つづき


この答えに導こうとしたわけじゃない。単純に芝居というものに慣れてないから、あと数回稽古したら大丈夫だろうって、シンプルに思ってたから言った。しかし彼はとてもスマートだったから、たくさん気づいてくれた。


そんなことを一緒に悩みながら解決しながら、私が伝えられることを伝えていきたかった。


こうやってやってみたら?とか口で言うのはできるんだけど、やり方がわからないとか想像がつかないときもある。これが正解、ということではなく、こんなやり方もあるんだよって、いくつか実演してやってみるっていうのも、演劇をやったことないみんなにとっては、分かりやすいもしくは殻を破りやすいんだなって思った。


たとえば誰かに追われて逃げるシーン。日常でキャー!とか助けてー!っていう機会ってそんなにない。


そこで必死で逃げる人を実演し、それを本気で追いかけてきてもらう。人は必死であると傍から見てると面白い。でもこれは命懸けのシーンなんだと、いわゆるごっこ遊びに私が”受け手”として参加する。


ここまでやっていいんだ、これだけやっても恥ずかいことじゃないんだ、って体感してもらう。


これは劇団の研究所時代、尊敬する俳優さんが私たちの凝り固まってしまった芝居を”なんでも受ける”という形で実演してくれたことで、私はすごく自由になれた経験からきてる。


これが正解ですと示さないように、でもこんな自由なやり方もあるんだよ、正解なんてないんだよと、思ってもらいたかった。


そして初めての通し稽古。いろんな問題は起きるけど素敵だった。しっかり問題点を言葉にして、クラスで共有する委員長や先生。本当にいいクラスだなぁ。


そしてそれぞれが課題を持ち帰り、次の日、本番前最後のリハーサル。


めちゃくちゃ!よかった!!!何がいいって、集中力が素晴らしかった。舞台上にいる喋っていない人たちも。それが真ん中の人を助けるんだ、お客さんの焦点を集めるんだって、つくづく学ばせてもらった。


学生の成長スピードはすごい。細かいことはいろいろあるけど、いい!とにかく自信もって挑んでくれ!堂々と立てることって一番すごいことだから!恥じらいや怖さを捨てて舞台に立つ、それができるだけで普通じゃないんだから。それが楽しめたらなおすごい。それだけを感じてほしかった。


そして本番の1回目。


もう…めちゃくちゃ素晴らしかった!一生懸命にそこで生きようと頑張っている姿が尊くて、喋ってない人の集中力もすごくて、一枚皮が向けて、役を演じるということに挑み始めて、楽しみを感じているみんながそこにいて、お客さんもすごく集中してて。私はみんなのことを心から誇りに思った。


終演後、成長と成長を間近で見て泣く私(笑)

心配してくれるみんな(笑)

なんでなん(笑)

どっちが学生だろう(笑)


たった数日しか一緒じゃなかったのに、ほとんどのことはみんなが自分たちで頑張ってやってきて、私は少しだけ乗っからせてもらっただけなのに、なんでなん、だよね(笑)


あなたたちが誇らしくて愛おしくて、です。


人に何かを教えるっていうのは、自分自身の学びに直結してることをつくづく。


演劇が楽しいと思ってもらえてたらいいな。


まだまだ若い高校2年生。私はその年齢のときまだ演劇に出会ってもいなかったよ。


これから何にでもなれる。

どんな未来も描ける。

どんなこともできるからね。


あなたたちの未来が輝かしいものであることを、心の底から願っています。人生に少しだけでも関われて嬉しかったな。


みんな、ありがとう!!!


そしてなんと、学校全体で2位を取ったよ!と聞いて、初めて実感をもってこの英語を言いたくなった!


I'm proud of you guys!!!!👏





順位が全てじゃない。でも頑張ったからこそ結果がついてきたって私が励まされました、本当に。


ただの文化祭じゃない。こういう小さな成功体験を大切にして生きていってほしい。芝居の道じゃなくても、どんな生き方にも応用できると思うから。


自分の経験を利用して人に何かを伝えるということ、最近はどんどんしていきたいと思えるようになってきました。


実は来月は大阪の母校で講演会がある。これも学生に向けてのものだ。


自分がワクワクする方向に進んでね。


その言葉に説得力をもつために、私も自分がワクワクする方向に挑戦していきます。


さぁまずは、まもなくの主催ライブ!


私もワクワクするな。

がんばるぞ。


橋本菜摘