先々週の土曜日に参加した展示会。
おっ!なんだ、この厳つい塔は!?って思うでしょ?
インスタのストーリーに載せたら「わー、素敵なところですねえ」というコメントを多々いただいたので、ここでちょこっと説明
この後ろにどっしりと構えている塔は、トル・サン・ミケーレっていいます。
これは、ローマに流れ着くテヴェレ川河口の、我が家からも車で10分足らずのところにあって、なんと、かのミケランジェロが設計したそうです。
遡ること16世紀、教皇ピオ5世のプロジェクトで、ミケランジェロによって設計され1559年に建設が始まり、ミケランジェロの死後は、ジョヴァンニ・リッピによって1568年に完成。
トル・サン・ミケーレとは、聖ミカエルの塔という意味で、ピオ5世の保護者、大天使聖ミカエルに敬意を表して名付けられました。
なので塔の入り口の上には、ピオ5世の紋章がデカデカとあります。
さて、この完璧に保存された八角形の塔は、ルネッサンス期の典型的な軍事建築です。
つまり、テヴェレ川の河口の見張り、防御をしていたわけですね。
それ以前に見張りをしていたのは、ここよりも少し内陸にあるユリウス2世の城です。というお話は、以前に書いたこちらをご覧ください〜。
ここに書いたように1557年に大洪水があって、川の水路が急激に変わってしまい、ユリウス2世の城はうっそでしょーって感じで川から遠くなってしまい、こちらを建てたというわけです。
ちなみに現在、長年の土砂の蓄積によって、この塔も海から2 kmと離れた場所にありますが、当時は 海岸線から50 mでした。
そして、見張り役は1807年まで機能していたそうです。
それ以降は、1928年にこの辺りに造られたオスティア水上飛行機基地の灯台として使われ、さらに第二次世界大戦中に、屋上に灯台タワーが追加されました。
これね。この煙突みたいの。
で、ここからが問題!
大戦終了と共に使用されなくなると、そのあとは…荒れ放題
1994年に、ローマの環境建築遺産の監督官庁に引き渡され、やっと重要な国有財産と見なされますが、現在でも実は、この地区は、環境が良いとは全く言えないんです。
こんな写真を見ると、すごーく素敵な感じですけど、実はこの右側にはゴミの山が!! あ、ちょっと写ってるわ。右下の白っぽいの、実はペットボトル!
あたりの家々も、法外に建てられたものや怪しげなほったて小屋が多く、一人で散歩できるような雰囲気では全くありません。
それでも地元のグループの頑張りで、近年になってようやく修復され、今ではガイドさん付きで塔の中を見学できるようにまでなりました。
そんな中での今回の初の展示会。
環境保護を目的とするグループとのコラボ。
今回もガイドさん付き見学があったのですが、私は予約したのが遅すぎて、今回はもう満員で中に入れなかった!残念
というわけで、まだまだ”大勢の人が見に来て大盛況”とは言えない展示会でしたが、少しづつの進歩が大事。
それにしても、イタリアにはこんなに立派なものが、まだまだ捨てられたようにゴロゴロしてるんですから、本当に呆れてしまいますよね!