オープニングは……
昨日の夜中に初稿(準備稿)の直しも終わって、今朝また見直し
をして、納得できたので、宮野監督に送った。
宮野監督の要望を入れ、思い切り書き上げることができたと思う。
実はこの物語のオープンニングは、現在の千藤(俺)の登場から
はじまる。これは監督とスポンサーからの提案で、俺も出て欲しい、
というものから考えた。
さわりだけ教えると、原宿・表参道をスーツ姿の俺が歩いている。
現在の恵里子が娘と買い物に来ていて、偶然に俺を目撃する。
恵里子は俺を追いかけるが、その姿を見失う……。
表参道から見上げた青空。千藤くん……という声が反響して、いっ
きに過去にフラッシュバックする。
高校生の千藤と恵里子。そこから本編がはじまる……。
オープニングはこんな感じです。
全体的にヒューマンドラマになっている。という宮野監督の言葉を
聞いて、俺は心の中でやったぁ、と思った。
70年代の不良の物語という、古い時代設定だけど、ビーバップハ
イスクールでもなく、クローズのような派手さもない。地味かも知
れないが、本物の不良スタイルを知ってもらいたいという意味では、
主人公やヒロインの内面を表現しなければならない。そうなると、
どうしてもヒューマンチックになってしまうことは否めなかった。
物語を脚色すれば、派手にも現実離れした内容にいくらでもできる
けど、今回は敢えて、実話を元に、忠実に書いたので、ごく身近で
起こったことを、そのまま表現している。その時代を生きてきた人た
ちが観て、共感できるように。そしてその時代を知らない人たちにも、
きっと共感してもらえるはず。何故ならば、現実離れしていないから。
観て何かを感じてもらいたい。そして不器用でカッコ悪いけどカッコ
良い男を、○○くんならきっと上手く表現できる。というのが俺と監督
の思いだ。
自分で言うのものヘンだけど、みなさんと同様に、俺自身もかなり
楽しみにしている。
ここ数日のコメントで感じたことは、俺世代から、少しあとの人たちが
もっとも多く楽しみしているようで、すごく嬉しい。まったくその時代も
そういう世界も知らない女性の人たちも、けっこう楽しみにしてくれて
いることも分かって、俄然、やる気が出てきたというのも正直ある。
でも、ほとんどの人たちが、中ランやボンタンを既製品で買っていた
というのは、本当に驚いた(笑)。
言い換えれば、中ランやボンタンというのは、ブームになったから、
普通の洋服屋さんで売るようになった。ということだ。
本の『東京不良少年伝説』にも書いたけど、当時の不良はファッション
の先駆者でもあった。ということだろう。
では、また