ジャパニーズ・チカーノ | 遠藤夏輝オフィシャルブログ by Ameba

ジャパニーズ・チカーノ

命を懸けてきた男 Vol.3


今までの人生の中で、凄いと思った男が3人いる。

1人は元海兵隊の高梨公利(Kimi)くん。

2人目は、国際A級ライダーの辻本聡(つじやん)さん。

3人目は、俳優の岩城滉一氏。岩城さんは、俳優という

垣根を越えた付き合いができる先輩で、俺の恩人であり、

師と仰げる人……。


やってきたことの違いはあるが、この3人は、

死と背中合わせの世界で闘いながら生き残ってきた。

一口に言って凄い人たちだ……。


『命を懸けて、生き抜いてきた本物の男』という意味では、

3人には共通点がある。

どこか人と違う。ある意味、人間を超越している、

聖職者のような人。という感じを持っている。

そして本物の男といのは、そうざらにいるものではないが……。


以前、世の中にはこんな凄い人がいるものか、と感心し、

衝撃を受けた男がいた。


今回このブログを通じ、JINOさんという監督と知り合った。

ペタをしていただき、JINO(ブログ名)さんのブログを覗いて

驚いたのだが、その衝撃を受けた人物と、接触を持っており、

JINOさんは、すでにその人の映画の仕事を手掛けていた。

嬉しくなって、メールの交換をさせてもらっているのだが、

このJINOさんも大変な人物だった。


その凄い人のことを話す前に、『チカーノ』ということを説明する。

知っている人もいると思うが、『チカーノ』というのは、

白人でも黒人でもない、オリエンタルでもない、

メキシコ系アメリカ人のことをいう。

『チカーノ』の人たちは、同じメキシコ系アメリカ人以外、

仲間として決して認めないという、一種独特な民族感を持っている。

でも、一度仲間として認めたら、命を捨てても仲間を守るという

熱い心を持ち、魂を持っている。

今の日本人に薄れている絆を、強く持っている人たちだ。


以前、実話・ナックルズという雑誌に、『チカーノ』に認められた

日本人がいるという記事があった。

昔から、『チカーノ』の精神論などに興味を持っていたので、

なおさら衝撃を受けて記事を読んだ。


その『Mr KEI』という人物は、ヤクザだったが、

アメリカの刑務所に10年以上も収監され、刑務所の中で、

ギャング同士の死闘を繰り返しながら生き残り、

『チカーノ』の、あるマフィア組織に認められたという経歴を持っていた。


ボブ・サップのようなゴツイ受刑者がゴロゴロいる、

アメリカの刑務所に、10年もいたということだけでも、驚くべきこと。

そして『チカーノ』のマフィアに認められたという事実は、

本当に凄いことだと思った。


そしてこのKEI氏は現在なにをやっているかというと、

「チカーノになった日本人」という本も出版している。

刑務所の中で猛勉強し、心理カウンセリングの資格を取り、

それを活かし、相談を受け、全国で講演をしたり、子供と対話して、

グレている子供達を無くす、草の根的に活動をしている。


その生き様は、なかなか出来るものではない。

KEI氏だから出来ることだろう。

過去がどうあれ、そしてその過去を活かすことをする。

素晴しいことだ……。


どんな偉い評論家が、知識を頭に詰め込み、うん蓄を並べても

実際に経験してきている人には適わない。


俺も人と違う人生を歩んできて今があり、活かされているけど、

この4人の人たちからは、大いに学ぶべきものがある。


JINO監督は、『チカーノになった日本人』の映画化に向けて

現在動き出していると言っていたが、是非、成功させて欲しい!


そして、機会があったら、KEI氏に会ってみたい……。



遠藤夏輝