足利とトーハク(新撰組と古備前に長船を添えて) | 日々此好日-日本って素晴らしい-

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さんざんいろいろ悩んだのですが、やっぱり行ってきてしまいました。
栃木県足利市。
足利氏始まりの地。
そして近くて遠い(ような気がしていた…)電車で1時間ちょっとの場所。
で、今回なんで行ってきたか、というと、加州清光と大和守安定に会いたかったからです。
前に足利で山姥切国広の公開があったときは、行くのを逃してしまったし、今回は当然ながら新選組の沖田総司の愛刀の実物じゃない(何せ消失刀だ)からどうしようかと悩んだんだけど、でも、やっぱり一度は沖田総司の愛刀の面影を見ておきたい、という気持ちが強くて行ってきました。

どちらか、というと、安定のほうが足が長くてほっそりしている今どきのイケメン、という感じ。
江戸時代の拵えもハデだし。
清光の刀のほうがどちらかというとどっしりしていて、質実剛健、実用向きの刀だな、という印象を受けました。
刀剣乱舞の安定と清光とは逆のイメージかな、というのが感想です。
(でも洋装の安定とかあんまり想像できないけどね・笑)
どちらも撮影禁止だったので(こうなってくると、やっぱりしっかり管理保全されていてフラッシュたかなければ撮影OKのトーハクとか福岡市博物館とかってすごいんだな、と改めて実感しますね。佐野美術館も撮影ダメだったし、埼玉の博物館も撮影ダメだったし←まあ謙信景光の写しのほうは撮影大丈夫だったけどね)じっくりたっぷり心に焼き付けてきました。
いろいろ刀剣も観てきましたけど、やっぱりひと振りひと振り全然違うんだな、刀剣、日本刀とざっくりまとめたらいけないんだな、と改めて感じています。
しかし、安定と清光ってああも全然違う刀なんですね(笑)
やっぱり行ってよかったな、と感じました。
そして、ここで重要なのは、ここが足利学校で、富樫倫太郎さんの歴史小説『早雲の軍配者』に登場する場所でもある、ということです。
後にフランシスコ・ザビエルが『日本最大にして最も有名な坂東の大学』と称した学びの場所。
『学徒3000』と言われた最高学府。
そして、そこで鍛えられた日本刀もあったわけで、それだけは写真が展示してありました。
刀 銘 晴雲齋源景國(せいうんさいみなもとのかげくに)
文久二年作。
足利学校で鍛えられたひと振り。
3振りとも江戸時代の刀剣、特に源景國は明治まで活躍した刀工だそうです。
 
そっか、沖田総司の愛刀もこんな感じだったんだな、こんな刀を手に京都の闇夜を、そして刀の時代の終わりを、駆け抜けていたんだな、と考えると、なんか近くて遠いような気もしますね。
今日が展示最終日だったので、思い切っていってきて、安定と清光に会えてよかったです。
 
で、
時間があったので、帰るついでにトーハク、東京国立博物館にも行ってきました。
逢ってきました!
国宝 太刀 銘備前国包平作(名物 大包平)
イエス!カネヒラ!
我が本丸はノーカネヒラですが(笑)やっぱり実物は迫力が違いますね。
さすはが刀剣史上の最高傑作!
古備前派の刀工包平が鍛えた質実剛健、実用向きながらも1000年を超えてなお美しく威風堂々としたその姿!
同じ平安刀の三条の刀とは一線を画した、幅広の姿が武士(もののふ)を感じさせます。
そりゃマッカーサーも欲しいっていうわ。
あげないけどね。
この刀(ひと)は日本という本丸の宝ですから。
そしてこちらは長船はひと振り。
大般若長光。
元の主は足利義輝だったり、織田信長だったり…何せ600貫(3000万円)の超プレミア刀剣様。
ああ、私ってつくづく長船の刀が好きなんだなあ、と最近しみじみ思います。
リアル、刀剣、のほうね(笑)
あの、どっしりしていて、派手さはないけど(をいをい、とうらぶの大般若さんは…以下略・笑)
いぶし銀といいましょうか
実用性に非常に特化しているといいましょうか
見ていて、戦う刀なんだな、と思わせる勇猛さがあるといいましょうか
そういうところがすごく好きだな、と感じます。
長光の銘もくっきりな大般若さんの茎。
もはや銘までも美しい(笑)
 
あと、亀甲貞宗も今回は見てきました(前回小龍景光君をみに行った時には展示されてなかった)
それと、刀のほうの堀川国広。
見たことないけど、多分山姥切国広ってこんな感じ(いや国広の最高傑作なんだからもっと綺麗なんだろうな←綺麗とかいうなって言われそうだけど・笑)なんだろうな、って思ってました。
そしてそして、こんな方もおりました。
かの松永久秀が秘蔵していた、と言われる骨喰藤四郎…の写し。
まんばちゃんとお友達になれそうなしかも脇差。
これまた美しい。
…あ、彫り物を撮影してきたら、茎の銘まで撮影できてた(あとでちゃんと見ておこう・笑)
でも脇差にしちゃサイズが大きいな、という感じはしました。
じつはばみ君の写しと国広の刀、同じケースの中に納まってまして、なんだそれ、私大好きな並びじゃないか、とか思ってました。
そうそう、大包平は青江の刀と同じケースに収まってましたよ。
 
いやあ、一気に今日は10振り以上刀剣見てきたんじゃないかなあ。
 
今日の日に悔いなし!
 
行きたいところにはちゃんと行っておくべきなんだと、改めて思う冬の1日なのでした。