ、家庭人だわ......と感じた瞬間だった。
「でも子供は母国にいるから、もう何ヶ月も会ってないんだ」
「そう.....子供と会えなくて淋しい?」
「うん、とってもね」
と顔を曇らすポン太郎。
付け入る隙なし。
ハイ出会い消滅決定!!!
ワタシは最初に交わした会話で、ポン太郎を速攻諦めた。
そして、その後は学校のどこかで会う度に
「Hi」
と言い合い、ちょっと話すだけの「ハイフレンズ」状態がひと月続いた。
実はその間、彼のワタシに対する興味はかなり感じていたものの、彼が結婚してるのか独身なのか、彼女はいるのかというステイタスがイマイチよく分かってなかったので、家庭があっても他の女にチョッカイを出せるお国柄の人なのかも知れない.....と一定の距離を置き、ワタシからは全く彼への距離を縮めることはなかった。
そうしてそうこうする間、クラスメイトのスペイン人男子に好意を寄せられて試しに何度か出かけたり、ランゲージエクスチェンジの相手である日本語を学ぶ大学生男子と会うようになり(こちらは全く色気抜き)、ボチボチ友達も出来て忙しくなってきたが、相変わらず心の中は日本で別れた元彼のことでいっぱいで、ひとりになると毎日のように彼を思い出しては泣いていた。
そんなひと月後。
ポン太郎とワタシの距離を一気に縮める事件が勃発した。