伊坂幸太郎『フィッシュストーリー』 | 無重力ピエロ

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伊坂の話を読み終えるとなんか、
綺麗な詩を読み終えた後のような感覚になる。

たまに自然と涙が出る。

それは素直に感動したから、というのもあるかもしれないけど、
あー綺麗な終わり方だったなって。

なんか、綺麗な芸能人が最後まで美しい姿で死んでいきました、
ってニュース見た後みたいな。

・・・わかりにくいか(笑)

ただ単に自分が涙もろいだけなのかも。

それはともかく、
今回は久々にフィッシュストーリーを読んだ。

いくつか小話入ってるけど、
「ポテチ」が自分的にはいい。

そもそもなんでこのタイトルなんだって
思ってたけど、中盤で実際ポテチが登場して、
あー、このことか、ってちょっと楽しくなった。

深く考えると、
作家のメッセージとしては、

「その問題は、ポテチがただ入れ替わったっていうのと大差ない、
大したことないことだよね、そう思えばいいじゃん」

ってことなのかな。

逆に浅く考えると、
ただの読者へのヒント?

どちらも意図してるのか、
どちらか一方なのかどうなのかわからないけど、

とにかくそこが楽しかった。

最後はちょっと出来すぎじゃね?って思ったけど、
ここで上手くいくことによって美しいんだろうし。

物語は現実的であるよりも、
少しオーバーでも、希望の光があった方がいいなって思う。

それでなかったら少なくとも美しさがあった方がいい。

伊坂の作品は美しいからどれも好きだ。


ちなみに、

水を差すようでなんだけど、

ポテチは、コンソメ食べたいときにうす塩とか渡されたら、
ちょっとキレる。

以上。