夏木陽介、風の中を走る



毎年の事ながら11月に入ると天気予報が気にかかる。

特に近畿地方の予報に一喜一憂する。


高野山で行われるクラシックカーイベント「ヴェトロモンターニャ(氷の山)」

に参加する70台余りの車は50年以上昔に製造された古い車ばかりなので、

快適に走るには雨や風や寒さは大敵である。

特にオープントップの車は雨・風に直接さらされる。



夏木陽介、風の中を走る


地球温暖化の影響の為かこの2~3年はTシャツで走れる年や

ジャンパーだけでも寒さを感じない年があったが、その分高野山から熊野に至る

竜神スカイラインの紅葉が遅れているような気がする。



今年は東日本大震災ばかりか紀伊半島も台風12号の被害で道路が寸断されたり

洪水に襲われたりして直前まで大会そのものが開催されるかどうか心配された。

が、スタッフを含め”負けるな和歌山!”の多くの心が集まって開催となった。

遠くは大分・福岡・長崎・秋田などからも参加者があった。


途中立ち寄った熊野神社では田辺市長さんも出席して全車がお祓いをして頂き

全員で”元気桜”と命名して記念の植樹をした。その後再スタートしてゴールちかつゆ迄走行した。



1936年から1940年の間に198台だけ作られたジャグアーSS100の2.5リッターが

私の車も含めて4台も参加するのは初めてで、70年前に製造されて現在世界中にも

半分以上は残っていないであろう車が4台も一同に集まったのは奇跡に近く壮観であった。


参加車の中で1番古い車は78年前に作られた1933年型MG・J2で、

ドライブした上野雅紀さんはこの僅か850CCという小さなエンジンの車を楽しそうに

ゴールまでドライブしたのは立派であった。



夏木陽介、風の中を走る



今回は20回目の記念大会だったが全車が何のトラブルもなく楽しい1日を過ごし、

来年の再会を約して別れた。

この種のイベントが20年間何のトラブルも無くして続いているのはおそらく

ヴェトロモンターニャが日本で唯一の会であろう。


今年も沿道に旗を振って応援してくれる沢山のおじいちゃん、お婆ちゃん

又小さな子供達に少しでも元気が上げられれば今年の大会も大成功だと自負している。