私はがん患者。治療を始めて10か月が過ぎました。
いまどき、がんといっても日本人の半分がかかる病気なのだそうですね。
人ごとのように書いてるけれど、10ヶ月前までは全くの人ごとでした。
なんとなく「調子悪いな」と思って病院を訪ね、数件の病院をたらいまわしにされ。
最終的にたどり着いた大学病院で、「がん」の宣告をされるまで、というか、宣告されてからも、「私ちょっと疲れてる。大丈夫、ちょっと休めば」と、やっぱり人ごとでした。
不思議なもので、病気や災難って現実と対面しない限り、自分にも起るものと思えないんですよね。
私には、がんで亡くなった友達がいるし、病気と闘っている友達もいるのに、それでも「私はずっと健康だったから大丈夫。粛々と治療して治せばいいだけ。」と思っていました。
痛みを感じてからでないと、自分の体験にはならないから、そんなふうに思えたのでしょうね。
とにかく、健康だけには自信がありました。
だから体がいうこと聞く限りは何でもやろう、物理的な時間が可能な限りは何でもやろう、そう思って今まで生きてきました。
そのつけがまわってきたのかな?
「がん」を宣告され、2週間後に手術を受けました。
手術が終わってから、ようやく「がんとの闘い」が私の中で始ったような気がします。
痛み、体が自由に動かないつらさ、それを超えたら、次に待っていたのは抗がん剤治療。
これは本当につらかった。吐き気、食欲減退、そしてそれが過ぎたら今度は逆に過食になり、便秘が続いた後は下痢に変わり、痔になり、歯茎が浮いたように痛くなったり、急に熱が出たり、手足の関節や筋肉が痛くなり、とにかく体がだるい。ちょっとした傷がなかなか治らず、痛みが治まらない。
一つ一つの症状は大したことないけれど、それが重なってやって来る。髪の毛は抜け、外に出るのもおっくう。
家でじっとしているのが苦手だった私が、人に会うのも面倒くさくなるなんて。
今振り返ると、精神的にもおかしかった?私。
抗がん剤治療が終わり、ようやく薬の副作用が抜け始めたのはつい最近のこと。
髪の毛も生え始め、2センチほどの長さになりました。
今は、毎日、自分のてのひらで頭をなでるのが、とってもシアワセ。
短い髪の毛の先が、ちくちくとてのひらに触る感覚が、「ああ、私の体頑張ってるなー」と、とっても愛おしく感じられるから。
髪の毛が伸びるってことは、私にとって生きている証。
できればこんな苦しみ味合わないほうがいいから、早期でみなさん治療してほしい。
定期的な健康診断、みなさん受けてくださいね。
