​やっほー人類!


 タイトルに「逆ギレ」などと強い言葉を入れるとクリック率が上がるのではないかという魂胆でタイトルをつけてみた今日この頃。


 「逆ギレ」とはどういう意味であろうか。なんとなく理不尽にキレられる時に使えば良い言葉であろうか。


 「逆ギレとは」と調べたら意味や由来が色々出てきて、あら大変。逆ギレの意味は何だっていいんだ。


 今日の話題は過剰な要求をしてくるお客さんのワガママを断ったら、「もう来なくていい!」と言われたという話である。


スター


 主に高齢者向け、もしくは何かしらの疾患で自力での外出が困難な人向けに自宅に訪問してマッサージや昨日訓練などをする仕事をしている。


 私の仕事は「マッサージ及び機能訓練をする」だけのはずだった。


 それがいつしか、「湿布貼って欲しいんだけど」「背中に薬を塗って欲しい」「(月の変わり目に)カレンダーをめくって」「米が届いたから台所に運んで欲しい」「テレビのリモコンの電池が切れたんだけど、電池を入れるところ蓋が開かない!」「これはどの充電器を使えば良いんじゃい?」「孫がラインてやつで写真送ってきたんだけど見れなくなっちゃった(ホゾンキカンガシュウリョウシマシター助けてー)」


 前提として、相手は歩くのが難しかったり、麻痺があったりと日常生活に不自由さがある人たち。一人暮らしの人も多い。


 だから湿布くらいは貼ってあげたって良いし、あんなに危なっかしく台に乗ってカレンダーをめくるくらいなら私がやった方が良いし、リモコンの電池の蓋を開けるくらいはしたって良い。


 基準はきっと「その場で時間をかけずに出来ること」くらいはしたって良い。


 だけどそんなことをしていた結果。ほんとうに一部の人ではあるが「買い物をしてきて欲しい」と言われることがある。


 だけれど私はお人好し。「ほんとはダメですよ」と言いながら買い物をしてきてしまっていたことがこれまでに何度もあった。


 いや、お人好しというよりかはただの「断れない人」であった。断るのが面倒なので買い物も頼まれたら「業務外」「なんだか面倒」と思いながらもしていってあげてしまっていた。


 目の前の人がやって欲しいことをする。この対応が決して間違っているわけではない。


車


 けれどそんなお人好しが高じた結果がこれだ。


 ある利用者さんに「今度さ、あなたが休みの日に動物園に連れて行って。」と言われる。返事をする前に畳みかけるように「◯日が良い!」と日付まで指定してくる。


 この方は普段から、なんていうかな、どうもわがままでねえ。他の介護関係者に対する悪口もすごいし、まあ色々大変。


 だが私はとても穏やか、優しい、平和主義。だからちゃんといつも笑顔を向けていた。正直この人の家に行くのはいつも憂鬱である。だけど、仕事だからあ!仕方ないよ!対応面倒だけど行くよ!(あーあー悪口がとまらない)


 (私が優しくしているのは、仕事だからな。)と言いたいのを我慢して毎週訪問をし続けていた。


 少し前にはうちの会社の人が何かの用事でその利用者さんに電話をした際、利用者さん的には気に食わないことを言われたらしく、私に文句を言ってきた。


 「おれ、客だよ。もっと丁寧に扱って欲しいよ。」だと。


 マジでうるせえ。どうかしてるぜえ!客って言ったってな、お前(医療扶助につき)1円も払ってないくせによ、態度だけデカいんじゃー!市役所のケースワーカーもケアマネも呆れてるんだよ。


 そこからは私の会社への悪口。それでも私は穏やかに徹した。すると相手はヘラヘラして「俺の気持ちわかってくれるだろう」と言ってくる。


 はい残念!私はあなたにつきません。会社の悪口を言われている時点であなたの側にはつけません。


 私がヘラヘラしているせいでつくりあげてしまった客の言動ではある。だがしかし、こいつはそろそろどうにかしなくてはならない。


 という前提があった利用者さん。


 話を戻そう。私は遂にこのお客さんに動物園に誘われた。「デートをしようよ」と。「◯◯さん、そんなに歩けなくない?」と聞くと、相手はいう。「車いす貸してもらえるからそれで押してよ!」「朝おれの家まで車で迎えにきてくれたら良いから。」


 えーーーーーーーー、、、


 無理、拒否、却下。


 シンプルに嫌である。何故、私が休みの日に、早起きして、車を出して、ガソリンも今高いんだよ!、あなたの話を優しく傾聴しながら動物園まで運転して、車イスをレンタルして、動物園の見学をして、当然飯も連れて行け!、


 だいぶ重労働である。あぁ面倒だ。

 

 だけども断るのはまた別の意味で面倒である。


 だから一旦「わかりました。」と言ってしまった。だけど考えるにつけ「面倒だ」。というか短距離の杖歩行がやっとの人を連れ歩くリスク、業務外、そんなことする必要はない。


 翌週また言われた。「ねえ、動物園、約束だよ。」


 だっる。


 まともに考えた末、断ることにした。「◯◯さんさ、そんなに歩けないし、体調面考えたら不安だからやめておこう。」


 ヌルい断り方である。


 「嫌だ、行く!」と言われる。だっる。

マジなトーンで断って空気が悪くなることを恐れた私は、謎に変な理由をつけて言う。「その日彼氏とデートだから、ごめん。」


 そのままヘラヘラして、何かを言われたらそれなりに適当に流して、なんとかその日の施術を終える。


 そしてまた言われる。「行こうよ。頑張って歩くから。」


 あぁもう無理。うるせえ。仏、ついに少し強めに言う。


 「ごめん、あんまり業務外のことはしたくない。身体を拭いて欲しいとか、買い物も頼まれたらやってたけどさ、これからはそんなに何でもかんでも、もう出来ない。どこまですれば良いの?」とテンション低めに言ってその日は帰った。


 そして、数日後携帯に連絡がきた内容は「しばらく休みでお願いします。」とのこと。


 どうやら機嫌を損ねたらしい。利用者さん怒である。「休み」とは言っているがもう来なくて良いようである。来週別会社の体験利用をすると言っていた。


 どういう対応をすれば良かったのかは分からないが、いずれにしろ今までの私の対応の積み重ねですでに詰んでいたので、まあこれは今からどうにかなるものではなさそうで。


 だけどね。正直助かったと思った。「休みで」と言われた時、ほっとした。


 そーいえば前から言ってたな。「何かあったらいつだってやめてやる!他の会社にする。」と。


 その調子でデイも数ヶ月ごとにコロコロ変えているそうではないか。「飯がまずい」とか「職員が気に食わない」とかまあよく言うよ。どこにいってもそれじゃあ続かないって。もう度を超えてわがまま過ぎるぜ。


 私がどうも優しくしすぎたせいで、随分気に入られてしまっていたけれど。ついに仏面をやめて、相手からの要求を断った。そうしたらようやく相手も断ってくれた。ありがとう。


 利用者さん側が会社を選ぶ権利があるなら、こっちも客を選んで良いかい?会社には言ったよ。「売上減りました。さーせん!」そうしたら、「あの人、もういいよ。ケアマネとも話ついてるから。」と言われた。


 「断れない」「優しすぎる」をやめてみた。そうしたら売上が減った。だけどストレスが1件減った。だからこれで良い。


 これで良いということにしよう。おーわり。じゃあねー人類、人に優しくし過ぎるとヤバいやつにデートに誘われるから気をつけて暮らしてね。