東海道五十三次の旅 ラスト
原稿書きが忙しい、なんて言いながら、
マメにブログを更新しちゃっている俺ですが、
みなさんが俺のブログを読んで、少しでも
楽しい気分になってくれたら嬉しい、
と思いながら書いています。
東海道五十三次の旅も終わって、東京へ戻る日。
「帰りは、ゆっくり帰るか」なんて言う岩城さんだけど、
高速道に乗った途端、辻やんと2人で、かっ飛んでいく
岩城さんなので、その言葉は信じられない。
そんなことを思いながら、高速道に入っていく。
最初はみんなで揃って走っていても、辻やんが前に出ると、
2人のレースははじまってしまう。
でも不思議なのは、今までそれで誰も警察に捕まった
こともないし、高速道で事故ったこともない。
俺と剛くんは2人の影も形も見えない姿を追いかけながら、
ひたすらハンドルを握り締める。もの凄い風圧に襲われながら
130キロ前後のスピードで走り続ける。
「クソーッ」とか、「またかよ~」とか、「ウソつき~」とか、
「もう信じてやるもんか~」とか、メットの中で言葉を
吐き捨てながら走っている。死を覚悟しながら(←大袈裟じゃない)。
ようやく、次のパーキングエリアで休憩するという
無線が入る。ふ~、という感じで息は吐くけど、
気はゆるめられない。バイクを停めるまでは気を張っている。
↑すでに休憩モードに入って、俺たちを待っている岩城さん。
「なんか、バイクが調子悪いんですよ」なんて、
バイクの所為にしてみたりするが、このときは本当だった。
メカニックの芳輝くんが、タバコを咥えながら寄ってくる。
タバコ咥えてんじゃねえ。と内心思いながら、状況説明。
岩城さんは黙って聞いている。
多分、大したことじゃないと思う。
芳輝くんだけど、奴の言うことはイマイチ信用できない。
「もし俺が事故って死んだら、お前の責任だからな」
「え~~、カンベンしてくださいよ~~」
いつもこんな感じの会話。それを岩城さんは笑いながら
見守るか、話に加わり、芳輝くんに蹴りを食らわす。
↑陽はすっかり暮れて、東京まであとわずかな距離。
ほら、やっぱり調子悪いじゃねえか……。
じゃ、ちょっと見てみますね。
頼むぜ~!
芳輝くん、本当は頼りになる奴。
しばらくして、剛くんが青い顔して俺のところへ来た。
「聞いてくださいよ。俺マジで死ぬかと思いましたよ~」
「どうしたんだよ?」
「さっき、壁に激突しそうだったんですよ~」
「ウソ、なんで?」
話を聞くと、大型のトレーラーがいきなりグワーっと
幅寄せしてきから、こっちにグワっとハンドルを切って、
それを除けたら、今度はこっちにグワンと
壁が目の前に迫ってきて、ワー、もうダメだ。と思って、
トラックの方を、ガッと見たら、ハンドルがそっちに
切れて、助かったんです。
身振り手振りのオーバーアクション。
「まだ心臓がバクバクいっちゃってますよ~」
グワっとかグワンとかばかりの興奮状態で、なに言ってるか、
イマイチ分からないけど、危なかったことは伝わった。
「マジかよ。でも大丈夫だったんだろ。さすがじゃねえか」
と励ました。
「ちょっとその話を岩城さんと辻やんに言って、
ゆっくり行きましょう、って頼もうぜ」
俺自身がそうしてほしかったので、
喫煙所のところでタバコを吸っている岩城さんと
辻やんのところへ歩み寄った。
「なんか、こいつヤバかったみたいですよ」
と話を振って、さっきと同じように剛くんに喋らせた。
「……」
「……」
沈黙の2人。
「そんな訳なんで、ちょっとゆっくり行きません?」
遠慮しながら俺は聞いてみた。
「よし、じゃ行くか」って、無視かよ~。
さっさと、バイクに跨る2人。そんなことはどうってことない
ということだろう。
「僕にも一服させてくださいよ~」泣きそうな剛くんの肩を叩いて、
「しょうがねえな」そう言って、俺もバイクに跨った。
こうして、東海道五十三次の旅は終わりました。
いつもこんな感じのツーリングです(^▽^;)
では、また