…私は争い事が嫌いだ

だからなるだけ見ないようにしていた

無茶苦茶言われてるのは知っていた

今に始まった事じゃない
過去にもそういう報道がある度
真実を知ろうともせず
知識もほとんど持たず
さも、裁判官であるかのように

断罪してきた

口汚い言葉を使って
鋭くとがった
刃物の単語を使って
腐った汚物のような
うす汚い感情を
撒き散らし
浴びせかけた



何も解っていない
誰も解っていない

私は忘れる事が出来ない
つらい記憶を
嫌な感情を

どんなに忘れたくても
忘れる事が出来ない

何日も、何ヶ月も、何年も繰り返し繰り返し
鳴り響く罵りの声


それでも、争いたくない
争ってはならない

嘲りに怒りで報いる姿を
痛みに痛みで報いる姿を




見せたくない
伝えたくない




子供達に





私が怒りで報いれば
私が痛みで報いれば

必ず同じ様になる

怒りに怒りで報い
痛みに痛みで報いる

だから…

私は沈黙で報いる

憎しみの上に哀しみが
哀しみの上に痛みが

まるで芥のようにうづ高く積み上がる前に